人気スタイリストの愛用コート３選｜「今年はどう着る？」私物コーデでスタイリングテクを伝授

『Precious』本誌をはじめ、テレビや広告など幅広く活躍する人気スタイリストの犬走比佐乃さんに、大人の女性に必要なファッションについて教えていただく連載。今回は、冬のマストアイテム「コート」にフォーカスします。

トレンドをさりげなく取り入れて今年らしく着こなす秘訣とは？ 犬走さんが数ある愛用コートのなかからセレクトした3着を、私物コーディネートで披露してくれました。

犬走比佐乃さん

スタイリスト

（いぬばしり ひさの）本誌をはじめ数々の女性誌や女優のスタイリングを手がけ、「マダム犬走」の愛称で多くのファンをもつ。30年以上を誇るキャリアと卓越した審美眼でセレクト＆スタイリングする自身の着こなしも注目を集める。

■１：「ミカコ ナカムラ」の定番コート『エレン』

肩や袖にゆとりがあり、袖の太いニットをインに着ても窮屈になりません（犬走さん私物）

レディライクかつタイムレスなデザインが大人の女性から圧倒的な支持を得ている「ミカコ ナカムラ」のコート。犬走さんも何着か持っていて、こちらの『エレン』は2枚目なのだそう。

「フロントボタンのない『エレン』は、前を開いてばさっと着こなすのが好き。やや淡いグレージュが上品な軽やかさで、どんな色ともケンカせずコーディネートしやすい点も気に入っています。ミカコ ナカムラの定番コートは袖や着丈の長さをカスタマイズできるので、自分の体型に合わせてアレンジしてもらえるのがいいですね」（犬走さん）

【着こなしは…】今年気になる「紫」のグラデーションコーデに合わせて

前を開けて着ることで、こなれた印象も演出できます（すべて犬走さん私物）

「ボウタイ付きのシャツはトゥモローランド、ニットベストとパンツはドゥロワーで今年購入したもの。もともと紫が好きなのですが、今年は久しぶりにトレンドしても気になる色に。店頭で目にする機会も多く、ついいろいろ買ってしまいました（笑） 

紫は、コートのグレージュはもちろん、グレー、ブラック、ネイビーなどベーシックカラーとの相性がよく、実はとても使いやすいのでおすすめ。こんなふうにグラデーションコーデにしても品よくまとまると思います」（犬走さん）

■２：「ナイジェル・ケーボン」のロングPコート

キルティングの裏地と、袖口にあしらわれたリブニットで防寒機能も完備（犬走さん私物）

ジェンダーレスファッションが注目され始める前から、マニッシュなスタイルを好んで取り入れていた犬走さんにとって、イギリス海軍のコートが由来のPコートは愛してやまないアイテムのひとつ。そんな犬走さんの心を射止めた1着が、昨年購入したという「ナイジェル・ケーボン」のロングPコートです。

「ナイジェル・ケーボンは、クラシカルなミリタリーウエアなどをデザインベースにしているブランドだけあって、まさに私が好きな正統派のデザイン。しかもロングタイプは持っていなかったので、中目黒のショップで見かけて即買いしました。レディースでは簡略化されることが多い、縦に切り口が入った “マフポケット”は外せない要素です」（犬走さん）

【着こなしは…】人気再燃のロングブーツでクールなミリタリー感をアップ！

遠目にもラインの美しさが際立つ颯爽とした佇まい（すべて犬走さん私物）

「昨年はパンツに合わせていましたが、ロングブーツがトレンドに復活した今年は、膝下丈の黒ワンピース＆黒のロングブーツでコーディネート。足元をロングブーツにすることで、よりメンズライクなミリタリー感を強めています。襟は立てて首元にスカーフをあしらい、ほんのりエレガントな印象をプラス。スカーフはグレー＆ブラックの無彩色系で色数を増やさないのが凛と仕上げる秘訣です」（犬走さん）

なお、コートの裾からスカートが見えるのは絶対にNGなので、ロングスカートが多いクローゼットの中からご無沙汰していたワンピースを掘り起こしたのだそう。みなさんもご注意を！

■３：「トゥモローランド コレクション」のポンチョ風ジレ

ふっくらと柔らかな風合いの生地を使用。両サイドにもボタンがあしらわれていて、横から見ても表情豊かなシルエットに（犬走さん私物）

今年はポンチョやケープ風のアウターが当たり年ということで、犬走さんも購入したのが「トゥモローランド コレクション」のポンチョ風ジレ。意外なことにキャメルカラーのアウターはトレンチコートしか持っていなかったそうで、この色を選んだとのこと。

「ここ数年ビッグシルエットのトレンドが続いていて、ニットもゆったりとしたオーバーサイズのものが多いですよね。そんなアイテムの上に着るアウターの袖問題には悩むことがありますが、これなら大丈夫。本格的に寒くなる前に、薄手から厚手までさまざまなインナーと合わせて活躍してくれます。フード付きなのも気に入った理由のひとつ。ショートヘアなのもあって、フードがあるアイテムが好きなんです」（犬走さん）

【着こなしは…】ミックスカラーのざっくりニットと合わせたオフスタイル

大人のかわいげを感じさせるコーディネートに仕上げて（すべて犬走さん私物）

「ミッソーニ風に裏編みされたミックスカラーニットは、袖もタートルネックも太めに仕上げられているので、まさにこのアウターだからこそ楽に着られるアイテムです。ニットもパンツもアウターのキャメルとつながりのある色合わせですが、パンツはブラウンよりも地味にならず、アクセント効果のあるテラコッタカラーを選択。まとまりがありながらも、遊び心を感じさせるコーディネートを意識しました」（犬走さん）

今回は、人気スタイリストの犬走比佐乃さんが愛用しているコートと、そのコートを使った旬のスタイリングをご紹介しました。コートが欠かせなくなる季節に向けて、ぜひ参考にしてみてください！

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