【目次】
【「吹聴」とは?「読み方」と「意味」】
■「読み方」
「吹聴」は「ふいちょう」と読みます。「吹」の音読みは「スイ」、音読みは「ふ-く」。「吹奏楽(すいそうがく)」といった使われ方をするため、「すいちょう」と誤読しがちな難読漢字です。ご注意を!
■「意味」
「人に言い広めること。言いふらすこと」を「吹聴」と言います。「吹」という文字には、「息を吐き出す」のほか、「大言を吐く(ものごとを誇張して言うこと。えらぶって大きいことを言うこと)」という意味があり、「ほらを吹く」「法外な値段を吹っかける」のように使われていますよ。
また、「吹聴」には「宣伝」や「披露」といった意味もあります。こちらにはネガティブなニュアンスは含まれませんが、現在ではこうした意味合いで使われることはあまりありませんね。
【「使い方」がわかる「例文」】
「吹聴」という熟語は、「何かを得意げにあちこち言い触らすこと」という意味があり、現在は他人の悪口を言いふらす、自分の利点を大げさに話すなど、基本的にネガティブなニュアンスで使われています。打ち合わせの時間など、実務的な内容を周知させる、というようなときには用いません。
■1:「A部長はライバルのB部長を貶めるため、根も葉もないデマを吹聴して回っているようだ」
■2:「B部長はA部長にデマを吹聴された結果、周囲の信頼を失う危機に陥っている」
■3:「昇進争いは、どうやらB部長に軍配があがったようだね。A部長は自分の昇進を吹聴してまわっているよ」
■4:「Cさんは自慢話を吹聴するのが趣味のようなものだから、黙って聞き流していればいいよ」
■NG:「社長が創立記念のイベントは〇月×日に決まったと社員に吹聴しています」
→■:「社長が創立記念のイベントは〇月×日に決まったと社員に通達しました」
【「類語」「言い換え」表現は?】
「吹聴する」という言葉にピンとこない人も多いかもしれません。臨機応変に使えるよう、言い換え表現も覚えておきましょう。
・言いふらす
・自慢して回る
・触れ回る
・流言(りゅうげん):根も葉もないうわさを言いふらすこと。また、そのうわさ。デマ。流説。
・喧伝(けんでん):盛んに言いはやしたり言い触らしたりすること。
・鳴り物入り:ものものしい大げさな宣伝のこと。
・流布(るふ):広く世間に行き渡ることを「流布」と言います。「妙なうわさが流布している」のように使われます。
【「英語」で言うと?】
「吹聴する」に相応する英語表現はいくつかあります。[spread]は、「(うわさや名声、ニュースなどを)広める」という意味をもった英単語。[boast]には「自慢して言いふらす」という意味が。また「噂話、陰口」を意味する[gossip]も「陰口を言ってまわる」という動詞としても使えますよ。
・The news was spread like wildfire.(そのニュースは瞬く間に広まった)
・He boasted to everyone about his son's success.(彼は得意げに息子の成功を皆に吹聴した)
・The whole school was gossiping about them.(学校中が彼らについてうわさていた)
・There has been much gossip about the possible reasons for his absence.
(彼の欠席理由については、たくさんのうわさが流れています)
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「吹聴」は「他人の悪いこと」を言いふらしたり、「自分の自慢話」を触れ回るときに使われる、ネガティブなニュアンスを含んだ日常語です。特にビジネスシーンでは、不確かな情報に関わるのは、信頼失墜の原因にもなりかねません。距離を置くことが、賢明な大人の判断ですね!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『プログレッシブ和英中辞典』(小学館) /『ランダムハウス英和大辞典』(小学館) /『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館) /『新選漢和辞典Web版』(小学館) /『角川類語新辞典』(角川書店) :