【目次】
【「結構です」は敬語?失礼?結論から言うと…】
■法的には「敬語として間違いではない」
「結構です」は、文法上は丁寧語に分類され、必ずしも誤った敬語ではありません。辞書的にも「満足している」「不要である」の両義をもつ表現として掲載されています。
■問題は「意味が2通りある」こと
「結構」という言葉は、【十分なさま。満足なさま。それでよいとみなされるさま】といった意味をもつ一方で、【それ以上必要としないさま。丁寧に断る場合に用いる】という意味もあります。そのため、何らかの提案に対する「結構です」という答えは、肯定と否定(辞退)、相反するふたつの解釈が可能となります。
【肯定の意味】
「いかがですか?」という問いに対して、「結構です」という返答は、「(それで)結構です(お願いします)」という解釈が可能です。
【否定(辞退)の意味】
一方で、「いかがですか?」という問いに対し、「結構です(=もう充分だから必要ありません)」という意図でも使用されます。
このように「結構です」は、提案を許可・評価する意味と、断る意味、ふたつの解釈が可能な言葉です。誤解を招かないよう、「はい、結構です。お願いします」「いいえ、結構です、必要ありません」などと、意思を明確に伝えましょう。ひと言足すだけで、誤解の余地は激減します。
肯定:「ありがとうございます。こちらで結構です。このまま進めていただけますか」
肯定:「結構です。こちらの意図を汲んでくださり、感謝申し上げます」
辞退:「今回は結構です。お気遣いありがとうございます」
辞退:「すぐに失礼いたしますので、(お茶など)お気遣いは結構です」
辞退:(食後のデザートをすすめられて)「もう十分にいただきました。残念ですが結構です」
【「結構です」の代わりに使いたい【安全な言い換え表現】】
■了承する場合の「言い換え」
肯定的な意味で使われる「結構です」の言い換え表現はいくつかあります。
◆「問題ございません」 ◆「差し支えございません」 ◆「お願いいたします」
■断る場合の「言い換え」
提案を辞退する意味で使う「結構です」の言い換え表現です。
◆「お気持ちだけ受け取っておきます」 ◆「お気遣いなくお願いいたします」
◆「今回はご遠慮させていただきます」 ◆「もう十分です」
【ビジネスシーンでの使い方、「注意点まとめ」】
前述の通り、「結構です」は、肯定と否定、相反する意図で使うことができる言葉です。ビジネスシーンにおいては、誤解を招く原因となりそうな曖昧な表現は、できるだけ避けたほうが賢明です。少なくとも、「結構です」だけで返答を終わらせず、必ず自分の意図を明確に補足するためのひと言を添えましょう。相手から「結構です」と言われた場合は、肯定なのか否定なのか、必ず確認のひと手間を。
また、「結構です」は、疑問形としては使いません。先方に「こちらで結構ですか?」と質問するのは誤用です。正しい表現は、「こちらでよろしいでしょうか?」です。また、若い世代に浸透している「こちらでよろしかったでしょうか?」は不適切な表現であり、大人が使用するのは恥ずかしい言い回しだということを覚えておきましょう。
■自分が「結構です」を使う場合は、意図を補足するひと言を添えること。
■相手から「結構です」と言われたら、必ず意図を確認すること。
■目上の方に「結構です」を単独で使うと、高飛車な印象になるので注意。
■「結構です」は「結構ですか?」と疑問形で使わない。
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相手の厚意を断る際、丁重に意思を伝えるつもりで「結構です」と言ったものの、思わぬ誤解を生んでしまった…。そんなことにならないように、「結構です」の用法を理解し、誤解を招かない使い方を心掛けましょう。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『敬語マニュアル』(南雲堂)/『とっさに使える敬語手帳』(新星出版社) :

















