「価値観」とは「何にどんな価値を見い出すのか」という感じ方や考え方のことです。当然のことながら「価値観は」人によってさまざま。ビジネスにおいても、「やり甲斐」や「報酬」など、何に重きをおくかは千差万別でしょう。難しいテーマではありますが、この機会に改めて「価値観」とはなんなのか、考えてみませんか。人間関係を円滑に進めるヒントになるかもしれませんよ。

【目次】

40歳は迷いがなくなる年齢?
円滑なコミュニケーションにも「価値観」の共有って大事ですよね。

 

【「価値観」を深く理解するための「基礎知識」】

■そもそも「価値観」って何?

「価値観」とは、「何にどんな価値を見い出すのか」という感じ方や考え方のことです。善悪をはじめ、物事を評価する際の判断基準ともいえるでしょう。これによって、自分が何を重要視するのか、人生のあらゆる場面における優先順位も決まります。「価値観」には人生観や仕事観なども含まれ、「どう生きるのか」「いかに仕事に取り組むか」「何を優先するのか」も、その人の「価値観」によって決まります。言い換えれば、「価値観」は「いかに生きるか」「いかに死ぬか」といった死生観も含めた、「その人の生き方そのもの」なのです。

多くのカップルが「価値観の違い」から離婚に至るという事実はご承知の通り。同様に、企業間では経営方針の違い、企業理念の違いから、共同プロジェクトが立ちゆかなくなってしまうこともあります。人生も会社経営も、「生きる(継続する)ことは他者と価値観とのすり合わせ”作業」だとも言いえるのではないでしょうか。


【「価値観」の「類語」「言い換え」表現は?】

「価値観」とは「物事の考え方」全般を指す、とても多くの意味を含んだ言葉です。「類語」をいくつかご紹介しましょう。

■意義

「意義」とは、「その事柄にふさわしい価値、値打ち」を意味します。ある物や人が存在することが、どんな意味や役割をもっているのかを問う際に使われることが多い言葉です。例えば「働くことの意義」は、「社会貢献」や「報酬(対価)」などさまざまで、それは「人はなぜ働くのか」「働く理由」と言い換えてもいいかもしれません。価値観との違いは、価値観が非常に個人的、感覚的なものであるのに対して、意義は客観的、道義的な観点から答えが導かれることでしょう。

■持論 ■信条 ■選択基準 ■主義主張 

「持論」は「かねてから主張している自分の意見・説」という意味の言葉です。「信条」は「堅く信じて守っている事柄」を意味します。どの言葉と比較しても、「価値観」が非常に幅のある言葉であるのがわかります。


【「価値観」の理解を深めるための「例文」4選】

「仕事」に対する価値観も人それぞれです。ある人は「仕事よりもプライベート優先。家族が一番大切」と考え、ある人は「仕事にはやり甲斐が必要。報酬は二の次」と考えます。「報酬が高ければ、好き嫌いややり甲斐は多少犠牲になってもいい」と考える人もいるでしょう。どんな考え方が「よいのか」「悪いのか」ではなく、「人それぞれが違った価値観をもっている」つまり「人の価値観には相違がある」ということです。ビジネスシーンにおいても、価値観の違いから上司と対立することもあるでしょう。相手の価値観を認めたうえで、自分の考えを冷静に伝えられるといいですね。

では最後に「価値観」を使った例文をご紹介しましょう。 

■1:「経営者同士の価値観の違いは、そのまま経営方針の違いとして表れる。企業間の業務提携が上手くいかない理由のひとつはここにある」

■2:「人生の価値観の軸は、年齢や経験を重ねるごとに変化していくものだ」 

■3:「さまざまな人との出会いや多様性への理解が、自分の価値観を広げるきっかけとなることもある」  

■4:「自分自身を大切にしつつ、時代に応じた新しい価値観を身に付けることで、より深みのある人間へと成長することができる」

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私たちひとりひとりがもつ価値観は、私たちが歩んできた人生そのもの、私たちそのものといっても過言ではありません。多様化が進む現代は、ひとりひとり違う価値観を互いに認め合うことに重きが置かれる社会です。年齢を重ねるごとに、人は自分の価値観に固執してしまいがちですが、何歳になろうと柔軟に、自分自身の価値観を広げていきたいものですね。その積み重ねが人生の豊かさにつながるのかもしれません。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) :