【目次】
糖質制限中の正しい食事の仕方とは?
■糖質も正しく摂取すれば太らない! 糖質ダイエットを成功させる秘訣
ここ数年、定番ともなっている『糖質制限ダイエット』。しかし、体験した多くの方が挫折したり、リバウンドするなど失敗しています。糖質ダイエットを成功させる秘訣はあるのでしょうか?
「糖質ダイエットに失敗する方の多くは、ただ単に、食事からご飯や麺類などの穀物を抜くという食事をしているからです。これでは、辛い食事制限と何ら変わらず、むしろエネルギー不足を起こして、我慢できずにドカ食いしてしまったり、栄養不足により、リバウンドを起こすなど、長続きするわけがありません。『糖質制限ダイエット』も、糖質を完全にオフするのではなく、上手に糖質をコントロールしながら行えば、リバウンドもなく、太りにくい体を手に入れることができます。糖質を摂取したら太ると思っている方も多いのですが、正しく食べれば太りません」(森さん)。ということで、以下に糖質を食べても太らない、太りにくくするポイントをご紹介します。
【1】正しい糖質の摂り方と糖質を摂る際のコツ
「主食として、ご飯など糖質を摂取しないと、甘いお菓子や飲み物で糖質を欲してしまい、逆にそれが『肥満』に走らせたり、『老け』の原因へとつながってしまいます。これを避けるためにも、主食のご飯はきちんと食べましょう」(森さん)。
【2】1日の糖質摂取量が150g以下にならないようコントロール
「脳と赤血球が必要とする糖質の量が120g。これ以外に、基礎代謝や活動代謝にも糖質が使われるため、最低でも1日の糖質量は150g以上が必要になります。これ以下になると、低血糖を防ぐため、体は糖質の消費を抑えようと代謝を落とし、痩せづらい体になってしまいます」(森さん)。
【糖質の量について】
小さなお茶碗120gのご飯で、糖質の量は約45g、一般的なお茶碗150gのご飯で約55gです。糖質は炭水化物以外にも、野菜、豆類、果物、お菓子などにも含まれています。
【主食にするならお米がおすすめ】
「糖質を摂取する際は、なるべく糖の吸収がゆるやかな穀物がおすすめです。主食にするなら、小麦主体の麺やパンよりも、日本人の食のスタイルに合わせやすい、お米が最適です。玄米はビタミンやミネラル、食物繊維も豊富で、糖の吸収も白米より優れていますが、特にこだわる必要はありません。好きなお米を食べましょう」(森さん)
【3】糖質と脂質を同時にしっかり摂らないこと
「三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質のうち、糖質と脂質がエネルギー源になり、使い切れずに余った分は体脂肪として体に蓄積されます。つまり、糖質や脂質を摂りすぎると、体に脂肪がつきやすくなってしまうのです。そのため、糖質を摂るなら脂質を減らす、脂質を摂るなら糖質を減らすことが大切になります」(森さん)
糖質コントロールのポイント【1】(糖質を多く摂取する場合)
「本来、糖質は体脂肪にはなりづらい栄養素です。糖質は血糖値を上昇させてインスリンを分泌させます。この時、余ったエネルギーとして脂質が血中にあると、脂質が積極的に体脂肪へ蓄えられやすくなります。糖質は筋肉をはじめ細胞のエネルギー源として取り込まれるので、体脂肪にはなりづらいのです。つまり、インスリンが出ても、脂質さえとりすぎていなければ、体脂肪は多く作られません。運動量が少ない人でも摂取カロリーの半分近くを糖質、残りの半分をタンパク質と脂質(脂質は控えなくらい)の割合にしても問題ありません」(森さん)。
【糖質の少ない炭水化物】
白米、そば、ライ麦パン、オートミール、バナナなど。
糖質コントロールのポイント【2】(脂質を多く摂取する場合)
「糖質を減らしている場合、脂質は減らしすぎないようにすることが大切。ただし、脂質を摂る際には、揚げ物やドレッシング、菓子類などに多く含まれる、『オメガ6』の油は避け、DHAやEPAなど『オメガ3』の良質な油を豊富に含む、魚などを多く食べるようにするとよいでしょう。また、お肉はささみや胸肉といった過度に低脂質なものばかりを選ぶと、脂質の摂取が少なくなり、代謝不良を起こしてしまいます。糖質を減らすのであれば、鶏のもも肉、牛肉や豚肉の脂身が少ない部分を選ぶようにするなど、脂質がゼロにならないよう心がけましょう」(森さん)。
【悪い油と良い油について】
「サラダ油や大豆油、コーン油など『オメガ6』を含む油は、細胞の炎症を促進し、悪玉コレステロールを増やします。細胞の炎症は、代謝の低下や動脈硬化を引き起こすので、できるだけ避けるのが賢明です。また、ヘルシーな油の代名詞であるエゴマや亜麻仁油、青魚に含まれる『オメガ3』。青魚など食べ物から摂取するぶんにはいいのですが、あえて大量に摂取する必要はありません。他の油の置き換えにする程度で十分です」(森さん)。
【避けるべき高糖質+高脂質なメニュー】
「揚げ物全般、丼もの、ラーメン、パスタ、菓子パン、ケーキなどは避けるようにしましょう。また、うどんやラーメンなどの麺類は、卵やお肉、ネギ、ほうれん草、わかめなどの具材をプラスして食べるといったように、ひと工夫するのがおすすめです」(森さん)。
【4】運動×糖質の摂取で痩せ体質に!
