「推し活」「箱推し」「単推し」などの関連語や活用形を含め、今や「推し」という言葉は、若者だけでなく一般(私たちにも!)にも広く普及しているのではないでしょうか。今回はこの「推し」について、さくっとおさらいしてみましょう。

【目次】

推しとは?
複数の「推し」がいる(ある)と人生楽しく暇なし!

【「推し」とは?「誰に」どう使う?基礎知識】

■読み方

「推し」は「おし」と読みます。

■意味

人にすすめたいほど好きなアイドルや俳優、タレントなどを指す、「応援」を意味する言葉です。


【「いつから」「どこから」流行った?「由来」】

■いつから?

「いち推し」という言葉はかなり古くから一般化していますね。「推薦する」という意味の動詞「推す」からきたフレーズですが、「推し」はアイドルファン(アイドルオタク)の間で発祥した俗語だといわれています。90年代後半にモーニング娘。のファンを中心に使われていたのが広まり、アイドルファンの間で定着したようです。

一般的に認知され始めたのは、2010年に発表されたAKB48の「チームB推し」という楽曲がきっかけとも。この年には、第28回ユーキャン新語・流行語大賞で「推しメン」もノミネー トされています。ちなみに「推しメン」は「推しのメンズ」ではなく「推しのメンバー」のことですよ。

■誰を指す?

現在ではアイドルや俳優など芸能人だけでなく、スポーツ選手や文化人など、対象に制限がなくなった感も。また、「3歳になった甥っ子推し♪」のように一般人に対しても使用するようになりました。

また、人に対してだけでなく、“モノ”や“コト”にも使います。


【「ファン」と「推し」はどう違う?】

「Aのファンです」と「A推し」は同義で、どちらも誰か(何か)をすごく好きということに変わりはありません。しかし、その想いの“熱量”が違います。「推し」は「ファン」より熱量が高いのです。例えば、「Aのファン」もコンサートやイベントに通ったり関連グッズを購入しますが、「テレビやネット配信を見るだけ」も広域では「ファン」に含まれます。一方、「A推し」の人は「ガチ」。活動の頻度も高く、費やす時間もお金も「ファン」を上回るとされます。

そして決定的に違うのは、「推し」に対しては“疑似”や“同化”といった現象を伴うということ。疑似恋愛をしたり疑似家族になってみたり、「推し」の心の痛みやつらさ、悲しみ、喜びなどを、自分のことのように感じたりもするのです。


【「推し活」「三推し」など関連用語も解説!】

■推し活(おしかつ)

応援活動のこと。

■三推し(さんおし)

特に「2番目に推しているメンバー」「3番目に推しているメンバー」という意味で使われます。

■箱推し(はこおし)

「箱推し」は「グループのメンバー全員が好き」「全員を応援している」「グループ自体が好き」という意味。また、「事務所(のアーティスト)全体を応援」を指すこともあります。

■推し被り(おしかぶり)

「推し」のメンバーが友人や推し活仲間と同じ、という意味。

■推しごと(おしごと)

「推し活」と意味は同じです。「推し」と「仕事」をくっつけた造語で「お仕事」のダジャレ。もはや、「推し」の活動は、本人にとって、「仕事」のように生きていくために必要不可欠なものなのです。

■推し変(おしへん)

「推し」が替わること。グループのAが好きだったけれどBに乗り替えることを「推し変」といいます。

■推し増し(おしまし)

「推し変」は「推し」がAからBに替わることですが、「推し増し」は「Aに加えBも!」と増えることを表します。


【今さら聞けない『推しの子』とは?】

2023年春にTOKYO M❘Xなどで放送されたテレビアニメ『推しの子』のヒットによって、「推し」という言葉はさらに市民権を得たのではないでしょうか。YOASOBIが歌う主題歌「アイドル」も大ヒットしましたね。そもそも『推しの子』とは、原作を赤坂アカ氏が、作画を横槍メンゴ氏が担当と、大ヒットメーカーがタッグを組んだ漫画です。現在「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中で、正式なタイトルは『【推しの子】』と【】が付きます。第1期は原作の40話までをアニメ11話にして放送。最終回では第2期の制作が発表されたため、“推しの子推し”たちは新シーズンの放送を待ちわびている状況でしょう。現在でもNetirixやHulu、Amazon Prime VideoやU-NEXTなどの動画配信サービスなどで視聴できます。

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そもそもは「いち推しのメンバー」の略語「推しメン」をさらに短縮させた言葉である「推し」。「○○のいない人生なんて考えられない!」というところまで気持ちが高まっている状態にある人が、その対象を「推し」と崇拝するのです。人生は、さまざまな方法で豊かになるものですね。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『現代用語の基礎知識』(自由国民社)/『知恵蔵mini』朝日新聞社/『角川類似新語辞典』(KADOKAWA) :