「溜飲」という言葉、正しく使えない人が増えている!あなたは大丈夫?
明日から10月に入りますね。今年も残すところ3か月です。さて、10月1日は『日本酒の日』『コーヒーの日』『日本茶の日』など、様々な飲み物に関する記念日に制定されています。…ということで、本日は「飲」という字の入った日本語にスポットをあて、クイズをお送りします。
【問題1】「溜飲」ってなんと読む?
「溜飲」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「消化不良のため飲食物が胃の中にたまり、胸やけがすること」という意味の言葉です。
<使用例>
「昨夜から溜飲がひどいの」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 溜飲(りゅういん)です。
「溜」という字は「溜まる(たまる)」とも読み、「溜飲(りゅういん)」は、飲食物が溜まって消化不良を起こしている状態を意味します。「溜飲(りゅういん)」という言葉単体よりも、慣用句として、大人の会話でしばしば使われるのですが…・
というところで、2問目にまいりましょう。
【問題】「溜飲」の入った慣用句として正しいのは?
「溜飲」という日本語の入った慣用句として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:溜飲を下げる
2:溜飲をおろす
3:溜飲を晴らす
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 1:溜飲を下げる 2:溜飲をおろす です。
「溜飲(りゅういん)」の入った慣用句で、本来の使い方とされているのは「溜飲を下げる(または「溜飲が下がる」)「溜飲をおろす」です。しかし、文化庁の『国語に関する世論調査(平成29年度)』によれば、昨今、カン違いか「溜飲を晴らす」という使い方をしている人の割合が大変多くなっており、20代以上では、本来の使い方をする人が多少は上回っているものの、16~19歳では調査対象のうち56.6%もの人が「溜飲を晴らす」という表現を選んでしまっている、という結果が明らかに!
「溜飲(りゅういん)」は「飲食物の消化不良による胸やけ」のことですので、物理的に身体内で下位にある消化器官に「下げる」「下がる」「おろす」という表現で、「胸のつかえをはらすこと」の比喩表現となる慣用句です。「溜飲(りゅういん)」そのものは「雪辱(せつじょく)」や「恨み」のように、感情的に「晴らす」ものではありませんので、ご注意ください。
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本日は、10月1日『日本酒の日』『コーヒーの日』『日本茶の日』など、さまざまな飲み物の記念日になっている日にちなんで、「飲」という字の入った日本語から、
・溜飲(りゅういん)
という言葉の読み方と意味、
また
・溜飲を下げる/溜飲をおろす
という慣用句についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)/『国語に関する世論調査(平成29年度)』(文化庁)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