雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。
今回は、NPO法人「Green Journey」代表、空木マイカさんの活動をご紹介します。
街の中の空き地から始めよう!環境再生型エディブルガーデンに挑戦
上の写真のような、住宅街のちょっとした空き地に心あたりはないだろうか。空木さんは「都会の空き地をエディブルガーデン(食べられる植物を育てる庭)にするプロジェクト」に取り組んでいる。その名も「Nagoya Urban Regenerative FNURFNURF(ナーフ)」。
「リジェネラティブ農業(※)、日本語で環境再生型農業と呼ばれる方法で、食べられる植物を育てています。ここは横が約3メートル、縦が約20メートルの細長い土地で、知り合いのお寺が貸してくださった場所。農業の専門家である友人の技術指導のもと、現在は46人のメンバーでの畑仕事です。活動のあとに、持ち寄ったパンや具材を使って、収穫した野菜のサンドイッチパーティを開いたりと、楽しんでいます」
目指すのは、CO2を出さない「脱炭素」よりも、植物や微生物がCO2を有機物に固定する光合成を後押しする「炭素固定」。
「もともとは、30年後、自分たちの子供が大人になったときに安心して暮らせる地球を、と、環境問題に関心があるお父さんお母さんを集めた団体を、私が主宰していて。ずっと脱炭素、つまり『出さない』とか『やめる』ことをテーマに活動していたんです。けれど、そこからさらに、今あるCO2を減らす社会の仕組みを『つくる』ほうへシフトチェンジしたいという思いが湧いてきたんです。土壌を改善しながら自然環境を回復していくリジェネラティブ農業の、『生み出す』というポジティブな循環に共感し、炭素固定を広げていきたいと思いました」
ご近所コミュニティも広がってきて、目指すは名古屋の「エディブルシティ」化。未来は明るい。
【SDGsの現場から】
●地元メンバーでNPO法人を結成し定期的に活動中
●学校や企業、行政などを対象に講演会も実施
※リジェネラティブ農業とは…農地の土壌を修復・改善しながら、自然環境の再生にも貢献していく農業のこと。CO2を土壌に隔離するため、気候変動の抑制にも有効。
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- PHOTO :
- 若林聖人
- WRITING :
- 剣持亜弥(HATSU)
- EDIT :
- 正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
- 取材 :
- 河野好美