ともすればため息をつきたくなるような、希望のないニュースが溢れる現在の世界情勢だからでしょうか? 2022年のラグジュアリーウォッチ界では、「ジャガー・ルクルト」や「ヴァン クリーフ&アーペル 」といったメゾンが、思いもつかない発想と仕掛けで笑みを誘うようなコンプリケーションウォッチ(複雑な機構を組み込んだ高度な機械式時計)を発表し話題を呼びました。
くだいていうと、いい意味で「特段何かの役に立つというわけではない」複雑機構に、一流メゾンが大真面目に、そして遊び心とともに取り組み、唯一無二のクリエイティビティを発揮したのです。
そして今回、「ルイ・ヴィトン」からも、メゾンのマスコット“ヴィヴィエンヌ”が魔法のように時を告げる、サプライズいっぱいのコンプリケーションウォッチが登場しました!
60分ごとの「かくれんぼ」で「時と戯れる」、ファンタスティックな世界へようこそ!
そもそも“ヴィヴィエンヌ”って誰?
彼女は2017年に、彗星のごとく現れたメゾンのマスコット。まさに「大人の遊び心」をくすぐる愛らしさを携える一方、その存在はどこかミステリアス。彼女がいつ、どこに、どんな形で登場するのか誰も予想することはできません。

これまでにもしばしば、ウォッチの主役として登場してきた“ヴィヴィエンヌ”ですが、2022年は史上もっとも華麗な姿で舞い戻ってきました! その舞台は“タンブール スリム ヴィヴィエンヌ ジャンピングアワー”。
「ジャンピングアワー」とは、ダイヤルに設けられた小窓に数字で時刻を表示する機構。その数字が1時間ごとにジャンプして瞬時に切り替わることからこう名づけられました。そう、この“タンブール スリム ヴィヴィエンヌ ジャンピングアワー”では、彼女の腕が指し示す小窓に表示された数字が「時」を、そしてその愛らしい姿の周りをたゆたう不思議なお守りが「分」を表します。

しかしこの時計で“ヴィヴィエンヌ”が繰り広げるマジックは、それだけにとどまりません。よく見ると、「時」を表示する小窓はダイヤル上にふたつ。なんと、「時」を示す小窓は60分ごとに、あちら、こちらと切り替わり、前のアワーを表示していた小窓は、その時計のテーマに合ったモチーフに「かくれんぼ」するのです。ちなみに、このように位置が交互に入れ替わるジャンピングアワーが腕時計に採用されたのは、史上初めてという偉業!
とはいえ、通常、機械式時計の複雑機構は、時計の精度を上げたり、音で時を知らせたり、半永久的に調整のいらないカレンダーを備えたりと、何らかの「機能」のために搭載されるもの。であるはずなのですが、この、あちら、こちらとアワー表示が切り替わるジャンピングアワーは、ただ純粋に「見る人の心を躍らせ微笑みを誘う」ラグジュアリーなマジック。
毎正時ごとに繰り広げられる時のマジックショーを、偶然見られたら何かいいことがありそうな…そんなワクワク感を大人の女性にももたらしてくれるのも、とても「ルイ・ヴィトン」らしいウォッチメイキングです!
エクスクルーシブな空間でお披露目された、2022年新作ハイウォッチ
この“タンブール スリム ヴィヴィエンヌ ジャンピングアワー”をはじめ、最新コレクションを含むハイウォッチ、そしてハイジュエリーを展示するエキシビションが、2022年4月12日(火)に東京国立博物館・表慶館で開催されました。19世紀の日本における、西洋建築を代表する歴史的建造物を1館借り切った会場は、さながら「ルイ・ヴィトンのお城」のよう。

館の一角には、“タンブール スリム ヴィヴィエンヌ ジャンピングアワー”を展示する特別なスペースも設けられており、このラグジュアリー&ユニークなコンプリケーションのハッピーな世界観をオブジェとともに伝えます。

バリエーションは3つ。ホワイトゴールド、ピンクゴールド、イエローゴールド、それぞれのケースで意匠を変えた、楽しくも贅沢なマジックショーの始まりです!
■1:ホワイトゴールドケース×マザー・オブ・パールダイヤルの「サーカス」

■2:ピンクゴールドケース×アヴェンチュリンダイヤルの「フォーチュン」

■3:イエローゴールドケースの「カジノ」のダイヤルには、新発見のプレシャスストーンが!

歴史と伝統にリスペクトを払いながらも、常に「大胆さ」をもって、あらゆる分野で鮮やかに革新を続けている「ルイ・ヴィトン」。2022年はこうしてハイウォッチの世界で、持ち前の「大人の遊び心」を存分に発揮しました。変幻自在に姿を変えて現れる“ヴィヴィエンヌ”のように、次にどんなラグジュアリーなサプライズを届けてくれるのでしょうか。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- TEXT :
- 岡村佳代さん 時計&ジュエリージャーナリスト