「年齢とともに人の代謝は下がっていきますが、糖質を取り込む力(糖代謝)も同様に下がります。筋肉をはじめ、細胞自体が糖質を消費する能力が落ちてしまうことで、血糖値が上がりやすくなり、体脂肪を溜め込みやすくなるのです。しかし、運動をすることで糖質の消費を促すことができるので、運動を習慣にする人にとっての糖質摂取は、逆に代謝を高め、痩せやすい体づくりを後押ししてくれます。また、運動する時に、糖質を摂取していないと、体にダメージだけが残り、活性酸素で老化が促進されてしまうので、糖質を必ず摂取しましょう」(森さん)。
糖質と筋肉の関係とは?
「ブドウ糖は、消化吸収後にグリコーゲンとなり肝臓や筋肉に貯蔵されます。肝臓に貯蔵されたものは脳や全身の細胞のエネルギーに、筋肉に貯蔵されたものは運動で筋肉を使う際に使用されているのです。筋肉は分解と合成を常に繰り返していて、運動後は筋肉の分解が進んでいるため、糖質を補ってあげないと筋肉がどんどん削ぎ落とされてしまいます。運動後の糖質摂取は、筋肉など細胞の回復のために優先的に吸収され(体脂肪になるのでなく、筋肉に蓄えられる)、筋肉の合成のために使用されます。このため、糖質を摂取しても血糖値が急上昇しにくくなり、結果的に体脂肪がつきにくくなるのです」(森さん)。
【5】フルーツはジュースより生のままで食べよう
「糖といえば、果物に含まれる果糖を気にされる方も多いと思います。果糖は血糖値を上げにくいのですが、中性脂肪として蓄積されやすいといわれています。しかし、果物に含まれる果糖の量はそれほど多くはなく、ビタミンや食物繊維も豊富なため、果物自体を食べることは穀物の摂取と同様、ダイエットにはとても有効です。しかし、100%の果物ジュースにしてしまうと、吸収が早くなった果糖を過剰に摂取することにつながってしまうので、避けましょう」(森さん)。
糖質を摂取しても痩せられるって本当? ダイエットのプロが教える、正しい「糖質ダイエット」
糖質制限中におすすめの低糖質レシピ【5選】
【1】骨抜き手羽先と自家製鶏団子
豆乳がベースの和風鍋のレシピ。ポイントは手羽先の骨を抜くこと。自分で抜くことで、食べやすいだけでなくしっかりと旨味も残した手羽先が完成します。れんこん入りが歯ごたえ抜群の鶏団子も加えて、ワンランク上の鍋に仕上げましょう。動画を参考に、ぜひ実際に作ってみてください。
【材料】(2人分)
手羽先 6本
鶏ひき肉 250g
大葉 6枚
れんこん 60g
赤みず菜 3束
しめじ、まいたけ 各1株
片栗粉 適量
しょうゆ 小さじ1
豆乳 1リットル
昆布だし(顆粒) 60g
こしょう 適量
【作り方】
<STEP.1>れんこんは皮をむき、細かく刻む。(なるべく細かいほうが、鶏団子がくずれにくい)。大葉はみじん切りにする。
<STEP.2>ボウルにSTEP.1とひき肉を入れ、しょうゆを加えて手で混ぜる。ねばりが出るまでしっかり混ぜ込む。(手の温度でやわらかくなってしまうのでなるべく早く混ぜるとよい)。
<STEP.3>たねを少しずつ手にとって、転がしながら丸めて団子状に丸めたら、片栗粉をまぶす。
