【目次】
- 「大変失礼いたしました」だけじゃ謝罪にならない?
- ビジネスでの使い方がわかる「例文」5選
- 謝罪なら「申し訳ございません」が適切!「謝罪例文」3選
- 「大変失礼いたしました」のバリエーション
- 「返答」「返信」に使えるフレーズも!
【「大変失礼いたしました」だけじゃ謝罪にならない?】
■意味
「大変失礼いたしました」というフレーズについて、まずその意味を整理しましょう。
「大変」は「程度が甚だしい」「重大であるさま」を副詞的に表す語であり、「失礼」は「礼儀を欠くこと」「礼をわきまえないさま」を意味します。したがって、「大変失礼いたしました」は「極めて礼儀を欠いた行為をしてしまいました」という意味合いになります。
ビジネスシーンでは、このフレーズは軽め〜中程度の非礼を詫びる際に適切です。たとえば、連絡が遅れた・説明が不十分だったといった場面です。ですが、**「相手に大きな迷惑をかけた」「重大なミスをした」**という場合は、より強い謝罪表現を使うことが望ましいとされます。
このように、「大変失礼いたしました」は敬語として正しく、礼儀を欠いた点を認める表現として有効ですが、状況や相手への影響度に応じて使い分けることが大人の語彙力と言えるでしょう。
■使い方
謝罪文としては不十分な「大変失礼いたしました」ですが、このフレーズ自体は正しい敬語ですし、ビジネスで使えるシーンも多くあります。例えば、(あってはならないことですが)相手の名前を間違ってしまったときや、会議などで大きな音を出してしまったとき、ちょっとした勘違いをしたとき、メールなどですぐに返信ができなかった際などにも使えます。
■「失礼いたしました」と「失礼しました」の違い
仕事先や上司などの目上の人には、へりくだって相手を高める謙譲語である「失礼いたしました」が適しています。同等の相手や、仕事相手でも親しい間柄なら、丁寧語である「失礼しました」で十分でしょう。
【ビジネスでの使い方がわかる「例文」5選】
■1:「ご連絡いただいていたにもかかわらず、返信が遅くなり大変失礼いたしました」
■2:「先ほどお送りした資料に誤記がございました。大変失礼いたしました。訂正したものを添付いたします」
■3:「先ほどは会議中に私の携帯が鳴ってしまい、大変失礼いたしました」
■4:「先ほどはお名前を間違えてお呼びしてしまい、大変失礼いたしました」
■5:「ご来社いただいたのにお待たせしてしまい、大変失礼いたしました」
■6:「先ほどのメールに誤字があり、大変失礼いたしました」
■7:「誤送信してしまい、大変失礼いたしました。お手数ですが破棄をお願いいたします」
「大変失礼いたしました」が「甚だしく礼儀を欠いたさま」を示しているとはいえ、重大なミスや、相手が憤慨するようなことでもしない限り、ビジネスシーンでは日常的に使えるフレーズといえそうです。
【謝罪なら「申し訳ございません」が適切!「謝罪例文」3選】
非礼を認めるフレーズ「大変失礼いたしました」が謝罪には不十分なら、本格的に謝らなければいけない場合にはどう表現したらいいのでしょうか。ビジネスで使える謝罪例文を確認しておきましょう。
■1:「弊社の手違いで多大なご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません」
■2:「このたびの不手際につきまして、心よりお詫び申し上げます」
■3:「確認不足による発注ミスをしてしまい、深く反省しております」
非を認めて謝罪するだけでなく、謝罪文に続いて対応や改善策などを付け加えることが大切です。対応策などがまだ示せない場合は、「対応策を検討中ですので、今しばらくお待ちください」など、対応中であることを伝えましょう。
【「大変失礼いたしました」のバリエーション】
本格的な謝罪の「申し訳ございません」よりも日常的に使える「大変失礼いたしました」ですが、多用するのは“大人の語彙力”が十分とはいえません。同じようなニュアンスの言い換えも活用しましょう。
■ご無礼をお許しください
■誠に恐縮です
■すみませんでした
【「返答」「返信」に使えるフレーズも!】
「大変失礼いたしました」と非礼を詫びられたら、どう返すのが正解? 「謝ってもらうようなことではありませんよ」という気持ちで、下記のようなフレーズで応対するのが得策です。
■「とんでもないことでございます」
取引先や目上の人から少々の非礼について「大変失礼いたしました」と言われたら、「とんでもない」の敬語フレーズ「とんでもないことでございます」「とんでもございません」と返しましょう。ちなみに「とんでもありません」は本来誤用ですが、使用が増えたことにより、「アリ」となっています。とはいえ、違和感をもつ人も少なくないため、ビジネスシーンではさけたほうが賢明でしょう。
■「どうぞお気になさらないでください」
「承知しましたが、どうか…」というニュアンスで使えるフレーズ。相手に気を遣わせないのも、デキる大人の対応です。
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まず、「大変失礼いたしました」は謝罪には不十分なフレーズである、ということをしっかり覚えておきましょう。謝罪は「迅速」かつ「簡潔」に、「対応策」もあわせて示すことが需要です。「大変失礼いたしました」と「申し訳ございません」などの謝罪文を、臨機応変に使い分けたいものですねね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『敬語マニュアル』南雲社/『今日から役に立つ! 使える「語彙力」2726』(西東社)/『決定版 すぐに使える! 教養の「語彙力」3240』(西東社)/『心理学的に正しい! 人に必ず好かれる言葉づかいの図鑑』(宝島社) :

















