【目次】
【「思慮深い」の「読み方」「意味」】
■読み方
「思慮深い」は「しりょぶか-い」と読みます。
■意味
まずは「思慮」の意味を見ていきましょう。「思慮」とは「注意深く心をはたらかせて考えること。また、その考え」。「慮」は深く考えるという意味で「慮(おもんぱか)る」と読みます。また、「深い」という形容詞は、「〜深(ぶか)い」の形で、名詞などのあとについて接尾語的に用いられると「程度のはなはだしいさま」を表します。例としては「情け深い」や「疑り深い」などがありますね。以上のことから、「思慮深い」は「極めて慎重で、よく考えて判断する性格である」という意味になります。
【「思慮深い人」とはどんな人?「特徴」は?】
では「思慮深い人」の特徴を具体的に見ていきましょう。あなたは当てはまる項目がありますか?
■リスクを事前に考慮できる
■事前の準備を徹底する
■長期的な展望をもつ
■反省や振り返りを行う
■言葉や表現を慎重に選ぶ
■状況や状況を冷静に分析できる
■重要なことを優先できる
■変化に対応しやすい
【「思慮深い」の「使い方」がわかる「例文」6選】
■1:「彼は一見軽薄そうに見えるが、実は思慮深い性格だ」
■2:「思慮深いのは彼女の長所だが、今回だけは判断が遅すぎた」
■3:「思慮深い性格が災いして、彼はいつも自分の見通しが周囲に与える影響を気にして行動に移せないでいる」
「思慮」という熟語は「思慮が浅い」「思慮が足りない」「思慮に欠ける」といった使い方をします。その例文を見ていきましょう。
■4:「彼は思慮が浅いところがあるので、ひとりで担当させるのは少々心配だ」
■5:「顧客に対して不用意な発言が目立つ、思慮に欠けた対応と言わざるを得ない」
■6:「心の若さは保ちつつ、年齢相応の思慮分別も身に付けたいものだ」
「思慮分別」とは「物事の道理や正邪・善悪などを注意深く判断すること」です。
【「思慮深い」の「類語」「対義語」表現】
■類語
・分別がある
あれこれ思案を重ねて判断する、その過程を示すことも多い「思慮」に対して、「分別(ふんべつ)」は「常識に従って判断すること」を意味します。「分別がつく」とは言いますが、「思慮がつく」とは言いません。この場合の「分別」は「ぶんべつ」と読まないように注意。「ゴミの分別」というように、「ぶんべつ」は種類別に分けることを表します。
■対義語
・浅はか ・無思慮 ・思慮が浅い ・思慮が足りない ・思慮に欠ける
現在ではあまり使われませんが、思慮の足りないことや深い考えのないこを「無思慮(ぶしりょ・むりしょ)」とも言います。
【「思慮深い」を「英語」で説明すると?】
「思慮深い」に相当する英単語は[thoughtful](思いやりのある、気が利く)や[sensible](分別のある)、もしくは[discreet](慎重な)です。
・He is a thoughtful[sensible or discreet ] person.(彼は思慮深い)
反対に「思慮のない」は[thoughtless]や[indiscreet]で表現することができます。
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「思慮深い人」は、物事をよく考えてから行動に移す人のことです。自分のことだけでなく、自分の行動が周囲に与える影響まで配慮した行動ができるため、周りからは一目置かれた存在であることも多いはずです。つまり、「思慮深い」はほめ言葉と言っていいでしょう。
ほめ言葉だからこそ、考えすぎて行動に移せない人、決断ができずに結果に結び付けられない人に対して、「思慮深い」というワードを使って遠回しに「考えすぎ」「時間がかかりすぎ」を指摘する場合も…。スピーディーな決断ができるパートナーとの協力関係が築けたらベストですね!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) /『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館) /『角川類語新辞典』(角川書店) :