思い切り泣くなら、このドラマ&映画の名シーンを見逃すな!|ドラマ&映画好きの賢者が「涙のスイッチ」を熱血プレゼンします
小説家、アナウンサー、産婦人科医に経済学者など、さまざまなフィールドで活躍する著名人たちが、数あるドラマや映画のなかから一作品を厳選し、自分にとっての「涙のスイッチ」を熱く語ります!
夫婦の絆、余命わずかな男の人生、不条理な社会に抗う人たち、最愛の人との別れ…。ひと言では言い表せない、複雑な大人ならではといった泣きのツボが満載です。
経済学者・成田悠輔さんの “涙のスイッチ”|映画『神様なんかくそくらえ』
人間の意図や想像とは全く別のところでいくつもの運命が交差する瞬間に涙
「共感し、同化してボロ泣きっていうのがないんです。むしろ突き放され、人間ごときには変えようもない現実を前にひと涙、というのが僕の涙のスイッチです。この作品も、N.Y.の路上で暮らすヘロイン中毒の少女ハーリーと恋人イリヤら、救いようのない若者たちが救いようのないまま描かれていて、目を覆いたくなります。でもなぜか泣ける。それは作品とそこにいる人物たちが奇跡だから。
主人公を演じた女優は、実際ヘロイン中毒の路上生活者で、偶然監督に地下鉄の駅で見出されて自分を演じることになったそうです。恋人イリヤも実在し、後にセントラルパークで死体で見つかったといいます。死因はオーバードーズでした。こういう現実と創造が繊細に交差して産み落とされた作品に出合うと、その運命にふと涙が流れます」
【STORY】
’14年に公開。N.Y.でホームレスとして暮らす19歳の少女と、その恋人。麻薬に溺れる若者たちの刹那的な日々を描く。第27回東京国際映画祭で東京グランプリと最優秀監督賞を獲得した衝撃作。/現在はレンタル・中古での取り扱い
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- ILLUSTRATION :
- 北住ユキ
- EDIT&WRITING :
- 正木 爽・宮田典子・剣持亜弥(HATSU)、喜多容子(Precious)