【目次】

【「聖パトリックの祝日」とは?「意味」など「概要」】

■「聖パトリックの祝日」とは?「意味」

「聖パトリックの祝日」は、キリスト教カトリック教会の祭日であり、アイルランド共和国のナショナルデー(国の記念日)です。5世紀にアイルランドにキリスト教を布教したアイルランドの守護聖人、聖パトリックの命日にちなんだ祝祭で、本国アイルランドで1200年以上にわたって祝われているほか、アイルランド移民の多い国や地域でも、盛大な行事が開催されています。

また、アメリカでも260年以上の歴史があり、近年ではアイルランドの文化を理解し楽しむ祭りとして世界各地に広がりつつあるようです。

■「いつ」?

「聖パトリックの祝日」は3月17日です。日本では「聖パトリックの祝日」以外に、「セント・パトリックス・デー」と呼ばれています。[パトリック]は英語読みで、ラテン語読みでは[パトリキウス]、ケルト語に起源をもつアイルランド語では[ポーリク]など発音されているようです。

■「起源」は?

聖パトリックはアイルランドの守護聖人で、4世紀末にウェールズのケルト系クリスチャンの両親の元に生まれ、若いころにアイルランドの海賊にさらわれて、奴隷として苦しい時期を過ごしたという経験をもっています。そんななか、神の啓示を受け、脱走したのちにヨーロッパ大陸に渡り神学を学ぶと、「自分を虐待したアイルランド人にキリスト教を伝道する使命を与えられた」と語り、アイルランドに渡りました。

そして、キリスト教の布教に努め、アイルランド各地に教会や修道院を建設し、多くの人々にキリスト教を広めたと伝えられています。3月17日は聖パトリックの命日なのです。


【なぜ「緑」?】

「聖パトリックデー」のシンボルカラーは「緑」。その理由は諸説あります。美しい緑の風景にちなみ、アイルランドが「エメラルドの島」と呼ばれていることに由来するという説、かつて聖パトリックが三位一体を説いた際、手に[シャムロック]と呼ばれる三つ葉のクローバーをもっていたことに由来するという説、などが有名です。


【「聖パトリックの祝日」には何をする?】

■「現地アイルランド」の様子

何世紀も前から、アイルランドでは聖パトリックを祝う伝統行事がありました。イギリスからの独立後、正式な国の祭礼日として徐々に大規模化し、現在ではアイルランドの全域で「聖パトリックデー」のイベントが盛大に催されています。

例えば、アイルランドの首都ダブリンでは、数日間に渡ってフェスティバルやパレードが行われています。かつては宗教的な色彩の濃い厳かな祝日だったようですが、現在ではクリスマスやハロウィン同様、誰もが楽しめるお祭りとなっています。

三つ葉のクローバー[シャムロック]はアイルランドの国花です。「シンボルカラーである緑色の物を身につけていると幸せになれる」という言い伝えから、人々は緑の服を着てミサに行き、緑の食べ物を食べ、緑のビール(アイルランドですから、当然「ギネスビール」です)を飲むのが習わし。街中に緑の旗やペインティングが施され、街は緑色1色に染まります。そのため、この日は別名「緑の日」とも呼ばれていますよ。

■世界の「聖パトリックデー」

アイルランドだけではなく、アイルランド移民の多い国や地域では、「聖パトリックデー」を祝うイベントが開催されています。

例えばアメリカでは、東海岸地域、特にニューヨークやボストンなどといった大都市を中心に大規模なイベントが定着しています。シカゴでは、川を塗料で緑色に染め上げるのが有名。また、ボストンの野球チームであるボストンレッドソックスは、この日ばかりはチームカラーである赤を脱ぎ捨て、緑色のユニフォームとキャップを使用することも知られています。

ニューヨークやダブリンに次ぐ大規模なイベントが開催されるのが、イギリスのバーミンガム。ニュージーランド・オークランドではスカイタワーが緑に変わり、オーストラリア・シドニーのオペラハウスのイルミネーションも緑に変更されますよ。アイルランドを象徴する緑をまとうことで、世界各国のアイルランド人が、心をひとつにするのでしょう。


