映画プロデューサーで、小説家としても数々の感動作を生み出してきた川村元気さんの小説『四月になれば彼女は』(文春文庫)を原作に生まれた同名映画が、2024年3月22日(金)より公開中。
ウユニ、プラハ、アイスランド、東京――世界の美しい風景と共に純愛の物語が紡がれる本作は、藤井風さんが主題歌『満ちていく』を提供し、その映像美と切なさが迫る予告が話題に。主人公の精神科医・藤代俊を佐藤健さん、そして、結婚を直前に控えて謎の失踪を遂げる藤代の婚約者・坂本弥生を長澤まさみさん、藤代のかつての恋人を森七菜さんが演じています。
10年にわたる愛と別れを、壮大なスケールで描く本作に出演する長澤さんに、お話をうかがいました。
「疑問や不安をそのままにせず、お互いに理解しようとする姿勢をもっていたい」
「大人になると、自分の幸せをどこまで他人に求めていいのか考えます。ひとりでできることも増えていき、それは自分で掴み取るべきものなのではないかと。男女の関係性も時代と共に変わり、より対等になっていて。幸せになる方法はなんだろうと、自ら見つけ出すことが重要なテーマなのかなと思います。恋人同士であれば、ひとりよがりな「解」を探すのではなく、どう擦り合わせていくかも大切ですよね」
【俳優・長澤まさみさんインタビューVol.01】映画『四月になれば彼女は』に思う、“愛を終わらせない方法”
「『すみません』ではなく、『ありがとう』で応えたい」
「大事な人には『あなたのこういうところがいいよね!』と伝えたいですし、仕事では『すみません』ではなく『ありがとう』で応えたいなと思っています。というのも、私たち俳優は色んな方に準備していただいて説明や指示を受ける職業で、以前はその都度『すみません!』と答えていたんです。でも、日に何度もそんなやりとりをくり返すうちに、なんだか心が痩せていく気がして。肩がぶつかった時などはもちろん謝るのですが、『ありがとう』で乗り切ることのできる障害やアクシデントなのであれば、感謝に変換するように意識しています。
ちょっとした言葉の選び方で気持ちも変わりますし、周りにもいい影響があるのではないかと。自分の体に対しても、「今日も一日頑張ってくれてありがとう」「最高だよ!」と褒めるようにしているんですよ(笑)」
【俳優・長澤まさみさんインタビューVol.02】同じ気持ちで作品づくりに向き合えたら、すごく嬉しい
「自分の代わりはいない、と胸に刻んで準備を」
「自分の力を最大限出せるような状態は、やっぱり空間づくりからだと思っていて。イメージすることを大事にしています。撮影するシーンの仕上がりや、自分の芝居の具体的な動きを、事前にしっかりとイメージして取り組むことで、安心して存分に発揮できる気がしますね。
“ゼロから形づくるには、イメージが重要”というのは、趣味である陶芸の師匠に教わったことでもあるんです。演技においても、人生においても同じだと感じています。」
【俳優・長澤まさみさんインタビューVol.03】演技でも人生でも、イメージすることで安心して力を発揮できる
■映画『四月になれば彼女は』全国東宝系にて公開中!
【ストーリー】
精神科医の藤代俊(佐藤健)のもとに、かつての恋人で世界中を旅する伊予田春(森七菜)から手紙が届く。“天空の鏡”と呼ばれるウユニ塩湖からの手紙には、10年前の初恋の記憶が書かれていた。時を同じくして藤代は、婚約者の坂本弥生(長澤まさみ)と結婚の準備を進めていた。しかしある日突然、弥生は失踪してしまう。彼女が残したのは、「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」という謎かけ。春はなぜ手紙を送り、弥生はどこに消えたのか。ふたつの謎は徐々に絡み合い、やがてつながっていく。
「あれほど永遠だと思っていた愛や恋も、なぜ、やがては消えていってしまうのだろう」。愛する人の真実の姿とは――。ウユニ、プラハ、アイスランド、東京と世界の絶景と共に浮かび上がってくるのは、美しいだけではない人間の深淵。生きること、誰かを愛すること、その痛みさえ照らす純愛映画。
原作:川村元気「四月なれば彼女は」(文春文庫)
監督:山田智和
脚本:木戸雄一郎 山田智和 川村元気
撮影:今村圭佑
音楽:小林武史
出演:佐藤健 長澤まさみ 森七菜
仲野太賀 中島歩 河合優実 ともさかりえ
竹野内豊
主題歌:藤井 風「満ちてゆく」(HEHN RECORDS / UNIVERSAL SIGMA)
制作プロダクション:AOI Pro.
配給:東宝
(C)2024「四月になれば彼女は」製作委員会
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 黒沼 諭(aosora)
- STYLIST :
- 仙波レナ
- EDIT :
- 福本絵里香(Precious)
- 取材・文 :
- 佐藤久美子