旗艦ホテルとなるザ・ペニンシュラ香港を1928年に開業して以来、アジアやアメリカ、ヨーロッパ地区に12軒のラグジュアリーホテルを運営している「ザ・ペニンシュラホテルズ」。

2007年には、日本初進出となる「ザ・ペニンシュラ東京」を皇居外苑、日比谷公園の向かいに開業。「ペニンシュラスタンダードと日本文化の融合」をテーマにインテリアデザイナーの橋本夕紀夫氏が手掛けた、随所に和のエッセンスを感じる温かみのある空間で、最高のおもてなしを受けることができます。

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日本の灯籠にヒントを得た「ザ・ペニンシュラ東京」の外観

本記事では、ザ・ペニンシュラ東京の最高のくつろぎを得られる客室と、各客室に備え付けられたサステナブルなアメニティ、館内アートに加えて、個性的なカクテル&モクテルの数々を楽しめる24階の「Peterバー」をご紹介します。

ゲストが快適に過ごせるサービスが追求された最上級のくつろぎ!「ザ・ペニンシュラ東京」客室レポート

スタンダードルームとして人気の高い「デラックスルーム」

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「デラックスルーム」

まずは54平方メートルの「デラックスルーム」を拝見しました。

スタンダードルームの中でも人気の高いデラックスルーム。日本旅館をイメージしていて、寝るスペース、食事するスペース、くつろげるリラックススペース、仕事や読書ができる書斎スペースと、それぞれ目的が異なる空間がしっかりと作られています。

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「デラックスルーム」

落ち着いた深みのあるアースカラーを基調としており、杉の皮を1枚1枚編んで作った網代天井やトチノキの一枚板の扉など、和の要素が効果的に取り入れられています。テレビボードそばの机は朱塗りの技法を使っていますが、かぶれてしまう人もいることから本物の漆ではなく、技法だけを取り入れているのだそう。

エアコンやテレビの音量調整、照明など、室内の電気機器に関するコントロールは「ベッドサイドコントロールパネル」に集約されているので、寝るタイミングであちこち移動する必要もなく、すべてベッドにいながら操作できるのも魅力。ゲストの快適性を追求するために、自社のテクノロジー開発部門をもつザ・ペニンシュラホテルズだからこその設計になっています。

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「デラックスルーム」のドレッシングルーム

洋服が多い方には特にうれしいのが、独立型のドレッシングルーム。広々としたスペースには大きな鏡とドレッサー、収納力抜群のクローゼットがあり、リビングスペースの邪魔をすることなく、荷物を広げたままにしておくことも可能です。特に荷物の多い海外観光客から好評なのだそう。

また、こちらにあるバレーボックスは部屋から出ることなくものの受け渡しができる場所となっていて、新聞やお水のデリバリー、ランドリーや靴磨きのサービスなどが受けられます。

ボックスの横には「バレーサービス」というボタンがあり、例えばランドリーを出す際には出したい洋服類をボックスに入れてボタンを押せば、係のスタッフに通知が行って、取りに来てくれるという仕組み。

とくに受け渡しのときに立ち合いが必要ないのでとても便利な上、プライバシーも守られるということで好評だそう。こちらもペニンシュラスタンダードとして、全世界のペニンシュラグループで採用されているサービスのひとつです。

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「デラックスルーム」のバスルーム

広々としたバルスームは、全客室ダブルシンクになっています。バスタブは温泉をイメージしたデザインになっていて、さまざまな操作はバスタブ横のパネルひとつでデジタルにコントロールできますが、お湯を沸かすと中央の大理石の蛇口からお湯が出てくるようになっていて、まさに温泉のような優雅なバスタイムを楽しめます。

モダンなデザインと和の伝統的要素が調和した「エグゼクティブスイート」

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「エグゼクティブスイート」

続いて拝見したのは、銀座方面の景色が楽しめるスイートルーム「エグゼクティブスイート」。広いリビングルームには、4名用のダイニングテーブル、ゆったりとしたソファやアームチェアが置かれています。日本らしさを感じる温かみのある色調で、リラックスした気分で過ごせる空間です。

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「エグゼクティブスイート」

こちらも和の要素を取り入れた現代的なデザイン。モダンなアートと大きなソファが配されたリビングスペースでは、まるで自宅にいるかのようにくつろげます。

ザ・ペニンシュラホテルズの始まりは、カドゥーリー家によるワンオーナーの家族経営のホテルで、目の行き届く範囲内でしか展開せず、ホテルのロケーションと客室内の快適さにトッププライオリティを置いているそう。

