「高尚」は品のよさや立派さ、志の高さを表す言葉です。あまり日常で耳にしない言葉だけに、軽い気持ちで使うと、相手に不快感を与えてしまうことも。今回は「高尚」の意味や使い方、皮肉に受け取られてしまう理由や英語表現について解説します。

【目次】

少々古風な響きの言葉です。
少々古風な響きの言葉ですが、「意識高い系」と同義で使われることも。

【「高尚」の「読み方」「意味」】

■読み方

「高尚」は「こうしょう」と読みます。

■意味

「学問・技芸・言行などの程度が高く上品なこと」、「志(こころざし)が気高く立派なこと」を指す言葉です。「高尚」の「尚」の訓読みは「たっとーぶ」「とうとーぶ」。「重んじる」という意味のほか、「格が高い」ことも表します。このことから、「高尚」な人は、「学問や技芸のレベルが高く上品、立派で気高い」人であり、周囲から尊敬されたり、尊重され重んじられる存在であることがわかります。


「使い方」がわかる「例文」

では「高尚」が実際にはどう使われているのかがよくわかる、例文をご紹介しましょう。

■1:「先生と呼ばれる人間が、すべて高尚な人物とは限らない」

■2:「趣味は華道と答えたほうが、フラワーアレンジメントというより、何となく高尚な印象になるから不思議だ」

■3:「彼の話は高尚すぎてついていけない」

■4:「俳句を嗜まれるとは、ずいぶんと高尚な趣味をおもちですね」

1と2は「高尚」が文字通り「上品」であるとか「格が高い」ことを表していますが、3と4の例文は、状況次第では微妙な反応と言えそうです。それはなぜなのか、考察してみましょう。


「高尚な人」と皮肉られてしまう人の「特長」

上記の例文3と4は、言葉通りに解釈すれば褒め言葉ですが、状況次第では皮肉や嫌味のニュアンスが込められているとも言えます。では、「高尚ですね」と皮肉られてしまう人は、どんなタイプの人なのでしょうか。

■発言が上から目線のことが多い

「上から目線」な発言や行為は、明らかなに「高尚」とはかけ離れた行為です。あえて品性に欠けた言動を「高尚過ぎて…」「随分と高尚だこと」などと評価することで、暗に非難、皮肉っていると言えるのです。

■自慢げな発言が多い

上品で志が高い「高尚な人」は、謙虚な人が多いもの。いかにも「自分はあなたたちよりも格が上である」ことを匂わせるような発言が多い人に対しても、「高尚」という言葉は皮肉や嫌味を込めて使われます。

■注意:皮肉でなくとも、そう受け取ってしまう人もいる

「高尚」という言葉は畏まった印象の言葉のため、軽い気持ちで使うと、相手に「皮肉」と受け取られてしまう可能性があります。例えば、上の例文の4が本心からの発言だったとしても、「私には俳句が高尚過ぎて似合わないってこと?」と解釈し「馬鹿にされた」と感じてしまうのです。気をつけましょう。


【「類語」「対義語」】

「高尚」の類語や対義語にはどんな言葉があるのでしょうか。

■「類語」

・上品

・気高い

・崇高

・尊い

■「対義語」

・低俗

・俗悪

・卑俗

・野卑

・下劣

・通俗

上記の言葉では、「低俗」がもっとも一般的に使われています。「低俗」「俗悪」「卑俗」「野卑」「下劣」は、ただ喜ばれることを目的としたもので、なんの価値もなく、低級である様子を指します。「通俗」も同様に、興味本位である様子を示しますが、専門的でなく、誰にでも分かりやすいことを表す言葉です。また、「卑俗」「野卑」は文章語です。


 「英語」で言うと?

「高尚」がぴったり当てはまる英単語はありませんが、似たような意味の言葉をいくつかご紹介しましょう。

・a sophisticated magazine(高尚な雑誌)

・have refined taste(高尚な趣味を持っている)

・a highbrow reader(高尚な読者)

a lofty aim(高尚な目的)

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「高尚」は「上品で立派。志が高い」といった意味をもつ言葉です。改まった印象の言葉ですから、連発したり軽い気持ちで使うと、相手に皮肉や嫌味と受け取られかねません。使う際には慎重さが求められる言葉のひとつです。

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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) /『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館) /『ランダムハウス英和大辞典』(小学館) :