日々生活をともにしているバッグは、気づけば色落ちや汚れが目立つようになり、「古びた」印象を与えていると感じることはありませんか? 40代・50代のキャリア女性ともなれば、小物を持つこと自体、セルフブランディングのひとつとも言えます。

今回は、初めて会う人にも好感をもってもらえるよう、基本的なバッグのお手入れ方法を「GMT FACTORY アコルデ代々木上原店」の店長であり、職人の冨樫輝好さんに教えていただきました。自宅で簡単にできるメンテナンス方法なので、動画を見ながら実際にバッグを磨いてみてくださいね。

プロが教える、バッグの正しいメンテナンス方法とは?

お気に入りのレザーバッグは、持つ頻度が高いほど汚れが目立ってくるのが現実。第2回目では、自宅で簡単にできるバッグの「汚れの落とし方」と「色補正の仕方」を、「GMT FACTORY アコルデ代々木上原店」の店長であり職人の冨樫輝好さんに教えていただきました。

■基本的な汚れの落とし方

今回メンテナンスするホワイトレザーのバッグは、コーヒーのシミが全面に残ってしまったことで使用頻度が落ち、長年クローゼットの中で眠ってしまっていたもの。プロの目からは「簡単に汚れが落ちる」と判定されたこのバッグですが、本当にきれいになるのか!? ダイジェスト版の動画とともにご覧ください。

 

静止画で確認するお手入れ方法

ホコリを落とす
ホコリを落とす

■STEP 1
バッグ全体のホコリを、馬毛ブラシで優しく払い落とします。縫製や金具のデザインが施された部分にも、目に見えないホコリが溜まりやすいので注意しましょう。

汚れを落とす
汚れを落とす

■STEP 2
クロスが少し湿る程度に、リムーバーを付けます。決して、力任せにゴシゴシとこすったり、リムーバーを付けすぎないよう注意しましょう。この作業は、ステップ3への動線になります。皮に水分が浸透しやすくなる、ベースつくりになるマストケアです。

保湿をする
保湿をする

■STEP 3
デリケートクリーム(無色)を使って、皮に水分を補います。女性の肌のお手入れをイメージしながら、塗り込みすぎず、強くこすらないことがポイントです。

仕上げ
仕上げ

■STEP 4
バッグに潤いを与えたら、グローブクロスで優しく磨き上げます。サッと拭き上げることで、余分なクリームを落とし、全体をなめらかに整えて完成です。

左:ビフォー/右:アフター
左:ビフォー/右:アフター

before→after
コーヒーをこぼしたシミ、擦り切れた細かな傷、全体的なくすみが取れ、なめらかで光沢感のあるバッグへと生まれ変わりました。艶のあるバッグはこれからのシーズン、活躍の場が増えそうです。

■今回使ったアイテム紹介

左から、馬毛ブラシ ¥3,000、M.モゥブレィのステインリムーバー ¥2,000、M.モゥブレィのリムーバークロス ¥400、M.モゥブレィのポリッシングコットン ¥400、M.モゥブレィのデリケートクリーム(無色)¥1,000(すべて税抜)
左から、馬毛ブラシ ¥3,000、M.モゥブレィのステインリムーバー ¥2,000、M.モゥブレィのリムーバークロス ¥400、M.モゥブレィのポリッシングコットン ¥400、M.モゥブレィのデリケートクリーム(無色)¥1,000(すべて税抜)

■上級者へ向けた色補正の仕方

今回特別に、正しい色補正の仕方も教えていただきました。メンテナンスするのは、角の色が擦り切れて色ムラが目立つヴィンテージバッグ。せっかくの上質なレザーも色が剥げているだけでチープな印象になってしまいます。どうやったら自宅で新品同様に蘇らせることができるのか? ダイジェスト版の動画とともにご覧ください。

 

静止画で確認するお手入れ方法

ホコリを落とす
ホコリを落とす

■STEP 1
メンテナンスのスタートは、必ず馬毛ブラシで優しく全体の汚れやホコリを払い落とすことから始まります。次のステップの効果を高めるためにとても大切なステップなので、念入りに行いましょう。

汚れを落とす
汚れを落とす

■STEP 2
リムーバーをつけたクロスで、バッグ全体の汚れを丁寧に落とします。痛みが進行している箇所はクリームが浸透しやすく、色が濃く変化するので、バッグの劣化状況を確認しながら行いましょう。

色補正をする
色補正をする

■STEP 3
レザー専用の色補修液、ユニタス レザーマスターを数色混ぜて、バッグの色味と合うよう慎重に調整します。まずは目立たない部分で試し塗りをし、バッグ本体の色と補色する色の違和感がないかを確認してから、全体的に綿棒で少しづつ色を乗せていきましょう。

色をなじませる
色をなじませる

■STEP 4
全体に色を乗せたら、リムーバークロスで補色をなじませます。このときも力加減は優しく、なじませながら余分な色味を取るような感じで進めましょう。

ツヤを出す
ツヤを出す

■STEP 5
全体的に乾燥しているため、艶出しクリームで光沢を補います。指先で少しづつなじませながら、やわらかなポリッシングコットンで優しく磨いて、なめらかな質感を取り戻しましょう。

完成図
完成図

完成図
色ムラや乾燥がなくなり、まるで新品のような美しいレザーバッグに生まれ変わりました。部分的な色の擦れを補正するだけで、上質な状態を長く維持できるので、ぜひ試してみてください。

■今回使ったアイテム紹介

左から、馬毛ブラシ ¥3,000、M.モゥブレィのデリケート クリーム(無色)¥1,000、ユニタス レザーマスター 黄色・緑・茶色 各¥1,000、M.モゥブレィのリムーバークロス ¥400、M.モゥブレィのポリッシングコットン ¥400、M.モゥブレィのステインリムーバー ¥2,000(すべて税抜)
左から、馬毛ブラシ ¥3,000、M.モゥブレィのデリケート クリーム(無色)¥1,000、ユニタス レザーマスター 黄色・緑・茶色 各¥1,000、M.モゥブレィのリムーバークロス ¥400、M.モゥブレィのポリッシングコットン ¥400、M.モゥブレィのステインリムーバー ¥2,000(すべて税抜)

「女性のスキンケア方法とレザーのメンテナンス方法は、とてもよく似ているといわれています」と冨樫さん。優しく磨き上げるたびに、レザー(肌)は応えてくれるんだそう。また、色ムラやシミの補正も、女性のメイク同様、「メンテナンスをするほど若々しい印象を与えてくれる」とも。女性にとっては、肌のお手入れに例えると、どう扱うべきかがわかりやすいですね。

幸運を掴む女性ほど、細部に渡ってていていな心配り・気配りをしています。美しく磨き上げたレザー小物を通して、豊かな心の在り方を再確認してみるのはいかがでしょう。

■今回教えていただいたショップ詳細

教えてくれたのは、代々木上原駅の構内にある「GMT FACTORY アコルデ代々木上原店」。英国調のクラシカルな内装で、多くの常連さんが大切にしている服装小物が列びます。シューケアのワークショップなども開催している、プロフェッショナルなクラフトマンが、服装小物のメンテナンス全般について相談に応じてくれます。

GMT FACTORY アコルデ代々木上原店
GMT FACTORY アコルデ代々木上原店

問い合わせ先

  • 営業時間/11:00~20:00
    定休日/年末年始以外年中無休
  • TEL:03-6416-8703 
    住所/東京都渋谷区西原3-8-5 アコルデ代々木上原A-202

バッグや靴のメンテナンスシリーズ

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
MOVIE :
小野直樹
WRITING :
鶴巻裕子
EDIT :
石原あや乃