<STEP.4>手羽先の骨を抜く。手羽先の上部は骨のまわりをキッチンばさみで切り離し、骨をつかんでまわしながら抜く(数回骨を折り曲げると抜きやすい。下の骨は旨味なので残す)。
<STEP.5>水菜をざく切りにして、茎と葉の部分を分けておく。
<STEP.6>鍋に水菜の葉の部分、しめじ、骨抜きした手羽先、まいたけを入れる。水菜の茎と鶏団子を最後に入れる。
<STEP.7>STEP.6に豆乳を注ぎ入れ、昆布だしを加えて蓋をし、火にかける。
<STEP.8>火が通ったら仕上げにこしょうを振って完成です。
「ヘルシー豆乳鍋」からの「エスニックにゅうめん」動画レシピ【幸也飯】
【2】タコとセロリと大麦のパワーサラダ
イタリアンではよく見かけるタコとセロリの組み合わせをベースに、大麦で腹持ちよく、りんごで食感よくした、栄養満点のパワーサラダをご紹介します。
味付けは塩とオリーブオイルでシンプルに、酸味にはワインビネガーなどを使わずにレモンの絞り汁だけでスッキリ仕上げました。
【材料】(4人分)
ゆでタコ 100g
セロリ 1/2本
大麦 50g
玉ねぎ 1/2個
赤パプリカ 1/2個
黄パプリカ 1/2個
りんご 1/2個
紫キャベツ 3葉
レモン 1個
オリーブオイル 大さじ3
塩 適宜
イタリアンパセリ 適宜
【作り方】
<STEP.1>大麦を10分ほど茹でて、ざるにあげて水を切っておく。
<STEP.2>セロリと玉ねぎを薄くスライスして、ざるに入れる。塩を軽く振り、少し置いてから揉んで水分を出す。
<STEP.3>パプリカ、ゆでタコは薄切りに、りんごは食感が残るように小さめに、紫キャベツも小さめに切る。
<STEP.4>上記の具材をすべてボウルに入れ、オリーブオイルとレモンの絞り汁を加えてよく和え、塩で味を調節する。
<STEP.5>皿に盛り付けて、イタリアンパセリを添える。
【レシピ】ダイエットにもおすすめ!さっぱりヘルシーな「タコとセロリと大麦のパワーサラダ」
【3】彩り焼き野菜のぽん酢マリネ
彩り焼き野菜のぽん酢マリネは、食物繊維が豊富な「セロリ」、カロテンを含む「ズッキーニ」と「なす」、ポリフェノールやオレイン酸を含む「オリーブオイル」など、美味しいアンチエイジング食材が豊富。色鮮やかに、美味しい食卓を彩ります。
【材料】(4人分)
ズッキーニ・・200g
セロリ・・150g
パプリカ赤・黄・・各150g
紫たまねぎ・・100g
にんにく・・2かけ
タイム・・適量
オリーブオイル・・大さじ1(焼く時)、大さじ3(マリネ液)
塩・黒こしょう・・各少々
ぽん酢しょうゆ・・100ml
ピンクペッパー・・適量
*今回「ぽん酢しょうゆ」は、「新姫ぽん酢しょうゆ」:丸中商店を使用しています。
【作り方】
<STEP.1>まずは、野菜をカットして調理の準備。ズッキーニを1cm幅に輪切り、セロリを5cmの長さの棒状に。パプリカは縦に棒状に切り、紫たまねぎは1cm幅のくし形に切りましょう。
<STEP.2>カット野菜が用意できたら、グリルパンにオリーブオイルをひき、にんにく・タイムを弱火で熱して、じっくり香りを引き出します。
<STEP.3>その後、中火にしてからズッキーニ・セロリ・パプリカ・紫たまねぎを丁寧に焼きます。こんがり焼き目がついたら、塩・黒こしょうで味付けを!
