企業理念や事業計画、製品解説に商品の広告など、さまざまなシーンで用いられるようになった「サスティナブル」というワード。さすがに「聞いたことがない」という人は少ないでしょうが、「サスティナブルってどんな意味? どんなことを指す?」と聞かれて、よどみなく答えられるでしょうか。今回は、知らないと相当マズイ「サスティナブル」について、わかりやすく解説します。

【目次】

「サスティナブル」な社会と暮らしの実現を!
「サスティナブル」な社会と暮らしの実現を!

【まずは…「サスティナブル」の「基礎知識」】

■「サスティナブル」を簡単にいうと…

英語の「サスティナブル[sustainable]」は、持続可能であるさまを表す形容詞。

特に、地球環境を保全しつつ、持続が可能な産業や開発などについて語る際に用いられることが多く、「サスティナブルな社会づくり」というふうに使われます。カタカナ語としては「サステイナブル」とも「サステナブル」とも書き表します。

■ビジネスシーンで注目されている理由

職場や仕事の現場で「サスティナブル」や「サスティナビリティ」という言葉が用いられたり、マスコミでも頻繁に取り上げられるようになったのはここ数年のことですが、その頻度は急ピッチで上がっているという印象です。それは、世界中で大雨による災害が起きたり、干ばつ被害が拡大したりと、温暖化などによる地球が抱える環境問題が待ったなしの状態だから。

それを解決するために生まれたのが「SDGs(エスディージーズ)」です。これは[Sustainable Development Goals]の略で、「持続可能な開発目標」を意味する国際目標。世界を変えるための17の目標と169のターゲットを掲げています。簡単に説明すると、将来も豊かな環境で生活でき、すべての人が平等に社会的恩恵を受けられる社会を目指す考え方。このSDGsによって、「サスティナブル」という英単語がビジネスシーンでも注目されるようになったのです。


【「サスティナブル」を具体的に理解しよう】

「サスティナブル」という言葉をより理解するために、身近な具体例をご紹介します。

■サスティナブルな「ファッション」

衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて、生態系を含む地球環境や、関わる人・社会に配慮した持続可能な取り組みを「サステナブルファッション」といいます。生活者は長く着られる衣服を選んだり、リペア、リユース、リサイクルを活用したりすることで「サステナブルファッション」に参加できます。環境に配慮してつくられたものを選ぶことも、サスティナブルにファッションを楽しむ方法です

■サスティナブルな「暮らし」

自然や資源といった地球環境を守りつつ、自分らしく豊かな生活を維持していくこと。マイバッグやマイボトルを使ったり、電気をこまめに消す、水を出しっぱなしにしない、詰め替え容器に入った商品を選ぶ、ゴミの分別を正しく行う…など、日常生活のさまざまなシーンで実現可能です。

■サスティナブルな「人」とは?

サスティナブルを意識し、行動している人。ファッションや日常生活を工夫することで、誰もが「サスティナブルな人」になりえます。


【別の言葉で表すなら…「類語」「言い換え表現」】

「サスティナブル」を別の言葉で言い換えてみましょう。

■持続可能  ■継続可能な  ■維持できる  ■続けられる  ■永続 

関連する単語の一部も挙げておきます。

■SDGs  ■フェアトレード  ■エシカル  ■エコロジー 
■エコロジカル  ■オーガニック


【知っておきたい「サスティナブル」の「関連用語」】 

最後に、さまざまなビジネスシーンで登場しそうな関連用語をご紹介します。

■サスティナブルフード

地球環境や社会に配慮して生産された食品や食材をいいます。生産過程で出るCO₂やフードロス削減を前提としたものや、フェアトレードやオーガニック栽培などのコーヒー豆もサスティナブルフードのひとつです。

■サスティナブルデザイン

未来世代の豊かな暮らしのため、人や地球環境がもつ能力を維持向上させることを目的にした考え方。簡単にいうと「長く使える」「繰り返し使える」「ゴミを出さない」「二酸化炭素を排出しない」「水資源を汚さない」など、意外に身近な考え方です。建築を中心に進められてきましたが、現在ではデザイン全領域へと広がっています。「使い捨て」とは対極の考え方です。

■サスティナブル経営

事業のサステナビリティ(持続可能性)向上を図る経営のこと。自社の短期的な利益だけでなく、地球環境とも共存しながら長期的に成長し、進歩し続けることを目標にしています。現在も続く名だたる企業や団体を、明治・大正期に多数つくった実業家の渋沢栄一は、サスティナブル経営の先駆者といえます。

 

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17色で彩られたドーナツ型のSDGsバッジをよく目にするようになりました。自社のSDGsへの取り組みをアピールしたり、社内の問題意識を高めたりするためのものですが、目にした人が「サスティナブル」について意識するだけでバッジの目的は果たせるともいえるでしょう。ビジネスシーンでも暮らしのなかでも、個々ができる「サスティナブル」を考え、実行していきたいものですね。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)/『あの新語もわかる カタカナ語 すぐに役立つ辞典』(河出書房新社)/『すっきりわかる! 超訳「カタカナ語」事典』(PHP文庫)/『ビジネス用語図鑑』(WAVE出版)/『いまさら聞けない ビジネス用語BOOK』(成美堂出版) :