賢者のキーワードと共に読み解く【この先20年を美しく過ごす、エンパワリング・ビューティ】

アンチエイジングという言葉が盛んに美容ページで取り上げられ始めたのは『Precious』が創刊した20年前のこと。当時は溢れ返るスキンケアコスメの情報に振り回されていました。そんな時代を乗り越えた今、若返りではなく、美しさを積み上げていくために“若さ”の代わりに何を増やすべきか。

若さ以上に価値がある知性ある美容の本質を4つのキーワードと共に、改めて肌と心に届けます。

Precious Beautyを支える美容賢者からの、これからの20年を美しくたおやかに生き抜くためのメッセージ

『Precious』専属モデルの真樹麗子さん
 

創刊以来、多くの美容記事で目指すべき美容のあり方を提言してきた美容賢者たち。ときに厳しく、ときに優しく。ポジティブに未来を見つめるメッセージに新たな美の想像力がかき立てられます。

「年齢を重ねることをネガティブに感じないのは、スキンケアの進化速度が私たちの老いより早いから」近藤須雅子さん(ビューティ エディター)

10代の頃の私は、今の年齢になれば、すっかりしわくちゃのオバサンだと思い込んでいました。おあいにくさま。シワもシミもあるけれど想像していたほどではないし、これから急速に増える気配もありません。これは生活環境や食生活も関係しているだろうけれど、やはり優秀化粧品のおかげ。

そんな実感から「今の化粧品は20年前と比べてスマホと黒電話くらい進化してますよね」と言ったら、化粧品開発のスペシャリストの回答は「そろばんとスーパーコンピューターくらい違います」でした。たとえば保湿製品の開発でも、かつては “保湿力に定評のある成分を実際に塗ってみて効果を確認” という超アナログな手順だったのが、今では “保湿に関わる遺伝子が活性化するのを確認して” と進化し、分析の正確さもレシピの精度も開発速度も桁違いだというのです。

年齢を重ねれば避けられない宿命と考えられていたシミやシワも、現在は “蓄積された肌ダメージが要因” で、十分予防可能という見解が主流に。過去のダメージさえ修復してくれる化粧品がこの20年間に次々と完成しています。「トシをとるのなんて怖くない」と笑っていられるのも、やっぱりそんな優秀化粧品のおかげです。

「実年齢と見た目年齢はまったく一致しない時代が到来」柳田美由紀さん(ビューティ エディター)

コペルニクス的大転換が起きた20年でした。老化の要因が次々と解明され、化粧品は化粧品の域を超えたに等しい手応えを実証。美容医療は、照射や注入など負担が少ない治療が普及し、限られた人たちのものではなくなりました。

再生医療の研究が進むこれからの20年では、これまでのように肌や顔貌を若々しく見せるだけでなく、体の内側の細胞レベルで真の意味で若返らせる治療すらも、身近になってくるでしょう。

化粧品と医療を上手に取り入れれば、理想の自分を自由にプロデュースできる…、こんな素敵な環境になるだなんて、20年前には想像もしていませんでした。この時代を生きる私たちは、幸せです。

「アンチエイジングを超える『アクティブエイジング』が未来のテーマ。年齢枠を超え、いつまでも躍動し輝き続ける肌へ」松澤章子さん(ビューティ ディレクター)

20年間にわたるラグジュアリーコスメの進化が私たちの肌にもたらしたもの。それは、はっきりと目で捉えることができる “輝き” でした。

セレブリティという輝かしい存在がブームとなった2000年代の幕開けから、女性たちはあらゆる分野で輝きという新たな価値観を追求します。スキンケアでは美白熱が加速する一方、肌は白いだけではなく、透明感と輝きがあってこそ美しいのだという意識へシフトしたのも象徴的。

輝きは細胞そのものが生命力に溢れていることの証であり、どんな環境下にあっても生き生きと躍動するアクティブな肌。それを指標に研究が進むコスメと共に歩んできたことは幸いであり、さらに歩みを止めないことが私たちにとっての明るい未来です。なぜなら輝きとは若い肌だけの特権ではなく、年齢を超えて育み増やしていくことのできる持続可能な美しさなのだから。