<STEP.4>この焦げ目のついた野菜は、ぽん酢しょうゆとオリーブオイルを混ぜた簡単マリネ液に和えてください。この時、野菜が熱いうちにマリネ液と混ぜるのがポイント。これだけで、グッと味が染み込みやすくなります。最後に彩りを加えるピンクペッパーを散らせば、出来上がり。
<STEP.5>仕上げは、粗熱を取って冷蔵庫で冷やすだけ。常備菜として活躍するマリネは、器に並べると一気に華やかな食卓に。
食物繊維たっぷり!腸を綺麗に整える「彩り焼き野菜のぽん酢マリネ」
【4】彩り野菜たっぷりの鶏胸肉のバロティーヌ
鮮やかな野菜が華やかな鶏肉のバロティーヌ。塩麹で鶏肉を一晩漬け込むことで、驚くほどしっとりやわらかく仕上がります。
胸肉はヘルシーで優しい味わい。味付けもごくシンプルなので、ついつい食べ過ぎたお正月休みの後にぴったり。仕上げは冷やして味をなじませるので、ホームパーティーなどでも前日につくって冷蔵庫に入れておけば、当日は切り分けるだけでOKなので楽ちんです。
【材料】(2人分)
鶏胸肉 1枚
赤パプリカ、黄パプリカ 各1/2個
にんじん 1/2本
アスパラガス 1本(細いものなら2本を目安に)
塩麹 大さじ1
タイム 適量
塩、こしょう 各少々
しょうゆ 大さじ1
ごま油 大さじ1
バルサミコソース(あれば) 適量
(付け合わせ)
ラディッシュ、ルッコラ 適宜
【作り方】
<STEP.1>パプリカは種を取り除き、細切りにする。
<STEP.2>にんじんは皮をむいて、ピーラーで細切りにする。アスパラガスは縦半分に切る(細いものならそのままでOK)。
<STEP.3>鶏肉に塩麹、タイムを両面につけてもみこみながらなじませる。冷蔵庫に入れて、ひと晩漬け込む。
<STEP.4>STEP.3の鶏肉を取り出し、厚みがあるところは包丁で切り開き均等の厚さにする。
<STEP.5>ビニール袋に入れてめん棒で叩き、5mmほどの厚さになるまでめん棒を転がしながら薄くのばす。
<STEP.6>フライパンにごま油を入れてあたため、アスパラガス以外の野菜を入れて強火で炒める。塩、こしょうで味を調え、くたっとしてきたらしょうゆを加えてさっと混ぜ合わせて火を止める。
<STEP.7>まな板にラップをしいて、鶏肉、野菜をおいてくるっと巻く。ラップの両端をぎゅっと巻いて留めてビニール袋に入れる。
<STEP.8>鍋に湯を沸かし、STEP.7の鶏肉を入れて中火で5分ゆでて火を止める。湯が冷たくなるまでそのままにしておく。水けをふき、ラップを巻いたまま冷蔵庫で3時間以上冷やす。
<STEP.9>ラップから出し切り分け、あれば付け合わせのラディッシュやルッコラなどと一緒に器に盛って完成。好みでバルサミコソースをかけても。
疲れた胃を癒してくれるヘルシーな鶏胸肉の動画レシピ【幸也飯】
【5】バターとチーズが香るカリフラワーのソテー
ブロッコリーと形は似ているものの、食卓にはあまり登場しないカリフラワー。少し地味な野菜ではありますが、ビタミンCを多く含む栄養価が高いもの。また、癖になる独特の旨味をもつ、個人的に好きな食材のひとつです。今回は、旬のカリフラワーを使ったとても簡単なレシピをご紹介します。
バターでしっかり香ばしくソテーして、パルミジャーノ・レッジャーノとよく和えたカリフラワー、最後にかけるオリーブとケッパーの酸味はシャンパンとの相性抜群です。
【材料】
カリフラワー 1株
バター 25g
オリーブオイル 大さじ2
ニンニク 1かけ
パルミジャーノ・レッジャーノ 15g
白ワイン 1まわし
塩 適宜
〔盛り付け〕
オリーブ 35g
ケッパー 10g
オリーブオイル 大さじ1
イタリアンパセリ 適宜
【作り方】
<STEP.1>カリフラワーを火の通りやすい大きさに切る。オリーブとケッパーはみじん切りにする。
<STEP.2>フライパンにオリーブオイルをひいて、バターを入れて弱火で溶かし、薄切りにしたニンニクを加えて香りを移す。
<STEP.3>フライパンにカリフラワーを入れて、中火でしっかり焦げ目をつけるようにソテーする。
<STEP.4>焦げ目がついたら白ワインを加えて、強火でアルコールを飛ばす。
<STEP.5>水分が飛んだらパルミジャーノ・レッジャーノを加えてよく和えて、塩で味を調節する。
<STEP.6>〔盛り付け〕皿にカリフラワーのソテーを盛り、みじん切りにしたオリーブとケッパーにオリーブオイルを加えて和えたものを上から加えて、イタリアンパセリの葉をちぎって、分量外のオリーブオイルをまわしかける。
バターとチーズがカリカリ香る!カリフラワーのソテー【レシピ】
- TEXT :
- Precious.jp編集部