しなやかな筋肉のついたボディなら、いつもの着こなしもグッと洗練された印象に。雑誌『Precious』7月号では、「大人のボディは『ラグジュアリーな筋肉』が必要です!」を特集しています。

年齢と共に崩れはじめるボディラインに対し、大人の女性が行うべきは、ダイエットではなく筋トレ。 豊かな存在感と凛とした意思を感じるライン、しなやかな筋肉で、素敵に体を支えたい!

今回は、しなやかなボディをキープするために、女性が「鍛えるべき筋肉」「鍛えなくていい筋肉」についてお届けします。

教えてくれたのは…

小塚 愛美さん
パーソナルトレーナー
学生時代に美容と健康について学んだのち、女性専門のボディメイクジムに勤務。現在はパーソナルトレーニングジム「Aphrodite」の代表に。トレーニングと食事指導の両面から美ボディに導く。

しなやかなボディをキープするために、女性が「鍛えるべき筋肉」と「鍛えなくていい筋肉」

美しさと健康を保つために必要な筋肉。二の腕やウエストは引き締まり、胸元やヒップには程よいボリュームのある理想のしなやかボディを手に入れるためには、どの筋肉を鍛えるべきなのかをしっかり把握しておくことが大切です。

●体の正面の「鍛えるべき筋肉」「鍛えなくていい筋肉」

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〈鍛えるべき筋肉〉

1:大胸筋…年齢と共に削げやすいデコルテ部分はしっかりと鍛えてハリのある質感に。下垂しはじめたバスト位置を引き上げる効果も。デスクワークなどによる巻き肩・猫背の改善にも。

2:腹直筋…おなかの表面で中央部分にある筋肉。いわゆる“シックスパック”といわれるのはこの部分。縦線が入るまで鍛える必要はないけれど、ぽっこりおなかと決別するために鍛えたい部分。

3:腹斜筋…おなかの両脇部分で体幹を安定させる大切な筋肉。表層部分の外腹斜筋と中〜深層部の内腹斜筋に分かれる。鍛えることでウエストにくびれが生まれ、カーヴィーなラインが手に入る。

4:腹横筋…ミルフィーユ状になっている腹筋のいちばん内側にある筋肉で、インナーマッスルと呼ばれる部分。しなやかな筋肉を手に入れるためには、このインナーマッスルを鍛えることが必須。

5:内転筋群…太ももを支える筋肉の総称、大腿四頭筋。そのなかで、座っている時間が長い現代人が鍛えるべきは、内転筋群(内もも)。下半身太り、骨盤や脚の歪みの原因にもなるので意識して鍛えたい。

〈鍛えなくていい筋肉〉

6:上腕二頭筋…力こぶの部分。重い荷物を持ち上げたり、ビンの蓋を開けるときなど、日常生活でもよく使う筋肉。硬質でタフな印象を与えるので、女性らしさを保つならば鍛える必要がない。

7:前腕屈筋群(ぜんわんくっきんぐん)…PC作業やスマホ操作などで日常生活でも駆使している部分なので、鍛える必要なし。むしろ凝り固まっている人が多いので、しっかりと揉もみほぐし、柔軟さを保つことのほうが大切。

8:外側広筋…現代人は内ももの筋肉が衰えている代わりに、太ももの外側を使いすぎる傾向に。太ももが外に張り出すと、下半身が太く見えてしまう。この部分に張りを感じる人は歩き方から見直しを。

●体の背面の「鍛えるべき筋肉」「鍛えなくていい筋肉」

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トップス¥7,700(ゴールドウイン<ダンスキン>) 、パンツ¥14,800(ルルレモン)

〈鍛えるべき筋肉〉

1:菱形筋(りょうけいきん)…肩甲骨と背骨の間にあり、肩甲骨を寄せるときに使う深層部にある筋肉。デスクワークで同じ姿勢を長時間とり続けている人はこの部分が固まり、猫背や首・肩こりの原因に。

2:上腕三頭筋…二の腕の後ろ側。“振り袖”に悩む女性も多いパーツ。脂肪がつきやすく落ちにくい部分でもあるので、ノースリーブの季節が到来する前に、しっかり鍛えて引き締めておきたい。

3:広背筋…脇の下から腰にかけてついている筋肉。ブラの上のハミ肉が気になっている人は早急に鍛えるべきパーツ。背中を両脇から引き締めることで、上半身がすっきりとした印象に。

4:大臀筋(だいでんきん)・中臀筋(ちゅうでんきん)…日本人に多い垂れ尻や扁平尻はお尻の筋肉をうまく使えていないことが原因。大臀筋と中臀筋を鍛えてヒップアップさせて、タイトスカートが似合う、丸く立体的な桃尻を手に入れたい。

5:大腿二頭筋半腱様筋半膜様筋…太もも裏のハムストリングスと呼ばれる部分。骨盤の歪みなどが原因で正しく使えず固まっている人が多い。ヒップアップや脚の引き締め、怪我の予防につながるので重点的に鍛えたい。

〈鍛えなくていい筋肉〉

6:三角筋…肩関節を外側から覆う厚みのある筋肉。鍛えすぎて発達してしまうと肩幅が広くなり、女性らしい華奢さが損なわれてしまう。肩周りにボリュームが欲しい人以外は鍛える必要なし。

7:下腿三頭筋…歩く、立つなどの日常生活で使われる機会が多い“ヒラメ筋”などのふくらはぎの筋肉。鍛えすぎてしまうと肥大しやすいので注意。適度についた筋肉は、足首が締まって見えるメリットも。

背面を重点的に鍛えると、佇まいや着こなしも美しく

どんなファッションも臆することなく素敵に着こなし、これからの人生を健やかに生きていくために不可欠な筋肉。目指すところは女性らしいしなやかなボディであって、決してアスリートのようなムキムキの筋肉をつけたいわけではありません。

「筋トレをスタートさせる前に女性が鍛えるべき筋肉と、そうでない筋肉があることを知っておくことが大切です」とアドバイスしてくれたのは、多くの女優やモデルのボディメイクを担当するパーソナルトレーナーの小塚愛美さん。

「筋トレは、太ももやお尻、背中などの大きな筋肉から鍛えるのが基本です。そうすると基礎代謝が上がるので、体が引き締まりやすく、効率よく筋肉をつけられるように。

また、自分では目が届きにくい背面の筋肉を重点的に鍛えるのも女性におすすめ。姿勢改善につながり、着こなしも美しくなるはず。逆に肩周りを鍛えすぎてしまうと、たくましい印象に…」(小林さん)

しなやかな筋肉には、伸縮性とある程度の柔らかさも必要ですが、デスクワークや運動不足が原因で筋肉が凝り固まっている人も多々。

そのまま筋トレをはじめても、柔軟な筋肉をつけられない場合もあるので、筋トレの前後にストレッチやマッサージを行い、筋肉をしっかりとほぐすことも、理想のボディを手に入れるためにはマストです。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

PHOTO :
川田有二(人物)、深山徳幸(取材)
STYLIST :
金井あい
HAIR MAKE :
川原文洋(UM)
EDIT&WRITING :
新田晃代、佐藤友貴絵(Precious)
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