「篝火」ってなんと読む?どんな火でしょうか?
お盆まっただ中ですね。古来の風習にのっとったご先祖供養をなさる方、逆に「実はお盆がなんなのかよくわからない」というお若い方、昨今は入り混じっているかもしれませんね。
後者の方々のために、「お盆」について改めて説明しましょう。もともと「ご先祖さまの霊があの世からこの世へ帰ってくる期間」とされており、7、8月(地域差あり)の15日を中心に、13日が御霊を迎える「迎え盆」、16日が御霊を送り出す「送り盆」とされております。16日は、送り火を炊く大規模なお祭りを行う地域も多く、京都の「五山送り火」、長崎の「精霊流し(しょうろうながし)」などは大変有名ですね。というわけで、この時期にお墓まいりをなさる方も多いのですが…今年は、台風や猛暑の影響で、毎年恒例のご供養がままならない、というケースも出ていそうです。
ご供養にいちばん影響するのは、形式より、それぞれの心ではないでしょうか? 現実的に無理をなさるより、ご自身も大切にしつつ、先人に感謝し、想いをはせる時間をもつ…というだけでも、素敵なご供養になると思います。
本日は「送」「火」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「逓送」ってなんと読む?
「逓送」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「人の手から手へ順々に送ること」「郵送すること」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「レクリエーションの内容、ボールを玉杓子で逓送するレースとか、どうかしら?」
・・・さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 逓送(ていそう) です。
「逓送(ていそう)」は2文字とも常用漢字ですので、読めないと恥ずかしい部類の熟語…ということになりますが、「逓(テイ)」という字を忘れていて読めなかった、という方も多いのでは?
「逓(テイ)」の入る代表的な熟語といえば「逓信(ていしん)」「逓信省(ていしんしょう)」です。「逓信(ていしん)」は、「郵便や電信など順次取り次いで伝えること」という意味で、「逓信省」は1949(昭和24)年以前まで、現在の郵政省の役割をしていた省庁の名前です。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「篝火」って何と読む?
「篝火」という日本語の正しい読みかたを、読み仮名4文字でお答えください。
ヒント:「夜間、照明用に屋外で燃やす火」のことです。
<使用例>
「お盆の送り火は、夜、ご先祖様を送り出すための篝火なのよ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 篝火(かがりび) です。
古来の屋外照明の呼び名ですが、携帯するタイプなら「松明(たいまつ)」、固定して使うものは「篝火(かがりび)」というような呼び分けがあるようです。現代でも、鵜飼(うかい)や漁、薪能(たきびのう)などの現場で使用されています。
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本日は、「盆の送り火」にちなんで、「送」「火」という字の入った日本語から、
・逓送(ていそう)
・篝火(かがりび)
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『日本大百科全書(ニッポニカ)』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