「御供」ってなんと読む?「おとも」以外にも読み方が3通りも!
明日・10月16日は『グリーンリボンDAY』です。「グリーンリボン」は、世界的な「移植医療のシンボル」で、『グリーンリボンDAY』は「家族や大切な人と移植のこと、いのちのことを話し合い、お互いの臓器提供に関する意思を確認しておく日に」と、日本臓器移植ネットワークが制定した記念日です。グリーンは成長と新しい命を意味し、リボンは臓器提供者(ドナー)と移植が必要な患者(レシピエント)のいのちのつながりを表現しているそう。自分の命が、もしものとき、別の命を生かすことにつながる…臓器提供について、この日をきっかけにしっかりと考えてみてはいかがでしょうか?
本日は「提」「供」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「提げる」ってなんと読む?
「提げる」の、「さげる」以外の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「大きなもの、目立つものなどを手にさげて持つ」「行動に出るにあたって、有力なよりどころとしてかかげる」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「私の推しキャラは、この、長大な刀を提げた長髪の細マッチョよ!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 提げる(ひっさげる)です。
「提」という字には、「手にさげて持つ」「かかげる」「助け合う」「ひきつれる」などの意味があり、「提げる」という表記は「さげる」のほか、「ひっさげる」とも読みます。「提げる(さげる)」は常用漢字の範囲内の読み仮名で、「提げる(ひっさげる)」は、常用漢字の範囲に入らない表外読みです。
しかし、「助けあう」「かかげる」などの意味も内包する「提」という字の読み方として、「提げる(ひっさげる)」は、なんとも趣を感じる読み方です。「提げる(ひっさげる)」は、単純に「手にさげている状態」以上に、持ち主とその物との関係性の濃さや、物そのもののパワーやエネルギーを感じさせる表現ですよね。このような「物への愛着や信頼」を内包した言語表現に、「ものづくりの国」とも言われる日本の先人たちの思いがやどっている気がいたします。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「御供」ってなんと読む?
「御供」の、読み仮名4文字の正しい読み方をお答えください。
ヒント:神様や仏様に物をさしあげます。
<使用例>
「松茸ごはんは初物だから、最初に御供用の器に盛ってちょうだいね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 御供(おそなえ)です。
「御供」という熟語、なんと4通りの読み方がございます。「御供(おとも)」「御供(おそなえ)」「御供(ごくう)」「御供(ごく)」の4つです。「御供(おとも)」は、「つきそいの人」「おもだった品物にそえる品物」というような意味ですが、「御供(おそなえ/ごくう/ごく)」は、すべて「神仏へのおそなえもの」を意味します。おごそかなシーンで使用する可能性もある熟語ですので、読み方や意味など、カン違いのないようお気をつけください。
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本日は、10月16日『グリーンリボンDAY』にちなんで、「提」「供」という字が入った日本語から、
・提げる(ひっさげる/さげる)
・御供(おとも/おそなえ/ごくう/ごく)
の、複数の読み方をもつ言葉をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