「ネットサーフィン」という言葉をご存じですか?知らない? 懐かしい? この言葉への反応で、おおよその世代が特定できそうです。少しニュアンスは異なりますが、「ググる」と言い換えることができますよ。今回は「ネットサーフィン」について、その由来なども含めて解説します。

「【目次】

広大なネットワークを大海原に喩えました。
広大なネットワークを大海原に喩(たと)えました。

【「ネットサーフィン」って知ってる?】

■意味

「ネットサーフィン」とは、「インターネットのさまざまなサイトに次々とアクセスして情報を得ること」を意味する、ネット発祥の言葉です。必要な情報を検索することのほか、趣味であてもなく世界中のウェブサイトを見て回ることにも用いられ、一部では「ネサフ」と略されていたそうです。

■由来は? 

広大なネットワークを海原に見立て、波から波へ渡っていくサーフィンに喩えた表現が「ネットサーフィン」です。インターネットが普及し始めた1990年代から一般的な用語となりました。「ネットサーフィン」を楽しむ人々は「ネットサーファー」と呼ばれましたよ。

■「和製英語」なの?

「ネットサーフィン」は和製英語です。英語圏では、仕事中に業務とは関係のないSNSを利用したり、サイトを眺めたりする行為は[cyberloafing(サイバーローフィング)]と呼ばれています。これは「ネット上」を意味する[cyber]と「ぶらぶらして過ごす、遊んで暮らす」という意味の[loaf]を合わせた造語です。勤務中、私用と勘違いされるネット使用が問題になりがちなのは、日本も海外も同じようです。


【すでに死語?】

1990年代に「ネットサーファー」として波乗りを楽しんだ世代はすでに50代。当時は「トレンド」だった「ネット検索」も、今では当たり前のことになりました。1998年の「Google」創業をはじめ、検索技術の向上により、私たちは知りたい情報をごく簡単に手に入れることができるようになっています。TwitterやInstagramなど、SNSの充実も目覚ましいものがありますね。生まれたときからネットが身近なZ世代からしたら、「ネットサーフィン」はクスッと笑える「IT死語」と言えるでしょう。とはいえ、コロナ禍でのテレワークで「あてもなくネットのサイトを次々と眺める」という意味で、実質「ネットサーフィン」に時間を費やした人は多かったようですよ。以下、特定の世代にとっては懐かしい「IT死語」をいくつかご紹介しましょう。

■ネチケット

「ネットワーク」と「エチケット」を合わせた造語。インターネットを利用する際のマナーや規範を意味します。今では「ネットマナー」のほうが一般的ですね。

■端末

ホストコンピューターとネットワーク経由で接続し、利用者が直接操作をする装置。主に「パーソナルコンピューター(パソコン)のことをこう呼んでいました。携帯電話やスマホも、モバイルと呼ばれる「端末」の一種です。現在では「装置」「機器」といった意味の「デバイス」という言葉がよく使われています。

■フロッピー

コンピューター用の記録媒体のひとつ。正式名称は「フロッピーディスク(FD)」。1990年代末まで広く使われていました。今ではフロッピーを読み取れるパソコンはほぼ絶滅しているので、万が一見つかっても、どんなデータが入っているのかは読み取れませんね。


【「ネットサーフィン」の「使い方」がわかる「例文」選】

■1:「仕事中にネットサーフィンに熱中し、上司に叱られてしまった」

■2:「いいお天気の休日を、日がな一日ネットサーフィンに費やしてしまった」

■3:「ネットサーフィンをしていると、1時間や2時間はあっという間だ」


【別の言い方は?「類語」「言い換え」表現】

「ネットサーフィン」に代わる言葉をいくつかご紹介しましょう。

■ブラウジング

[browse(ブラウズ)]は、「閲覧する」「拾い読みする」という意味の英単語。利用者がWebページのリンクをたどって次々に新しいページを開いていくことを[browsing(ブラウジング)]と言います。

■ググる

「ググる」は「Googleで検索をする」の略。「インターネットで検索をする」という意味では「ネットサーフィン」の言い換え表現となりますね。TwitterやInstagram、YouTubeなどのSNSに関しては、それらを閲覧することに特別な呼び名があるわけではなく、シンプルに「Twitterを見てた」「YouTube見てた」と表現してるようです。

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「ネットサーフィン」という言葉は死語になりましたが、今やスマホは新聞・雑誌を閲覧する手段であるのはもちろん、小説や映画、音楽など、あらゆるジャンルを楽しめる、私たちの生活になくてはならない存在です。スマホを忘れて出かけてしまい、1日中落ち着かない経験をした人は多いのでは? そういった意味では「ネットサーフィン」の時代より、はるかに「ネット依存」は進んでいます。それが良いか悪いかは、その人の使い方次第ですね。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館) /『ランダムハウス英和大辞典』(小学館) /『「知ったかぶり」を解消する! ビジネス用語図鑑(WAVE出版) /『イミダス』(集英社) /『現代用語の基礎知識』(自由国民社) :