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「エグゼクティブスイート」のベッドルーム

エグゼクティブスイートは、リビングとベッドルームが分かれた作りです。こちらももちろん、広いドレッシングルームとダブルシンクのバスルームがあります。

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バスアメニティは2021年にリニューアル!サステナブルな製品作りにも注目

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バスアメニティ

“ホテルが建つ土地の文化や伝統を取り入れる”という、ザ・ペニンシュラホテルズ全体の経営哲学に基づき、2021年3月にリニューアルされた客室のバスアメニティも見逃せません。

リニューアルに際し、各都市にローカルのフレグランスキュレーターを起用し、それぞれ異なる香りのアメニティを提供。東京では、日本人調香師の大沢さとり氏の監修により、日本の自然と和のテイストを取り入れたザ・ペニンシュラ東京のイメージを香りで表現しています。

サンダルウッド(白檀)の甘いウッディな香り、柚子などのシトラス調の香り、スミレやアヤメなどのしとやかな香りがブレンドされた奥行きのある爽やかな香りが、バスタイムを優雅に彩ってくれます。

そして「持続可能なラグジュアリー」をテーマに掲げるザ・ペニンシュラホテルズでは、シャンプー、コンディショナー、シャワージェル、ボディミルクは、パラベン・シリコン・ラウリル硫酸ナトリウムなどの有害化学物質は使用せず、肌にも優しい天然成分を原料に作られています。

パッケージもアルミニウム、キャップは合金から作られていてもちろんリサイクル可能。99.9%プラスチックフリーを実現しています。

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アメニティ
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木製のアメニティ

また、歯ブラシや髭剃りの柄、ブラシやコームに至るまで木を使用。外箱は衛生と湿度を保つためのUVオイル配合の紙製で、シャワーキャップにはコーンスターチや小麦原料を使い、製品内中袋も廃止して、すべてプラスチック不使用となっています。

1,000点以上に及ぶ館内アートも楽しんで

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エレベーター前には四季を表現した西陣織のアートが

「ザ・ペニンシュラ東京」には、エントランスから入ってすぐのロビー中央に飾られた濱恵泉氏による印象的な竹のオブジェをはじめ、館内に1,000点以上のアート、デザイン作品が展示されています。作品を手掛けるアーティストの9割は日本人アーティストなのだとか。

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各階のエレベーター前の小窓からのぞくと不思議な光のアートが

客室のある8~23階部分、高さ70m・長さ13m・幅7mのアトリウム(吹き抜け)スペースに展示されているのは、国際的アーティストのベン・ヤコバー氏とヤニック・ヴウ氏による壮大なグラスファイバーとLED電球のアートオブジェ「ザ・ヴォイド」。

各階のエレベーターから降りて真正面にある3つの小窓から見える不思議な光の作品は、のぞく窓によっても、降り立った階によっても、見え方が変わります。このアートが何を表現しているのかという解釈は、作品を鑑賞したその人自身の感性にゆだねられているのだとか。

ぜひ館内を巡って、ホテルを彩るさまざまなアート作品を感じてください。

「Peterバー」で提供されているノンアルコールカクテルと「整うカクテル」を体験

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「Peterバー」のエントランス

オンライン旅行予約会社のエクスペディアグループが昨年行った2023年の旅行トレンドに関する調査によると、日本人旅行者の33%はウェルネストラベルに前向きだという回答が得られたそう。

ザ・ペニンシュラ東京でも、「ペニンシュラ・ウェルネス」として、ウェルビーイングをサポートするさまざまなプログラムを提供。24階に位置する「Peterバー」でも、健康や美容への意識が高いゲストにぴったりなオリジナルのカクテル、モクテルが登場しています。

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Peter バー

「Peterバー」は、ステーキ&グリル「Peter」に併設するバーで、ペニンシュラブランドのお酒や、ユニークなシグネチャーカクテル、ノンアルコールのセレクションなど、どんな方でも楽しめるラインナップが揃います。火曜日を除く平日は18:00から、土・日・祝日は15:00から営業しており、宿泊客はもちろんのこと、近隣のオフィスで働く方々が仕事帰りに立ち寄って一杯、という利用も多いのだそう。

