健康や美容にさまざまな効能があるとされる温泉。日増しに強まる紫外線や花粉などの影響で肌にゆらぎが生じやすい春こそ湯旅に出かけ、疲れた体や肌に自然の恵みをチャージしてみてはいかがでしょうか。そこで、本連載では温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、美肌の湯が自慢の温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、福島県にある須賀川温泉「おとぎの宿 米屋」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

トロリとした美肌の湯を温泉とミストサウナで堪能

一歩、足を踏み入れた瞬間、おとぎ話の世界に…。
一歩、足を踏み入れた瞬間、おとぎ話の世界に…。

東北本線須賀川駅からタクシーで12分ほど。のどかな田園風景の中に佇む「おとぎの宿 米屋」は、その名のとおりおとぎ話の世界観に浸りつつ癒しのひとときを過ごせる湯宿です。

「おとぎの宿 米屋は口コミ評価やリピーター率がものすごく高く、予約が困難な人気宿。実際に行ってみると、宿のコンセプト、湯のよさ、食事など、あらゆる面でクオリティが高く、期待以上の満足感が得られました」(植竹さん)

大浴場の露天風呂「花」
大浴場の露天風呂「花」

「自家源泉を有し、湧き出た源泉を空気に触れさせず湯舟へと直接かけ流しているので、湯の鮮度が抜群です。大浴場の露天風呂は『花』と『月』の2つ。木々に囲まれ野鳥のさえずりに耳を傾けながら、まるでおとぎの森に迷い込んだかのような非日常空間での湯浴みは至福のひとときです。大浴場は深夜1時まで利用可能なので、夜間はライトアップされた幻想的な雰囲気にて、月見・星見風呂も叶います」(植竹さん)

大浴場の露天風呂「月」
大浴場の露天風呂「月」

「泉質はアルカリ性単純温泉。濃厚なとろとろローションタイプの湯が肌表面の汚れをおだやかに落としてくれて、湯上りにはつるつるすべすべ肌に!

また、個人的にこれは尊い…と心を打たれたのは、源泉ミストサウナです。温泉に浸かるだけでなく、ミストサウナでも源泉の恵みを享受できるのは、私の知る限りかなり珍しいサービスで、その湯遣いの素晴らしさに感動しました。天井から惜しみなく降り注ぐ源泉ミストはやみつきになる気持ちよさで、全身にうるおいをたっぷりチャージできた感があります」(植竹さん)

大浴場の内湯
大浴場の内湯
内湯に併設されたミストサウナ
内湯に併設されたミストサウナ

「そして、こちらの宿は湯量豊富なため、客室の風呂も源泉かけ流し。誰にも邪魔されないプライベートな空間で美肌の湯を独占するという最高に贅沢な時間を過ごすことができました」(植竹さん)

離れの客室は全室に源泉かけ流しの露天風呂付き
離れの客室は全室に源泉かけ流しの露天風呂付き

名物「おとぎ会席」で視覚も味覚も大満足

2023年春「きんたろう」
2023年春「きんたろう」

「おとぎ話をモチーフにした会席料理も名物。細部まで盛り付けが凝っており、料理が運ばれてくるごとに心ときめきます。また、見た目の演出もさることながら、食材へのこだわりにも感銘を受けました。

まず、野菜は自家農園・契約農家産で無農薬・有機栽培のもの。また、メイン料理に使われていた牛肉は、岩手産・短角牛で国内生産1%という希少価値の高いものだと聞いています。そして、調味料はJAS有機認証、国際的なオーガニック認証に適合した天然のものを使用しているとのことです」(植竹さん)

2022年夏「浦島太郎」
2022年夏「浦島太郎」

「さらに、ドリンク類のコーヒーやジンジャーピーチティーなども全てオーガニックという徹底ぶり。おしゃれで居心地のいい空間でゆったり静養したい人はもちろんこと、本物志向の人や健康への意識の高い人もきっと大満足できるお宿ではないでしょうか」(植竹さん)

2019秋「シンデレラ」
2019秋「シンデレラ」
2022冬「かさじぞう」
2022冬「かさじぞう」

以上、須賀川温泉「おとぎの宿 米屋」をご紹介しました。おとぎの世界をコンセプトにしたかわいらしい宿にて、美容液のような極上の湯を大浴場でも客室でも思う存分満喫したい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生