「心の声に耳を傾けるビューティの時代へ。感性を磨き、自分らしい持続可能な美しさを」安倍佐和子さん(ビューティ エディター)

年齢を重ねるスピードを超えて、進化し続けるスキンサイエンスのおかげで、美しい肌の寿命を無理なく延ばすことができるようになりました。それでもまだ賢く抗いきれていないのが、この20年で大きく変化した、デジタルデバイスにさらされ続ける目元環境でしょう。デジタル化が進むライフスタイルのなかで、目元のエイジングケアは、今まで以上に真剣に対峙すべきキーワードになりそうです。

逆に大きく期待していいのが、ホリスティックビューティの可能性です。ニューロサイエンス(脳神経科学)や感性科学研究の進化によって、気持ちいい、芳しいと感じるお手入れが、健やかな美しさを育んでいたことが証明されました。

この春、目に見えない量子力学を応用した化粧品も誕生。この先にあるのは、波動やスーパーソニックの分野まで含めた先進科学とホリスティックが拮抗する未来予想図です。美しさとは健やかさ。その真価を両面から丁寧にひも解いていく時代になるのでは、と、今から心躍らせています。


【Precious Beauty】20年の歴史をプレイバッグ

プレシャス・ビューティがどのような歴史を紡いできたのかを、創刊号から回顧。この20年の時代背景と化粧品の進化が如実に現れた名企画の数々をご覧あれ!

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左:2004年4月号  撮影/池田 保、右:2005年11月号  撮影/中村カズ

◇写真左/2004年4月号 「いくつになっても肌がキレイな人って何が違うんだろう」

創刊号ではヘア&メイクの藤原美智子さんと女優の山咲千里さんの対談からスタート。スキンケアはお悩み別ではなくアイテム切りでご紹介。

◇写真右/2005年11月号「あの伝説の顔筋エクササイズでたるみが消えた!顔が若返った!」

「造顔マッサージ」で一世を風靡した田中宥久子さんのDVD付きの特集は話題に。そのほか田中さんが読者を変身させる連載も好評でした。

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上:2006年6月号  撮影/鈴木 宏、下:2010年5月号  撮影/中村カズ

◇写真上/2006年6月号「もう、ほうれい線で悩まない!」

この頃から具体的な大人の肌悩みを解消するスキンケア特集が組まれるように。老化のメカニズムも徐々に明らかになり、コスメの機能もUP。

◇写真下/2010年5月号「超速効! 老け肌解消ベースメーク術」

大人気のヘア&メイク藤原美智子さんによるベースメイクテクニックをDVD付きで特集。この頃はまだ塗り重ねてカバーするのが主流でした。

◇2016年10月号「目から鱗の『下まぶたメーク』術」

雑誌『Precious』2016年10月号
2016年10月号  撮影/鈴木 宏

囲み目ブームが去り無法地帯だった下まぶたにも色をのせる下まぶたメイクを提案。目力アップ、リフトアップ効果など大人にうれしい効果が。

◇2018年5月号「『老け目元』の若返りは『くま退治』しかない!」

雑誌『Precious』2018年5月号
2018年5月号  撮影/鈴木 宏

急速に進むデジタル化により、目元の悩みが深刻になり、アイケア特集が急増。シワやたるみと並んで大人の女性を悩ませるくま撃退法を紹介。

◇2020年1月号「プロの(秘)ワザを自宅でレッスン 老けない女の『おこもり美容』」

雑誌『Precious』2020年1月号
2020年1月号  撮影/鈴木 宏

年末年始を自宅で有意義に過ごすための「おこもり美容」を提案。奇しくもそのあとに続いた “ステイホーム” 推奨期間にも役立つことに…。

◇2021年3月号「こすれても、くずれてもキレイ! 掟破りの『薄塗り美肌』始めます」

雑誌『Precious』2021年3月号
2021年3月号  撮影/鈴木 宏

スキンケア、ベースメイクの目まぐるしい進化によって、塗り重ねてカバーする時代が終わり、薄塗りでナチュラルな美肌を演出する時代へ。

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PHOTO :
鈴木 宏
HAIR MAKE :
ヘア/橋本沙耶、メイク/AIKO ONO
MODEL :
真樹麗子(Precious専属) 
EDIT&WRITING :
新田晃代、五十嵐享子(Precious)