パートナーとふたりでディナーを楽しんでいるのに、なぜか話題は妹(もしくは姉)のことばかり。きょうだいで仲がいいのはなによりですが、「そういうとき、うちの姉(妹)ならこうするな~」など、判断基準に姉妹をもち出してきたり、「姉(妹)がなんて言うかなぁ…」などと、意思を委ねたりするようなら、「もしかしてシスコン?」と疑っていいかもしれません。今回のテーマは「シスコン」。正確な意味や使い方のわかる例文、「シスコン」男性の特徴などを解説します。

【目次】

シスコンの意味は?男性にしか使えない?
愛情・執着が「過度」であることがポイント。

【「シスコン」を正しく理解するための「基礎知識」】

■意味

「シスコン」は「システムコンポーネント」、もしくは 「シスターコンプレックス」の略語ですが、今回取り上げるのは「シスターコンプレックス」です。

「シスターコンプレックス」とは[sister+complex]の和製英語で、「自分の姉や妹に過度な愛着を抱く傾向」を指します。「過度な愛着」ですから、単にきょうだいとして仲がいいだけでなく、まるで恋人に対するような独占欲や嫉妬心を伴うこともあるのが特徴です。「コンプレックス」という語が使われてはいますが、正式に認められた心理学用語ではありません。

■「男性」だけに使われる?

アニメや少女漫画などで「シスコン」を指摘されるのは、妹をもつ兄であることが多いためか、男性に対して使われる言葉だと勘違いしやすいのですが、姉や妹に対して過度な愛着をもつ人であれば、男女の区別なく「シスコン」と呼ばれます。


【「シスコン」の「類語」は?】

「シスコン」の類語としては、よく知られているものがいくつかあります。コンプレックスの対象が姉妹から兄弟などに変わると、以下のようになります。

・ブラコン(ブラザーコンプレックス) 
・マザコン(マザーコンプレックス)・ファザコン(ファーザーコンプレックス)


【「シスコン」と言われる人の「特徴」】

「髪型やファッションはもちろん、いちばんの相談相手は姉(妹)」、「スマホの待ち受け画面が姉(妹)」「年末年始やお盆など、旅行は姉(妹)といつも一緒」といったケースは、立派なシスコンと言っていいでしょう。もちろん、きょうだい仲がよいのは素敵なこと。ですが、いき過ぎるとパートナー関係に影響を与えたり、口論の原因となることも。あなたの恋人は大丈夫ですか?

■人前でも、姉妹に対してまるで彼氏のようにふるまう

■「うちの○○(姉妹)なら〜」「○○のときは〜」が口癖

■姉妹としょっちゅうショッピングや旅行に出かける

■大事なことを姉妹に相談して決める

■姉妹との約束を優先する

こんなに仲がいいと、「シスコン」男性と付き合った相手は複雑な気持ちになって当然です。特に「うちの姉(妹)ならこうするな」などと、常に比べられるのは少々不愉快です。とはいえ、悪いことばかりでもないようですよ。

■聞き上手で根気強い

■女性特有の体や精神の不調について理解があり、気遣いができる

■とにかく優しい

たわいもない雑談や愚痴に気長に付き合ってくれたり、時には少々の八つ当たりにもじっと耐え…一般的に「シスコン」男性は、女性に対する理解が深く、気配りが細やかで優しい傾向にあるようです。女性特有の不調についても、すぐに察してくれるのはありがたいですね。


【「反対語」は「ブラコン」?】

強い執着を抱く対象が「姉妹(女性)」から「兄弟(男性)」になるという意味において、反対語は「ブラコン」といえます。


【「シスコン」への理解を深める「例文」3選】

■1:「彼の妹に恋人ができたころから、常に機嫌が超悪い。話を聞けば、その恋人に対する悪口ばかり。彼がこれ程のシスコンだとは思わなかった」

■2:「自分がシスコンであることを周囲から指摘された○○さんは笑って否定してたけれど、本人には自覚がないものなんだ。おもしろい」

■3:「早くにご両親を亡くされ、兄妹で生きてきたのだから、彼がシスコンになるのも無理はない」

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「うちのアネキならこうするな」「それは妹に聞いてみないと…」。たま〜に耳にする程度なら、「きょうだい仲がいいんだな」で聞き流せるセリフですが、あまりにも頻度が高いと「あれ?もしかしてこの人、シスコン?」と疑ってしまいますね。本人には自覚がないケースも多いので、姉妹の話ばかりなのが気になったら、やんわりと指摘してみるのもいいかもしれません。あなたの指摘に相手が思いがけない反応を見せたら…「早い段階でわかってよかった」と前向きに捉え、今後の対応を考えましょう。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館) :