2023年2月7日に発売された、Precious3月号には、2022W杯日本代表選手の田中 碧選手が初登場しています。Preciousでは、プレーへの姿勢からプライベートのこだわりまで24歳の「今」をインタビュー。力強くも繊細な田中選手の言葉をご紹介します。
【田中 碧 選手が綴る「11」のセンテンス】
1:尊敬するのは〝目標に向かって積み上げていける人〟
読書が趣味で、幼い頃から日課にしてきました。よく読むのは、稲盛和夫さんや松下幸之助さんの本。
その人がもつ知識や人生観、生きてきた過程が自分の頭の中に入ってくる感覚が好きなんです。
成し遂げたい目標を掲げ、先頭に立って地道に積み上げて達成していく。
そういう生き方に惹かれますね。僕自身、何かひとつできるようになっても
ステージが上がればまた通用しなくなって努力して…の繰り返しで今日まで来ました。
目標から逃げずに毎日を積み上げるという人生の軸になっています。
2:自分を俯瞰するもうひとりの自分を常に意識しています
自分を向上させて力を発揮するにはメンタルが第一。
とはいえ、もともと僕は精神的に特別強いわけではなく、いいメンタルケアがあるなら知りたいくらいです(笑)。
余裕を保てているのは、物事を数年単位の長期的なスパンでとらえているからかもしれません。
傍からはうまくいっていないように思われても、結果が出るまで時間がかかるのが自分のスタイル。
時に道を見失っても、自分と問答しながら自ら行動を変えることで着地点を探ってきました。
どんなときも毎日の延長線上に目標がある、と考えています。
3:結果には必ず〝根拠〟がある、と思ってプレーしています
サッカーは相手もいる競技ですから自分でコントロールできる要素ばかりではないのですが、
〝偶然による成功〟はあまり好きではなくて。
周囲のレベルが高くなるにつれて偶発的に出るプレーはどんどん減っていくもの。
ゲームの流れを感じながら相手の変化を見て、一瞬一瞬、自分が頭の中できっちり整理できる
プレーを選択するようになりました。
4:自分を信じることは努力した人の権利
「ワールドカップで点をとる」とずっと思っていたし言葉にもしてきました。
周りに何を言われても、自分を信じるだけ。それは毎日全力でサッカーに向き合ってきた
自分がつかみ取った権利でもあると思うし、24年間生きてきた人生を信じるということでもあります。
努力し続けることは楽ではありませんが、今までの人生が少し報われた気がしています。
5:ブレない信念がチームをひとつに
目の当たりにしたのは、森保監督の芯の強さ。相当なプレッシャーや責任を抱えているにもかかわらず、
悪い状況でも動じず、顔色ひとつ変えずに戦おうとする姿に引っ張られましたね。
僕らの意見も聞き入れてくださる方で、監督との関係性がよかったからこそ、一体感が強くなったのかなと思います。
6:逆境ではなく、最高のシチュエーションでした
コスタリカに敗戦したあと、グループリーグ突破が危ぶまれたときも、実はネガティブになることはなくて。
ほかの国の対戦結果がどうなろうともスペインに勝てば突破できるのは変わらない。
むしろ、勝って決勝トーナメントに行ったら最高に気持ちいいな、盛り上がるだろうなと想像して
ひたすら状況を楽しんでいました。
7:4年後、化け物になって戻ってきます
世界のトッププレーヤーは、圧倒的。
国を背負う重圧のなかでも本来の力を出し、難しい局面をひとりで打開できる。僕はまだまだ程遠いけれど、
自分がいることで日本を勝たせられる存在になりたいですね。
目指すは「W杯優勝」。4年かけて目標に貢献できるようなプレーヤーに近づきたいです。
8:かつての仲間と、また同じピッチに立てた喜び
過去に一緒にプレーしてきた選手たちと、チームメートとして戦えるのはもう代表だけ。
うれしいし、なにより楽しかったですね。僕が代表を目指す理由のひとつでもあります。
9:成長しているのは、自分だけじゃない
代表は、選ばれることも、試合に出続けることも簡単ではない場所。
ライバルに刺激をもらいながら、自分ももっと頑張らなくてはという気持ちにさせられます。
10:服は、着心地選びます
黒白を基本に、シンプルで勝負です。ただし、ドイツでのオフは散歩するくらい。常にジャージで過ごしています(笑)。
11:日本での楽しみは、マグロ!
お寿司など、おいしい生魚が食べられるのはやっぱり日本ならではですね。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 川田有二
- STYLIST :
- 菊池陽之介
- HAIR MAKE :
- 竹井 温 (&'s management)
- WRITING :
- 佐藤久美子