「千穐楽」…難しい「穐」の字を使う理由が興味深い!
明日・5月23日は、『World Turtle Day (世界カメの日)』です。これはアメリカの非営利団体が制定した記念日で、「亀に関心を向け、知識を深め、敬意を払い、亀の生存と繁栄のための人間の行動を奨励する日」とされています。…ということで本日は「亀」の入った漢字「穐」の入った言葉から、日本語クイズをお送りします。
【問題1】「千穐楽」ってなんと読む?
「千穐楽」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「芝居や相撲などの興行の最後の日」「ものごとの最後。終わり」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「人気のお芝居の千穐楽のチケットが手に入ったの!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 千穐楽(せんしゅうらく) です。
「千秋楽」という表記を「せんしゅうらく」と読む知識はあっても、普段から観劇などに親しんでいない方は「千穐楽」が読めなかったり、「亀」を連想して「せんかめらく」「せんきらく」などと誤読する例もあるようです。「穐」は「秋」の異体字で、音読み、訓読みともに「秋」と同じです。──さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「千穐楽」で「穐」を使う理由は?
演劇の興行で「千秋楽」ではなく「千穐楽」の表記があえて使われる理由として正しいものを、以下の選択肢の中から選んで下さい。
1:名俳優にちなんで
2:神話にちなんで
3:縁起かつぎ
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 3:縁起かつぎ です。
江戸時代、火事により芝居小屋が焼失する…ということがしばしば起きたため、「火」の入った「秋」ではなく、おめでたい「亀」の入った「穐」を使う、という縁起かつぎから、あえて「千穐楽(せんしゅうらく)」と書くようになったそう。最後の興行を「千秋楽」と呼ぶ理由については諸説ございますが、雅楽で最後に演奏される曲に『千秋楽』があり、ここから転じた…という説が一般的です。
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本日は、5月23日、『World Turtle Day (世界カメの日)』にちなんで、
・千穐楽(せんしゅうらく)
という言葉の読み方、背景などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/地方独立行政法人天王寺動物園ウェブサイト/歌舞伎公式総合サイト『歌舞伎美人』/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