【「日本」でのイベントは?】

日本では、アイリッシュ・ネットワーク・ジャパンによって、毎年「セント・パトリックス・デー・パレード」が開催されています。実は、東京・表参道で開催される『セントパトリックスデーパレード東京』は、アジアでのなかで最も長い歴史をもち、最大規模を誇るイベント。毎年、明るく活気に満ちたパレードの参加者たちが、数千人の観客を楽しませています。

そして2025年も、デミアン・コール駐日アイルランド大使が、今年日本で開催されるセント・パトリックス・デー関連イベントを発表しました! 東京・表参道では、3月16日(日)13時から「第30回 セントパトリックスデーパレード東京」が開催され、明るく活気に満ちたパレードの参加者たちが、数千人の観客を楽しませます。

また、前日の3月15日(土)14時から、「セントパトリックデーパレード横浜元町」では、マーチングバンド、ミュージシャン、ダンサー、そしてアイルランドをテーマにした多くのグループが、緑のコスチュームに身を包んで集合しますよ。このほか、北は北海道から南は熊本まで、今年も日本各地で数々のパレードやイベントが予定されています。

■2025年、今後のセント・パトリックス・デー関連のイベントスケジュール

3月15日(土)
 第19回セントパトリックデーパレード横浜元町(神奈川県横浜市)
 グリーンフェスティバル豊川2025 セント・パトリックスデー(愛知県豊川市)
 第29回エメラルドボール~チャリティ晩餐会~(東京都港区)
3月15日(土)~16日(日)
 グリーン アイルランド フェスティバル 2025(東京都渋谷区)
3月16日(日)
 第30回 セントパトリックスデーパレード東京(東京都・原宿表参道)
 セント・パトリックスデー・ケーリー(東京都世田谷区)
 セント・パトリックス・デーパレード in 福岡(福岡県福岡市)
3月20日(木・祝)
 アイルランドフェスティバル in 大阪 2025(大阪府大阪市)
3月21日(金)~22日(土)
 Irish Studies in Asia - Kobe 2025(兵庫県神戸市)
3月22日(土)
 アイルランドフェスティバル2025 in いわてまち(岩手県岩手郡岩手町)
 セントパトリックデー名古屋2025年(愛知県名古屋市)
 セントパトリックスデーパレード 松本(長野県松本市)
 St. Patrick's Day in Kobe 2025 アイルランドフェスティバル(兵庫県神戸市)
3月23日(日)
 ふくいパトリックスデー(福井県福井市)
3月29日(土)
 St. Patrick's Day in Sapporo(北海道札幌市)
 Ireland Festival in HIROSHIMA 2025(広島県広島市)
3月29日(土)~30日(日)
 鈴与・セントパトリックグリーンDAYS(静岡県袋井市)
4月5日(土)
 伊達なアイルランド祭り 2025(宮城県仙台市)
4月19日(土)~20日(日)
 オバッタベッタ・グリーン・デイズ2025(愛知県名古屋市)
4月26日(土)~27日(日)
 トナリノ・グリーン・フェス2025(愛知県名古屋市)
※掲載イベントのほかに、北海道紋別郡遠軽町、香川県仲多度郡まんのう町などでもイベントが予定されています。
また、3月17日(月)には岡山県岡山市にある岡山城、3月29日(土)は北海道札幌市のさっぽろテレビ塔、4月5日(土)は宮城県仙台市にある伊達政宗公騎馬像がグリーンにライトアップされます。

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「聖パトリックデー」は「みどりの日」とも呼ばれるアイルランド共和国の祝祭日です。日本各地でさまざまなイベントが開催され、パレードのなかには、スマートで美しい赤毛がトレードマークの犬、アイリッシュ・セッターの姿が見られますよ! あなたも何か緑のアイテムを身につけて、参加してみてはいかがでしょう。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:アイルランド大使館プレスリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000017681.html#) :