今回確認していく「手助け」は、日常的に使っているワードではありませんか? 「後輩の仕事を手助けした」「夕食の支度を手助けした」といったように、ビジネスシーンでもプライベートでも使用します。しかし、実はビジネスの現場では注意が必要! 相手に失礼のないよう、またアナタが恥をかかないよう、「手助け」の上手な使い方について解説します。

【目次】

上司の仕事をサポートするのも「手助け」?
上司の仕事をサポートするのも「手助け」?

【「手助け」はビジネスシーンでは使えない? 基礎知識】

■「手助け」の「意味」

「手助け」とは、ほかの人の仕事などを助けること、手伝うことを示す名詞です。また、「私が手助けとなりましたら幸いです」のように、その人自身の役割を指すことも。

■「助け」と「手助け」の違い

「助ける」と「手助けする」に違いはあるのでしょうか? 「助ける」には規模の大小を感じませんが、「手助け」には「手」という文字が使われているせいか、ひとりで手伝える程度のことを示すことが多いようです。「手助け」はちょっとしたサポート、というニュアンスで捉えてよいでしょう。

■取引先や上司は「手助け」できない?

基本的には、自分より弱い立場の人や、助けが必要な人を「手助け」するわけですから、取引先や上司など、立場が上の人や年長者などに「手助けしましょう」と言うと、上からの物言いと取られてしまう危険もあります。


【「取引先や上司」を手助けする際の「デキる言い換え表現」】

では、上から目線だと思われないために、ビジネスシーンで目上の相手に対して使える言い換えワードと、使用例を紹介します。

■お手伝い

上司には「その仕事、私にもお手伝いさせてください」や、年配の方に「お荷物を運ぶのをお手伝いしましょう」などと使います。

■補助

取引先に「現場には私が補助として待機しますのでご安心ください」や「補助が必要でしたらいつでもお申し付けください」といった風に使います。

■一助(いちじょ)

ビジネスシーンで「このたびも、一助となれましたら幸いです」などと用います。


【「手助けが欲しい」「手助けがありがたかった」ときの「デキる言い換え表現」】

逆の立場になって、ビジネスシーンでちょっとした手伝いを頼みたいときやサポートしてほしいときには、「手助けしていただけませんか」に換えてこんな言葉を使うと好感度が上がるでしょう。

■力添え  ■援助  ■補佐  ■アシスト  ■サポート


【会話やメールでそのまま使える「ビジネス例文」5選】

■1:「このたびの成功は、御社のお力添えなくしては叶いませんでした」

■2:「今後とも、何卒ご援助賜りますよう、お願い申し上げます」

■3:「先輩の補佐役に選んでいただき光栄です」

■4:「今年は気働きができる新人ばかりだから、キミたちのアシスト役として立派に活躍するだろう」

■5:「目が行き届かない点もあるかと思うので、皆さんのサポートが必要です」

 

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「助ける」という意味を表す日本語は、今回の「手助け」をはじめ、「助力」「一助」「援助」「援護」「力添え」「手伝い」「補佐」「世話」など、なんと多いことかと驚きます。それだけ私たちは支え合っているということですね。状況や相手を鑑みてとっさに的確な言葉が使えるよう、毎日ひとつずつでも“大人の語彙力アップ”に励みましょう!

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『とっさに使える敬語手帳』(新星出版社) /『一生分の教養が身につく! 大人の語彙力強化ノート』(宝島社) /『大人なら知っておきたいモノの言い方サクッとノート』(永岡書店) /『敬語マニュアル』(南雲堂) :