「駆け引き」とは、状況に応じて自分に有利になるようにはたらくこと。「彼は駆け引きがうまい」とか、「駆け引きの手間なく成立した」などと使う、ビジネス上でも重要な言葉でもあります。今回はさくっと解説していきますよ。
【目次】
- 「駆け引き」とは?「読み方」と「意味」 など基礎知識
- ビジネスで使われる「駆け引き」の「例文」3選
- 「駆け引き」にマイナスイメージが?「類語」「言い換え」
- 「駆け引き」の対義語は?
- 「駆け引き」は「英語」でなんと言う?例文も!
【「駆け引き」とは?「読み方」と「意味」 など基礎知識】
■読み方
「駆け引き」は「かけひき」と読みます。
■意味
商売や交渉・会議などで、相手の出方や状況に応じて自分に有利になるよう処置すること。
「駆」という漢字は「馬を疾走させること」を示し、「攻撃すること、合戦を仕掛けること」という意味があります。そこから戦場で進むことを「駆(かけ)」、退くことを「引(ひき)」といい、戦場で臨機応変に兵士を進退させることから「駆け引き」という言葉が生まれました。一般的には「駆け引き」ですが、「賭け引き」と表記することもあります。
【ビジネスで使われる「駆け引き」の「例文」3選】
■1:「国際会議では、特定の国だけでなく、諸外国とのバランスのいい駆け引きが重要だ」
■2:「駆け引きのうまいへたは、営業成績にも大きく影響するものだ」
■3:「取り引き先との駆け引きに自信がないので、現場でサポートしていただけると助かります」
【「駆け引き」にマイナスイメージが?「類語」「言い換え」】
ビジネスでは「駆け引き」が不可欠ですが、「恋の駆け引き」となるとちょっとイメージが違うかもしれませんね。「状況に応じて自分が有利になるようはたらく」のは仕事も恋愛も同じですが、恋愛は相手やライバルなど対象が個人のため、うしろめたさやダークなイメージをもってしまうのかもしれません。ここからは、ビジネスで使える「駆け引き」と似た言葉、言い換え可能な言葉をご紹介します。
■交渉
特定の問題について相手と話し合うこと。「買い上げ条件についての交渉がまとまった」
■折衝(せっしょう)
利害関係が一致しない相手と問題を解決するために駆け引きすること。「労使間で折衝する」
■戦略
ある目的を達成するために大局的にコトを運ぶ方策。特に政治闘争や企業競争などの長期的な策略を言います。「長期的かつ綿密な戦略が功を奏した」
■取引(とりひき)
互いに自分の利益になると思われる物品・行為・情報などを交換すること。商業またはそのほかの営利に関する経済行為をすること。「複数の会社と取り引きをする」
■掛け合う
要求・要望などをもって相談に行くこと。談判や交渉すること。「制作費用と納品期日を掛け合う」
【「駆け引き」の対義語は?】
相手となんらかの接触の上で成り立つ「駆け引き」の対義語として挙げられるのは「実力行使」です。『日本国語大辞典』によると、「実力行使」は「目的達成のために武力など実際の行動をもってする手段に訴える」こと、「労働運動などで。法によって禁止されている手段に訴えて行う軍事行為」です。武力ではないにしても、話し合いや相談、交渉という過程なく突破するイメージですね。「駆け引き」よりぐっと強引さを感じます。
【「駆け引き」は「英語」でなんと言う?例文も!】
「駆け引き」を英語でいうと、売買や交渉という意味で、ビジネスで使うなら[negotiation]がベター、戦略的な意味を強めに出すなら[bargain]も使えます。また、外交的な交渉(駆け引き)には[diplomacy]を使います。
・He is skilled at negotiating.(彼は駆け引きがうまい)
・Sometimes business needs a bargain.(ときにビジネスにも駆け引きが必要だ)
・We need peaceful diplomacy.(私たちには平和的外交が求められている)
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「駆け引き」はビジネスにおける重要なスキルですが、どんなことにもうまいへた、得手不得手があります。駆け引きが得意でない人は、ほかのことで頑張ればいいのです!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) :