「第一印象を決めるのは足元から」という言葉のように、人の印象は服装小物によって左右されるもの。それは、有名なブランド品を持つよりも、どれだけ手入れをしているのかというメンテナンスに意味を持ちます。磨き上げられた靴やバッグは、その人の心配りや清潔感、ライフスタイルや人柄を想像させ素晴らしい人間関係を引き寄せてくれます。だからこそ、成功者と素敵な靴にまつわるジンクスは世界中に多く存在するのです。
どんなに美しい洋服や髪型できめても、服装小物が汚れていれば台無しです。もしも「運気を変えたい」と願うなら、身の回りの小物を磨いてみませんか? 季節の変わり目や外出先での急な汚れにも対応できる、靴のメンテナンス法をご紹介します。
プロが教える、靴の正しいメンテナンス方法とは?
秋冬シーズンになると、使用頻度が高くなるレザーのショートブーツ。1回目は、自宅でもできる簡単な靴のメンテナンス法を「GMT FACTORY アコルデ代々木上原店」の店長であり職人の冨樫輝好さんに教えていただきました。
今回メンテナンスする靴は、前シーズンにお手入れをせず保管していたため、全体的にホコリと乾燥が目立つのが難点。「くたびれた印象」を与えてしまうこの靴を、購入時のように美しく蘇らせるにはどうしたら良いのか!? ダイジェスト版の動画とともにご覧ください。
静止画で確認するお手入れ方法
■STEP 1
全体のホコリを、馬毛ブラシでサッと払い落とします。履きじわの間やデザインが施された部分にはホコリが溜まりやすいので、丁寧にお手入れしましょう。このとき、馬毛ブラシで強くこすらないようご注意を。
■STEP 2
リムーバークロスを指先2本に巻き上げ親指で支え、靴の中を磨いていきます。靴の内側の先端部分には、髪の毛やペットの毛、ホコリなどが溜まりやすく、放置してしまうとカビや匂いの原因にもなりやすいので、汚れをしっかり落としましょう。
■STEP 3
リムーバーを付けて、円で描くように表面の汚れを落とします。とくに、履きじわなど凹凸の部分に汚れが溜まりやすいので念入りに。レザーが痛む原因の多くは摩擦によるものなので、強くこすらないよう注意して。また、布の面が汚れたら新しい面に変え、繰り返し行いましょう。
■STEP 4
靴の乾燥(艶がない、カサついた感じ)を、デリケートクリーム(黒)で水分を補いながら保護します。ムラにならないよう、豚毛ブラシで丁寧に磨き上げましょう。皮は、水分が減ると色が抜けたり小じわや傷をつくりやすくなるので、日頃から状態を見ておくことで、靴の劣化から守ることができます。
■STEP 5
潤いと栄養を与えるシュークリーム(黒)を指先にとり、優しく塗り込むようになじませます。指腹の体温でクリームが溶け、指先の感触で浸透加減が実感できます。さらに豚毛ブラシで磨き上げ、光沢を出しましょう。補色の役割と優れた浸透性により、靴をなめらかにし品質を長持ちさせてくれます。
■STEP 6
ヒールの塗装が剥がれた傷は、レノベイティング カラー補修クリームでカバーします。こちらのクリームは、レザー用の色付き接着ボンドのような質感で、自然な仕上がりが特徴です。
■STEP 7
最後の仕上げに、グローブクロスで磨き上げます。ここでも強くこすらずに、サッと拭き上げて。余分なクリームを落とし、全体を整えましょう。
完成図
美しい光沢感を取り戻したら完成です。傷や色ムラがないだけで、上質なレザーアイテムを大切に扱う、心の余裕までも感じさせることができます。
「イタリアに伝わることわざ『良い靴を履けば、良い場所へ導いてくれる』は本当なんですよ」と冨樫さん。ピカピカになった靴を見ると、自分自身の心も輝くのが実感できます。また、ちょっとした汚れなら、10分ほどの作業で十分なんだそう。季節の変わり目をはじめ、大切な人に合う前日や気分が落ち込んでしまった日など…。即効性のある輝きで凛とした自分を取り戻しましょう! 小さなメンテナンスで、大きな開運を招きますように。
■使用アイテム紹介
■ショップ詳細
教えてくれたのは、代々木上原駅の構内にある「GMT FACTORY アコルデ代々木上原店」。英国調のクラシカルな内装で、多くの常連さんが大切にしている服装小物が列びます。シューケアのワークショップなども開催している、プロフェッショナルなクラフトマンが、服装小物のメンテナンス全般について相談に応じてくれます。
問い合わせ先
- 営業時間/11:00~20:00
定休日/年末年始以外年中無休 - TEL:03-6416-8703
住所/東京都渋谷区西原3-8-5 アコルデ代々木上原A-202
バッグや靴のメンテナンスシリーズ
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- MOVIE :
- 小野直樹
- WRITING :
- 鶴巻裕子
- EDIT :
- 石原あや乃