健康や美容にさまざまな効能があるとされる温泉。日増しに強まる紫外線や花粉などの影響で肌にゆらぎが生じやすい春こそ湯旅に出かけ、疲れた体や肌に自然の恵みをチャージしてみてはいかがでしょうか。そこで、本連載では温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、美肌の湯が自慢の温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、鹿児島県霧島市にある「妙見石原荘」です。
公式サイト
湯遣いへのこだわりがすごい!生まれたての炭酸水素塩泉を享受
鹿児島空港から車で約15分。天降川(あもりがわ)の渓流にひっそりと佇む「妙見 石原荘」は、極上の湯で心身を癒しつつ、美肌も目指したい人にうってつけだと植竹さん。
「こちらの宿は、自家源泉を敷地内に7つも所有するという大変恵まれた環境ですが、そうした地の利もさることながら、生まれたての温泉に心ゆくまで浸かってほしいという湯遣いへの情熱に並々ならぬものがあります。
浴槽は源泉のすぐ近くに設置。空気に一切触れていない状態でダイレクトに浴槽へと注がれる湯は新鮮そのものです。しかも、かけ流しで1時間ほどで満水になるように浴槽が設計されているため、塩素消毒なしでも衛生的な湯を常に満喫することができます。さらに、源泉の温度は約56度と高温なのですが、加水もなし。炭酸ガスなど湯の成分を薄めず自然の恵みをそのまま届けるべく、わざわざ特別な熱交換器を採用して、適温に下げているんです。あくまで温泉ファースト、ひたすら湯のよさを追求する徹底した姿勢には感服せざるえません」(植竹さん)
「泉質は、ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉。浸かってみると血流促進効果があるとされる炭酸ガスの成分がしっかり感じられ、じわじわポカポカと温まり、肌が紅潮していく様子が目に見えてわかるほどでした。それもこれも、宿の絶妙な湯遣いの賜だと感激! 湯上りには体の凝りがすっきりとほぐれ、しかも天然保湿成分メタケイ酸も豊富なので、肌のしっとり感も得られました」(植竹さん)
「温泉は足湯も含めて5か所。露天風呂は3か所あり、うち2つは貸切です。湯舟の間近に川が流れる露天風呂は自然との一体感もあり気分爽快。大露天風呂の『椋の木』、貸切露天の『七実の湯』『睦実の湯』とそれぞれ風情があるので、入り比べをするのも一興です。さらに、内湯『天降殿』も一面ガラス張りで、霧島の自然を愛でながら極上の湯に浸かるという最高に贅沢な時間を過ごすことができました」(植竹さん)
京都で修業を重ねた料理長が手掛ける美食にも感動
「妙見石原荘の料理長は、京都の著名な料理旅館でも修行経験のある方。湯遣いのこだわりだけなく、食事の面でも一切の妥協がありません。鹿児島の旬の素材を生かした多彩なメニューのなかでも、特に印象に残っているのは『黒豚梅吸』という鍋料理。梅と合わせることで黒豚の甘みが引き立つとともにさっぱりした味わいになり、ついつい箸が進みます」(植竹さん)
「ビジュアルでは、器の美しさも目を引きましたが、葉っぱが料理の蓋や敷物として用いられるなど、さりげなく自然を食卓に取り入れる工夫がなされているのも妙見石原荘ならでは。 それから、地酒ももちろんおいしいのですが、ノンアルコールのフレッシュジュースも充実しており、パッションフルーツやマンゴー、たんかん、トマトなど、お酒の飲めない人でも大満足できそうなラインナップでした」(植竹さん)
以上、「妙見石原荘」をご紹介しました。自然の恵みがそのまま生きた極上の炭酸水素塩泉でしっとり美肌を目指したい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 妙見石原荘
- 住所/鹿児島県霧島市隼人町嘉例川4376
客室数/全18室
料金/1名 ¥30,000~(税込) - TEL:0995-77-2111
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- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生