むくみケアの代名詞的存在であるボディオイル『アンティ オー』をはじめ、数多くの名品を手掛けるフランス発のスキンケアブランド「クラランス」。ブランド創始者を祖父にもち、2019年からCSR部門の総括責任者を務める「クラランス」グループ/マネージングディレクターのヴィルジニー・クルタン・ クラランスさんに今回、『Precious』がスペシャルインタビュー!
創業以来、一貫して植物がもつパワーを大切に、自然との共存を美容事業の指針にしてきた「クラランス」の今について、じっくりとお話をうかがいました。
「美しさとは心の豊かさのこと。肌のお手入れを通じて、地球の保護や人々の支援まで担う、そのサイクルを加速させていきたい」ヴィルジニー・クルタン・ クラランスさん
むくみケアの代名詞的存在であるボディオイル『アンティ オー』や、世界で5秒に1本売れている(※2019年における全世界での小売向け出荷量)、エイジングケア美容液『ダブル セーラム EX』など、多くの名品を手掛ける「クラランス」。創業以来一貫して、植物がもつパワーを大切にしています。
「ブランドのスタートは100%植物由来の美容オイルでした。以来、オイルにはプラスティックではなく、ガラスの容器を採用しています」
サステナビリティという言葉が一般的ではなかった時代から、再生可能な製品づくりをいち早く実践。
「原料となる植物が育つ土壌に関しても、その土地を手に入れたときよりも、よい状態にして自然に返していきたいという哲学があります。現在は、アルプスの自社農園『ドメーヌ クラランス』で100%オーガニックの環境再生型農業をスタートしています。車を降りてから、30分以上かけて徒歩で登っていかなければたどり着かない深い山の中に位置し、機械を使わず、馬で畑を耕し、収穫物はすべて手摘み。そこで育つ植物から抽出した成分のうち、6つのエキスをすでに自社製品のフォーミュラに配合しています」
CSR(企業の社会的責任)部門の統括者として、精力的にプロジェクトを推進するヴィルジニーさん。未来を担う子供たちに学校給食を届ける「FEED」、闘病中の女性を支援する財団へのサポート、世界各地の森林保護などその活動は多岐にわたります。2020年には、CO2ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを達成。さらに削減を進める事業目標を掲げています。
「企業が環境に配慮することがひとつのトレンドのようになっていますが、創始者の祖父の時代から、クラランスでは自然といかに共存していくかを、美容事業の指針にしています。大気汚染が肌に与える影響に着目し、それを踏まえて化粧品でアンティポリューションという概念に基づく製品を、世に初めて出したのも今から20年前のこととなります」
トレンドをやみくもに追いかけるのではなく、肌にとって本当に有益なもの、ユーザーのメリットになるものを求めていくという本質志向。だからこそクラランスには時代を超えて愛される名品が多いのでしょう。
「『ダブル セーラム』はもともと、ふたつの美容液を手のひらで混ぜ合わせて使うアイテムでした。それが技術の進化と共にイノベーションを重ね、ワンプッシュで2層のフォーミュラを出せる容器を採用したり、成分をよりパワーアップさせて、現在は8代目となっています。肌は、その人自身をアピールする重要なツールであると同時に、替えのきかないたったひとつのものでもあります。大切なお肌を安心して託せる、そしてお手入れを通じて、生きる自信や心の豊かさまでかなうようなプロダクトやサービスを、これからも世に送り出していきたいと思っています」
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- PHOTO :
- 松原敬子
- EDIT :
- もりたじゅんこ