「来週はいつも以上に忙しくなるはずなので、心づもりしておいてください」や、「心づもりする間もなく始まったので慌てました」などの文章で使われている「心づもり」について解説します。新年度になんらかの「心づもり」をしておくのも、デキるビジネスパーソンへの道ですね!
【目次】
【「心づもり」の意味は?漢字は?基礎知識】
■意味
「心づもり」は、「心の中であらかじめ考えておくこと」「心中の予定・計画」を表します。「お昼までには帰社する心づもりです」などと使います。
■漢字で書くと?
「心づもり」は「心積(も)り」と書くこともできます。要するに「こころづもり」は「心+積り」でできているのです。「積り(つもり)」という単語を『デジタル大辞泉』(小学館)で調べてみると、下記のような意味が記載されています。
(1)前もってもっている考え。意図。心ぐみ。「成功するつもりでいる」「怒らすつもりではなかった」
(2)実際はそうでないのに、そうなったと仮定した気持ち。「死んだつもりで働きます」「親のつもりで世話する」
(3)予想して計算すること。見積もり。「つもりがはずれる」
(4)酒宴で、その酌で終わりにすること。おつもり。「これで今晩はつもりにしよう」
(5)積もること。重なること。
(6)限度。かぎり。
「心積り」の場合は(1)や(3)の意味に当たります。表記は「心づもり」、あるいは「心積り」が一般的です。
【ビジネスなどでの「使い方」がわかる「例文」6選】
実際にビジネスシーンでどのように使われるのか、例文を見てみましょう。
■1:「次回の人事では君をリーダーに推薦するので、心づもりしておいてくれ」
■2:「限定数に達した時点で受付終了とさせていただきますので、お心づもりのほどよろしくお願いいたします」
■3:「いつでも対応できるよう、心づもりはできています」
ビジネスシーンで使われる「心づもり」には、「心の準備」だけでなく、「相応の準備」も必要だということがわかるでしょうか。心の中や口先だけでなく、実務が伴った「心づもり」であることが求められます。ビジネス以外で「心づもり」を使うなら、次のようなシーンが想定されます。
■4:「災害大国に暮らしている限り、どのエリアに限らず、被災の心づもりはしておくべきだ」
■5:「突然のことだったので、心づもりもできず呆然とした」
■6:「今夜が山かと思われますので、ご家族さまはお心づもりをお願いいたします」
4はまさに「準備」のことですね。6で使った「心づもり」は、死期が近いことの湾曲表現です。
【「心づもり」の「類語」「言い換え」表現】
■類語
・心構え ・気構え ・心がけ ・心算(しんさん) ・心算用(こころざんよう、こころさんよう)
「心算」や「心算用」は、心の中で見積りを立てることなので、「心づもり」の類語と言えます。
■言い換え
・覚悟 ・予定 ・考え ・思惑
「心づもり」を「心の中で思っている考えのこと」と解釈すれば、「企み」「魂胆」や「腹づもり」も同義なのですが、ややマイナスなイメージもある言葉なので、「心づもり」の言い換えで使うのは控えたほうが安全ですね。
【「心づもり」を英語にすると…】
英単語では、「準備」や「段取り」などを意味する[ready][prepared][plan]などが該当します。
また、「心づもりしておくよ」と軽く言うなら[I'll keep it in mind]でOKです。
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「心づもり」も“大人の語彙力”も、感じのいいビジネスパーソンとして活躍するためのスキルのひとつ。日々コツコツと経験を積み、学んでいきましょう。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『大人の語彙力大全』(KADOKAWA)/『プログレッシブ英和中辞典』小学館 :