「本日はご来訪いただき~」や、「ご来訪のご予定は~」など、場内アナウンスやメール文などでよく使われている「来訪」という言葉。あなたは正しく使えていますか? 類語も多く、シーンや相手によって使い分けたいこの「来訪」について、しっかりチェックしていきましょう。
【目次】
- 「来訪」とは?「読み方」と「意味」
- 「来訪」と「訪問」は同じ?「訪来」との違い
- ビジネスシーンでそのまま使える「例文」5選
- 「来訪」を言い換えると?「類語」と「デキる言い換え」「反対語」
- 「来訪」を第三者に伝える際の使い方
【「来訪」とは?「読み方」と「意味」】
■読み方
「来訪」と書いて「らいほう」と読みます。
■意味
人が訪ねてくること。ビジネスシーンでは「相手に来てもらう」ことなので、「ご来訪」や「来訪いただき」というように敬語表現として使用します。人に対してのみ使用する言葉で、たとえ敬うべき相手からの品でも「先生からの荷物が来訪した」とは言いません。「来訪者」や「来訪予定」などにすると名詞に。
【「来訪」と「訪問」は同じ?「訪来」との違い】
■「来訪」と「訪問」
「来訪」は相手が来ること、「訪問」はこちらが行くことと、明確な違いがあります。「当社にご来訪いただき」や「貴社を訪問させていただきます」など、行為の主体が「自分側」か「相手側」かはっきりしている場合だけでなく、「どちらが呼んだのか」によって、「来訪」と「訪問」を使い分けます。
■「来訪」と「訪来」
「訪来(ほうらい)」はあまりなじみがないかもしれませんが、「来訪」同様「人が訪ねてくること」を表します。「来訪」と「訪来」が表す意味は同じです。
【ビジネスシーンでそのまま使える「例文」5選】
■1:「本日は弊社をご来訪いただき、誠にありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
■2:「ご来訪予定がお決まりになりましたらご連絡ください」
■3:「今期の来訪数は、前期をはるかに上回る勢いで推移している」
■4:「ご来訪いただく際、こちらの資料をお持ちください」
■5:「来訪者の興味が続くような仕掛けが必要だ」
【「来訪」を言い換えると?「類語」と「デキる言い換え」「反対語」】
■「来訪」の類語
・来社 ・来場 ・来店 ・来館
例:ご来社の際には、ぜひ新しい施設もご案内させてくださいませ。
■「ご来訪いただき」の言い換え
・お越しいただき ・おいでいただき ・お見えいただき ・ご足労いただき
・お集まりいただき(複数名の場合) ・お運びいただき
例:お忙しいところお越しいただき恐縮です。
■「来訪」の反対語
反対語は「往訪(おうほう)」です。こちらから人を訪ねていくこと、訪問することを表します。
例:早急に往訪させていただきたく、ご都合をお聞かせいただけますと幸いです。
【「来訪」を第三者に伝える際の使い方】
「他社のAさんが来社したことを部長に伝える」というシーンを想定して、「来訪」とそのほかの言葉で言い換えてみましょう。
・〇〇社のAさんがご来訪(ご来社/ご来場/ご来店/ご来館)になりました。
・〇〇社のAさんがいらっしゃいました。
・〇〇社のAさんがお見えになりました。
・〇〇社のAさんがおいでになりました。
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「来訪」は文章でも会話でも使用できる言葉ですが、対面の会話では言い換え表現のほうがなじみがあるかもしれませんね。自信をもって使える単語やフレーズで正しく表現するのがいちばんですが、少しずつでも語彙を増やすことで、“大人のビジネス会話力”は培われていくもの。今日は「来訪」について、語彙力がアップしました!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『今日から役に立つ! 使える「語彙力」2726』(西東社)/『敬語マニュアル』南雲社 :