【目次】
- 「前向きに検討」とはどういう意味?
- 「使い方」がわかる「例文」6選
- 「前向きに検討」を「敬語」にすると?
- 「前向きに検討」に近い表現と、意味の違い
- 「返信メール」はこう書くと好印象!
- 「英語」で「前向きに検討」はどう使う?
【「前向きに検討」とはどういう意味?】
「前向き」は、物事に対する姿勢が積極的、建設的である状態のこと。「前向きに考える」「前向きな態度」といった風に使います。「検討」は、よく調べ考えること、多角的に調べて良いか悪いかを考えること。「検討を重ねる」「検討の余地がある」「問題点を検討する」などと使いますね。
この二語による「前向きに検討」とは、提案や要望について、積極的・建設的な姿勢で、採否や実現の可否をよく考えることです。
ポジティブに捉えれば「検討の余地がある」ということですが、検討後に必ず承諾することを意味するわけではありません。ビジネスシーンでは、「返答を先延ばし、保留にしている」というややネガティブな要素を含む場合や直接的な拒絶を避けたりするために使われる場合もあります。プレゼンなど提案事項に対して「前向きに検討いたします」と言われたら、やきもきしますが、手をこまねいていても無駄な時間が過ぎるだけ。NGだった場合の次の手を準備するとか、ほかの業務に邁進するのが正解でしょう。
【「使い方」がわかる「例文」6選】
■1:新規プロジェクトの提案に
「秋の新規プロジェクトについて、実現可能性や費用対効果を確認したうえで、前向きに検討いたします」
■2:取引先からの企画提案に
「魅力的なご提案をありがとうございます。年末商戦に向けた施策のひとつとして、社内で前向きに検討いたします」
■3:勤務体制の見直しに
「柔軟な働き方を実現するため、来年度からの新たな勤務制度について前向きに検討してまいります」
■4:部下からの要望に
「研修への参加は今後のキャリアにも役立つと思います。業務との調整を含め、前向きに検討します」
■5:取引条件の変更依頼に
「ご提示いただいた条件については、秋以降の市場動向も踏まえ、前向きに検討させていただきます」
■6:相手に検討を依頼するときに
「来春の共同企画につきまして、前向きにご検討いただけますと幸いです」
【「前向きに検討」を「敬語」にすると?】
「前向きに検討」する側もしてもらう側も、適切な敬語表現はどのようになるでしょうか。
■「前向きに検討」をお願いする立場の敬語
・前向きにご検討くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします。
・前向きにご検討いただけますよう、切にお願い申し上げます。
・何卒前向きにご検討いただけますと幸いに存じます。
■「前向きに検討」をする立場の敬語
・前向きに検討いたします。
・社内で前向きに検討してまいります。
【「前向きに検討」に近い表現と、意味の違い】
「前向きに検討」には、検討する姿勢を示しながらも、承諾や実現を確約するものではないという特徴があります。言い換える際には、検討の積極性や目的、今後の対応など、相手に伝えたい内容に合わせて表現を選びましょう。
■積極的に検討いたします
「前向きに検討いたします」とほぼ同じ意味で使えますが、実現に向けて意欲的に取り組む姿勢を、より明確に伝える表現です。とはいえ、承諾や採用を確約するものではありません。
■実現に向けて検討いたします
「前向きに検討」よりも実現への期待を抱かせる表現なので、実現する可能性がある程度高い場合に適しています。実現が難しい状況で安易に使うと、相手に誤解を与えるおそれがあります。
■社内で慎重に検討いたします
「前向きに検討」のように積極的な姿勢を強調するものではなく、結論を出すまでに一定の手順や時間が必要であることを伝えられます。
■ご要望に沿えるよう検討いたします
「前向きに検討」よりも、相手への配慮や歩み寄る気持ちが伝わる表現です。ただし、「沿えるよう」は結果を保証する言葉ではないため、最終的に要望に応えられない可能性も含んでいます。
■検討のうえ、改めてご回答いたします
「前向きに検討」のように検討の方向性を示すのではなく、回答を保留し、後日あらためて連絡することに重点があります。可能であれば、「○月○日までに」など、回答予定日を添えると、より誠実な印象になります。
【「返信メール」はこう書くと好印象!】
「前向きに検討いたします」という内容のメールが届いた際の返信は、どんな言葉が好印象でしょうか。「前向き」に対しても「検討」に対しても礼を尽くしたいところですが、へりくだりすぎる必要はありません。
たとえば、「お手数をおかけいたしますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします」や「ご検討いただき、ありがとうございます。恐れ入りますが、○月○日ごろまでにご回答いただけますと幸いです」くらいでよいのでは? 過度にへりくだった返信や返答を催促するような表現は、かえって相手に負担を与えることもあります。簡潔に感謝を伝え、必要に応じて回答期限や次の手続きを確認するとよいでしょう。
なお、「お手数をおかけして恐縮です。よいお返事をお待ちしております」は採用・承諾を期待していることを直接示すため、相手にプレッシャーを与える場合があります。
【「英語」で「前向きに検討」はどう使う】
英語では、「前向き」という日本語を直訳するより、何をどのように検討するのかに応じて、consider や give .~serious consideration を使うのが自然です。
■We will carefully consider your proposal.
(ご提案を慎重に検討いたします)
積極的な姿勢や承諾を約束する表現ではなく、中立的に「十分に検討する」と伝えたいときに適しています。
■We will give your proposal serious consideration.
(ご提案を真摯に検討いたします)
give~ serious considerationで「〜を真剣に検討する」という意味です。相手の提案を軽く扱わず、重要なものとして検討する姿勢を伝えられます。
■We will consider your request with a view to making it happen.
実現に向けて、ご要望を検討いたします)
with a view to ...は、「〜を目的として」「〜することを視野に入れて」という意味です。単に検討するだけでなく、実現を目指す姿勢を示したい場合に使えます。
■We would appreciate your favorable consideration of our proposal.
(私どもの提案を前向きにご検討いただけますと幸いです)
favorable considerationには「好意的な検討」というニュアンスがあり、提案書や依頼状などに適しています。相手に前向きな検討を依頼する、丁寧でフォーマルな表現です。
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「前向きに検討」は、積極的に考える姿勢を示す一方、承諾や実現を確約する表現ではありません。使う側は回答の時期や今後の対応を添え、受け取る側は「決定」ではなく「検討段階」であることを理解しておくと、行き違いを防げます。
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- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『大人の語彙力大全』(KADOKAWA)/『大人なら知っておきたい モノの言い方サクッとノート』(永岡書店)/『ランダムハウス英和大辞典』(小学館) :

















