社会人として経験を積んでいくほど、さまざまな人間関係が築かれていくものですね。ときには「ちょっと面倒」「気が合わない」という人とも、ビジネスパートナーやプロジェクトの仲間として上手くやっていかなければなりません。そんな人から、業務と関わりがあるような、ないような…というお誘いを受けたとき、あなたならどうしますか? 今回は「上手な断り方」についてレクチャーします。

【目次】

「断る」のも相当なストレスなんです!
「断る」のも相当なストレスなんです!

【「お誘い」の上手な「断り方」もビジネススキルのひとつです】

「できるだけストレスなく、気持ちよく仕事をしたい」のは、誰もが望むことでしょう。ストレスの原因は人間関係であることが多いですね。“孤高の芸術家”でもない限り、他人と関わりなくして仕事はできません。

どんなシチュエーションやシーンであれ、人との付き合いのなかで大きなストレスとなるのが「誘いを断る」ことではないでしょうか。「都合がつかず本当に残念!」という場合でも、「あの人とはできるだけ関わりたくない」という場合でも、受けた誘いを断るのは難しいもの。

断られた相手も、断ったこちらも、共に後に差し障りなく気持ちよくその話題を終えるためには、「断り方のテクニック」を身につけることが重要! そんなテクニックをご紹介していきます。


【角が立たない「上手に断るコツ」2選】

■断るコツ1:返事を長引かせない

「せっかく誘ってくれたのに申し訳ない」という気持ちが強かったり、「言い訳を考えるのも面倒!」という相手に、断りの連絡を入れるのは気が進まないことでしょう。しかし、誘った相手は「OKでもNGでもとにかく返事が欲しい」ものなのです。

「誘いを受けたいけれど、都合がつくか今の時点ではわからない」場合も返事を長引かせがちですが、そんなときこそ迅速に一報を。参加の意思の有無と状況を伝えることが肝心です。

社会人として「ノーリアクション」はあり得ません!

■断るコツ2:断る理由は簡潔に

申し訳ない気持ちが大きいほど、あるいはその誘いには応じたくないという場合、いろいろ言い訳をしがちですが、「断る理由を簡潔に述べる」のが大人のマナー。

すべての誘いに具体的な理由(稽古事と重なる、子供の学校の行事がある、など)まで述べる必要はありませんが、「その日はダメなんです」より「その時間は先約があって」と言われたほうが、すっきり受け入れやすいですよね。


【また誘いたいと思わせる「上手に断るテクニック」2選】

「上手な断り方」とは、相手に「恥をかかせない」「嫌な思いをさせない」ことに尽きるでしょう。そのためのテクニックを紹介します。

■否定的なワードを使わない

ビジネス関係の相手なら、「できない」や「行けない」などの否定的なワードは避けたいもの。代わりに、「いたしかねる」や「手が離せない」「都合がつかない」などのフレーズで、気持ちを伝えるのがベストです。

■クッション言葉で和らげる

用件を述べる前の短いフレーズ「クッション言葉」は、相手の関心を引き寄せたり、会話にリズムをつけたりするのに効果的。大人の語彙力アップには欠かせません。断る際に使えるクッション言葉を挙げておきます。

・申し訳ありませんが ・恐縮ですが ・せっかくですが ・あいにくですが ・残念ですが ・ありがたいお話ですが

■残念な気持ちは必ず伝える

誘ってほしくない相手や、まったく興味のない事柄については、前の章でご紹介した「上手に断る2つのコツ」でキッパリ断るのが得策ですが、「残念、また誘ってほしい!」という場合には、その気持ちも伝えることを忘れずに。

せっかく声を掛けていただきましたが」「ぜひ参加したいのですが」「願ってもない機会なのですが」といったフレーズで、「また誘ってほしい」という意思を表しましょう。


【「取引先」「上司」「先輩」にもそのまま使える「例文」5選】

■1:「誠に残念なのですが、その日は先約があって参加いたしかねます。けれども、大変興味のあるお誘いですので、またの機会にぜひお願いいたします」

■2:「あいにくですが予定がありまして、都合がつきません。せっかくお声掛けいただきましたのに、大変残念です」

■3:「せかっくですが外せない用事がありまして、今回は遠慮させてくださいませ。お誘いいただき、うれしく存じます」

■4:「ありがたいお話ですが、以前より予定がありまして…。またぜひお声掛けください」

■5:「あいにく次の予定がございまして、本日はここで失礼させていただきます」

■5は、ミーティングのあとに「これから食事でもいかがですか?」など、急に誘われた際に。「次の予定がある」なら致し方なく、相手の気持ちを害することもありませんね。

 

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どんな相手でも、どんな状況でも、「断る」という行為はストレスに感じるものです。けれど、「断るコツ」や「断るテクニック」は、案外簡単なのです。誘ったり誘われたり、断ったり断られたりをスムーズに、気持ちよく行うためには、大人の語彙力も必要。「また誘いたくなる」と感じてもらえる断り方を身につけてください。

この記事の執筆者
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参考資料:『今日から役に立つ! 使える「語彙力」2726』(西東社)/『決定版 すぐに使える! 教養の「語彙力」3240』(西東社)/『とっさに使える 敬語手帖』(新星出版社)/『印象が飛躍的にアップする 大人の「言い方」練習帳』(総合法令出版) :