「あざまる水産」は感謝の気持ちを表す若者言葉です。「え?『すいさん』って何?」と突っ込みたくなりますよね? 今回は今さら人に聞けない若者言葉、「あざまる水産」について、その元ネタや使い方、気の利いた返し方まで解説します。
【目次】
【「あざまる水産」って知ってる?押さえておきたい「基礎知識」】
■「意味」
結論から言うと、「あざまる水産」は「ありがとう」という意味の若者言葉です。「あざまる」は、「ありがとうございます」を略した「あざ(す)」と句点の「。」から成り立っています。「おっけー」を意味する「おけまる」という言葉もあるように、どうやらこの言葉が生まれた当時は、語尾を「まる(=句点)」と読み上げるのが流行していたようです。また、「まる」は句点ではなく、丸印の「○」という意味を示すという説もあるようです。
では、「あざまる水産」の「水産」は、何由来の言葉なのでしょうか?
■いつ流行った?「由来」は?「元ネタ」はある?
「あざまる水産」は、それ以前からあった「あざまる」をアレンジした言葉です。「水産」は、海鮮居酒屋チェーン店の「磯丸水産」が由来と言われています。もともと「あざまる」自体、女子高生を中心に流行したJK言葉。「まる」の響きが同じであることから、なんとなく語呂がよく、なんとなくかわいくて、なんとなく進化していったものと考えられます。
「あざまる水産」は2018年上半期の「JC・JK流行語大賞」コトバ部門で2位にランクインし、「『ありがとう』の最新版」と紹介されていました。その後、人気お笑いコンビの「EXIT」がトーク番組などで頻繁に使うようになったことで、より広い層に拡散されました。ちなみに、2018年上半期の「JC・JK流行語大賞」コトバ部門1位は「あげみざわ」。ヒト部門の1位に輝いたのは「今田美桜」さん。モノ部門は「チーズドッグ」。当時の空気感が思い出せるでしょうか?
ちなみに、「あざまる水産」がもっとも流行したのは、2018~2019年頃と推測されます。現在でもSNSなどで使われてはいますが、若干「古い」印象は拭えません。
■「どんなとき」に使われる?
「あざまる水産」は「ありがとう」という意味の言葉ですが、同じような意味の「了解!」「オッケー」などと比べると、さらにカジュアルな言葉です。オフィシャルなシーンで使われることはなく、ごく親しい同僚同士の内輪話や友人同士の会話で使われます。少なくとも、たわいのない言葉遊びに理解を得られない、あるいは冗談が通じない人への使用は、絶対に避けるべきです。
では、具体的な使用例をみていきましょう。
【「使い方」がよくわかる「例文」5選】
■1:「ノート見せて」「いいよ〜」「あざまる水産!」
■2:「今日も楽しかったね! みんな〜あざまる水産!」
■3:「我が推しのYouTube更新されてる! いつもながらあざまる水産のオンパレードでしかない」
■4:(「X」で)「みんな、めっちゃリポストしてくれててあざまる水産!」
■5:「誕プレ超カワイイ! マジあざまる水産よいちょまる」
「よいちょまる」は「よいしょ。」を由来とする、「いい感じ」、「ハッピー!」など、楽しい気分を表す言葉です。「あざまる水産」同様、人気お笑いコンビの「EXIT」がX(旧Twitter)やトーク番組などで発言したことで話題になりました。「あざまる水産よいちょまる」は、「ありがとう!ハッピー!」といった言葉で使われます。語呂がよいので、嬉しい気分がストレートに伝わっていますね。
【「類語」「言い換え」表現】
「あざまる水産」と同様、若者世代が感謝を伝える際に使う言葉をご紹介しましょう。言葉使いはくだけていますが、時に意外と真剣な彼らの感謝の気持ちが込められていることも。見逃さないでくださいね。
■ありがとう!
■あざます
■あざまるー
■あざっす!
■あざ〜す
■thx
[thx]は[Thanks]を短縮したスラング英語です。「サンクス」と読みます。
【「あざまる水産!」と言われたらどう返事をしたらいい?】
「あざまる水産」に特に決まった返しはありません。あまり固く考えず、スタンプで返したり、「はーい」「いーよー」くらいでいかがでしょうか。あるいは、「こちらこそ、どうもありがとう」の意味で、ノリを合わせて「あざまる水産!」と返してもいいかもしれませんね。
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「あざまる水産」は「ありがとう」の意味で使われる若者言葉です。元ネタとなった磯丸水産というお店を、当時の女子高生が知っていたのかは微妙ですが、同じように企業名(商品名)をもじった言葉に「やばたにえん」があります。一歩間違えば単なるおやじギャグですが、どちらも響きがかわいく、「クスッ」と笑える雰囲気をもっていますね。シリアスな場面でみんなの緊張を解きほぐすために上手に使えたら、とても便利な言葉かもしれませんよ。
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- Precious.jp編集部
- 参考資料:/『現代用語の基礎知識』(自由国民社) :