【飾って愛でて、持って楽しむ!「器」こそ日常のアートです】
お気に入りだからこそ、いつも目に触れるところに!アート目線の器選びで、暮らしはもっと豊かになります。眺めているだけで心が和んだり、はっとしたり。料理を盛れば、料理を引き立て、食卓を彩る立役者に。日々の暮らしを豊かなものにしてくれる「器」は、まさにアート、といっても過言ではありません。
ときにはアートのように、ときには日常の道具として「器」を楽しむ達人の暮らしをご紹介します。絵画やオブジェを選ぶように、器も、アートとして選び、使い、愛でてみませんか?
「重ねる、まとめる、etc.『見せる収納』で、日々の器は、インテリアのポイントになります」── 食空間プロデューサー・内山ゆきさん
【On the Table】
まるで、お気に入りのギャラリーを訪れたようなワクワク感! ガラス類から漆器、陶器、シルバーのトレイや花器など、世界各地の古いものと新しいものが所狭しと並んでいるのに、どこか落ち着く、居心地のよい空間です。
こちらは、宿やホテル、個人宅の空間プロデュースや食のスタイリングを手掛けるほか、料理教室や家庭料理レストランも主宰する内山ゆきさんのアトリエ。
「家でゆっくりと、大好きな人たちと寛ぐような空間にしたくて、家具も器もほとんど自宅から持ってきました。新たにつくったのは、和紙職人・ハタノワタルさんにお願いした、和紙の温もりを感じる卵色のカウンターくらいでしょうか」
幼少期から旅好きのおばあ様と一緒にヨーロッパ各地を訪れ、ブロカント(蚤の市)で『お宝』を発見する姿を楽しく見ていた、という内山さん。その影響を色濃く受け、自身もかなりの旅好き、アンティーク好きに。仕事で海外や日本各地を巡り、合間を縫ってはアンティークショップや古道具店、蚤の市へ。そこで買い求めた器や家具が並びます。
「大きいものも小さいものも、購入した場所はもちろん、つくられた時代や場所、素材もまったく違うけれど、こうやって同じ空間に並んでいても違和感がないのは、日々『使って』いるからかもしれません。きちんと収納して、戸棚にしまい込んでしまうと忘れてしまうから(笑)、できるだけ見えるように収納しています。ただし、ただ漠然と置いておくのではなくて、同じ色や素材のものを集めて重ねたり、蓋ものは蓋もので揃えたり、小さいグラスなどは、トレイを使って境界線をつくるようにして置いたり。『まとまり感』は大切にしています」
【As Art】花器やグラス類は、「F.O.B COOP」で購入したブリキのケーキスタンドに。
もうひとつ、大きなケーキスタンドを活用するのも、内山さんの『見せる収納』のポイントのひとつ。
「昔からケーキスタンドが好きで、アンティークショップなどで見かけると、つい持ち帰ってしまいます(笑)。自宅ではタオルや小物類を置いて使っていましたが、アトリエでは器を収納するのにちょうどよくて。360度、どこからも見ても楽しめるので、器を並べるときは、いちばん素敵に見える『向き』にはかなりこだわっています。だからこそ、日々使う道具の器たちがアートに変身、目も心も楽しませてくれるように思います」
高さ120cmほどのアメリカ製のケーキスタンドには、中段にケトル類、下段に漆の蓋ものを飾り、統一感を。
金沢の漆作家・杉田明彦さんの漆器は、上段に重ねて。上や横にはあえてガラスのオブジェで抜け感を。
こちらの棚は、フランスの病院で使われていたカルテ置き。深みのある色合いとディテールが気に入って購入。作家ものの黒い漆器を重ねて収納。
※作家の器は個展での販売が中心です。取り扱い店舗では不定期入荷のため、在庫がない場合もあります。器は手づくりのため、色や形、サイズに個体差があります。
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- PHOTO :
- 川上輝明
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、古里典子(Precious)