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ステーキ&グリル「Peter」

バーの先には、気鋭のデザインチーム「ヤブ・プッシェルバーグ」が手掛けたコンテンポラリーな世界観のメインダイニング、ステーキ&グリル「Peter」が。窓に広がる東京のダイナミックな眺望を楽しみながら、最上級ステーキやシーフード、サイドディッシュなどをランチとディナーでいただくことができます。

ドレスコードもカジュアルなので、肩肘張らずに家族や恋人、気の置けない仲間たちと、くつろいで食事を楽しむことができます。

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ミクソロジストの鎌田真理氏

バーでは、ミクソロジー&バーマネージャーの鎌田真理氏にお話を伺いながら、2022年より季節ごとにメニューを変えて提供している和漢素材を用いた「整うカクテル」と、ノンアルコールセレクションの「ザ・ゼロプルーフ」をいただきました。

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整うカクテル「ふわふわ オレンジ アマレット サワー」¥2,800

最初の一杯は、通常のカクテルに漢方の素材を取り入れた「整うカクテル」。通常カクテルというとスパイスやハーブなどを使用しますが、こちらはその代わりに和漢素材を使用。コロナ禍の間に薬膳アドバイザーの資格を得たという鎌田氏が、漢方の先生の監修も受けながら、漢方の薬のような味わいではなく、カクテルとしておいしく仕上げたものです。

「ふわふわ オレンジ アマレット サワー」は、杏仁の種子で作ったリキュール・アマレットに陳皮と枳実みかんの皮と橘の実を漬け込んだキュラソーをあわせ、最後にオレンジの風味づけをした生クリームを浮かべた一杯。

オレンジのさわやかさとアマレットの甘さ、ふわふわでとろける生クリームの食感が相まってデザートのような味わい。おいしいだけでなく、身体にいいものだと思うとなんとなく罪悪感なく飲めてうれしくなります。漢方の味は苦手で…という方でも楽しめるカクテルです。

ほかにも、山梔子と蓮の葉を漬け込んだウォッカにトマトジュースやタバスコをあわせた辛口の「スパイシー ブラッディー マリー」(¥2,800)や、山査子を漬け込んだベリージュースに白桃ジュースとジンをあわせた甘口の「フレグランス ピンク レディ」(¥2,800)と、あわせて3種類あるので、お好みでお試しください。

「フレグランス ピンク レディ」は、ノンアルコールの用意もあるのだとか。

なお、こちらのカクテルは取材時(9月末)のもの。季節ごとにメニューが変わるため、お出かけの際は公式サイトでお確かめください。

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ザ・ゼロプルーフ「ベビー東京ジョー」¥2,050

そしてアルコールNG、もしくはお酒が飲めない状況でもバーを楽しみたい方におすすめなのが、ノンアルコールセレクション「ザ・ゼロプルーフ」。自身がアルコールを飲めないことから、Peterバーのオープン当初より多くのオリジナルモクテルを提供してきた鎌田氏が率いるバーチームが作り上げた「ザ・ゼロプルーフ」のメニューは、それぞれにストーリーを持つ繊細な味わいの約20種がラインナップ。

Peterバーのシグネチャーカクテル「東京ジョー」のノンアルコール版である「ベビー東京ジョー」を注文しました。ノンアルコールの梅酒をベースに、クランベリージュース、レモンジュース、シロップ、カルダモンを加えた一杯。甘みと酸味が調和してマイルドでさっぱりと飲みやすいカクテルです。

「東京ジョー」同様、ザ・ペニンシュラ東京のロビーにある千本格子をモチーフにした特注のグラスで提供されます。

お酒を飲みたいけれど健康も気になる方、アルコールは飲めないけれどバーは楽しみたい方。おいしいお酒を飲みたい方だけでなく、さまざまな方にオープンな「Peterバー」は、とても居心地のよい空間でした。

鎌田氏いわく「ホテルのバーは値段も明確に記載されているし、実はバー初心者の方でも意外と行きやすいんですよ」とのこと。バーデビューしたい方にもおすすめなので、宿泊する方もそうでない方も、ぜひ足を運んでみてくださいね。


ラグジュアリーな空間に快適性と利便性、サステナビリティを備えた「ザ・ペニンシュラ東京」。宿泊はもちろん、宿泊せずに楽しめるバーやレストランでのお食事でもそのエッセンスを感じることができます。

秋冬のご旅行や記念日の食事会など、ぜひ「ザ・ペニンシュラ東京」の真のおもてなしを体験してみてくださいね。

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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
小林麻美