「今年の父の日、いつだった?」「おとうさんが何を喜ぶのかわからない…」と、毎年、同じことを思っていませんか? 「父の日」は日付が固定されていないので覚えにくいうえに、どうも「母の日」と比べて印象が薄い気がしますよね。今回は「父の日」について、その由来や意味、雑学ネタを解説します!
【目次】
【「父の日」とは?「意味」や「由来」を知りたい!】
■「父の日」はいつ?
「父の日」は毎年6月の第3日曜日です。
■「意味」
「父の日」は、普段は存在のありがたみを忘れられがちな「おとうさんの労苦や慈愛を讃え、感謝を表す日」です。ぜひ、おとうさんに「ありがとう」を伝えましょう。
■「由来」
「父の日」は、1909年、アメリカ・ワシントン州に暮らすジョン・ブルース・ドット夫人が、男手ひとつで育ててくれた父のために「父の日」の創設を『牧師協会』へ嘆願をしたことが起源とされています。その7年後の1916年、アメリカ合衆国第28代大統領ウイルソン氏のときに「父の日」が認知され、1972年にアメリカで国民の祝日に制定されました。
【「2024年の父の日」は「いつ」?】
「父の日」は6月の第3日曜日と決まっていますので、毎年必ず、6月15日から21日の期間で移動します。2024年は6月16日(日)ですよ! そして今後5年の「父の日」は以下の通り。
2025年 … 6月15日(日)
2026年 … 6月21日(日)
2027年 … 6月20日(日)
2028年 … 6月18日(日)
2029年 … 6月17日(日)
【60代、70代のおとうさんに贈る「おすすめ」は?】
アメリカでは、「父の日」設立の立役者だったドット夫人が、父親の墓前に白いバラを供えたことから、「父の日」にはバラを贈り、黄色いハンカチやスポーツシャツをプレゼントすることが多いようです。一方で、日本では一般的に、父の日には「黄色いバラ」や「ひまわり」など黄色い花を贈るのが人気です。これは1981年に設立された「FDC 日本ファーザーズ・デイ委員会※」が、「イエローリボンキャンペーン」を提唱した際、父の日のシンボルカラーとして「うれしさ」「楽しさ」「暖かさ」「幸せ」「富貴」「希望」「向上」といった意味をもつ黄色を選んだためです。「黄色いリボン」は「父の日」の国際的なシンボルになっています。とはいえ、母の日に比べるとなぜか印象の薄い「父の日」。何を贈ったらよいか決めにくい、花を贈ってもあまり喜ばれない、などが理由としてありそうですが、大切なのは感謝の気持ち。花にこだわらず、おとうさんへのプレゼントは自分が贈りたいもの、本人が好きなものを贈りましょう。ここでは人気アイテムをご紹介します。(※「FDC 日本ファーザーズ・デイ委員会」については後述)
■人気第1位は「お酒」
「正直言って父親の好きなものがわからない」人でも、お酒を嗜むおとうさんなら外れがないのがアルコール。ビール?日本酒?バーボン? このあたりは本人やおかあさんに探りを入れてみるのもよいかもしれません。グラスやチョコなどの高級おつまみとのセットで贈るのも人気です。
■「グルメセット」は鉄板
ゴージャスなお肉や鰻、海鮮など、日常よりワンランク上のグルメな食材をプレゼント。料理が得意なおとうさんでない限り、焼くだけ、温めるだけ、あるいはそのままで食せるイージークッキングのセットものがおすすめ。「好物の伊勢海老を贈ったら、食べるのに母がさばいて調理しなければいけなくなって、母からクレームが入った」という方もいましたよ。
■「健康・リラックス」グッズ
「父親世代のファッションアイテムは謎の領域」な人は多いもの。「おしゃれに着こなしてほしいと思って奮発して妹とお金を出し合ってブランドもののニットを贈ったけれど、家族の会食のときに1回着てくれただけで、その後、着ているところを見たことがない。好みでなかったのだと思う」というエピソードも。一方、マッサージ器やパジャマ、枕など、実用を兼ねたリラックスグッズならば、贈ったあとの親子の会話も盛り上がるようです。
【「父の日」にまつわる「雑学」】
最後に「父の日」にまつわる雑学をご紹介します。
■「父の日」誕生にまつわるエピソードは?
上述の通り、ドット夫人が牧師協会へ「父の日」設立の嘆願書を出したのは、1909年。これは、その前年に「母の日」ができた(正式に祝日として認定されたのは1914年)ことを知った彼女が「母の日があって父の日がないのはおかしい」と考えたからだそうです。そこには深い事情がありました。ドット夫人が子どもだったころ、彼女のお父さんは軍人でした。1861年に南北戦争が起こり、お母さんは夫の留守中、女手ひとつで働きながら一家を支えていましたが、体をこわしてしまい、お父さんの復員後、間もなく亡くなってしまいました。残された子どもたちは、男の子5人と女の子が1人。ドット夫人はその6人兄弟の末っ子。お父さんは生涯独身で働き通し、6人の子どもたちを育て上げました。今日のような豊かなアメリカではなく、「悲劇の時代」とも言われていたころのアメリカでしたから、その苦労は大変だったことでしょう。そんな「父親を尊敬し、称え祝う」日。それがドット夫人が設立を望んだ「父の日」でした。
■日本にはいつ伝わった?
日本では「海外には“父の日”という記念日がある」ということが1950年代ごろから知られていたようですが、「父の日」を祝う、という習慣は浸透していませんでした。その後、1980年、当時「日本メンズファッション協会理事長」だった伊藤恭一氏が、ニューヨーク・サンモリッツホテルで開催された国際会議に出席した際、アメリカで開催されている「Father’s Day Campaign」の素晴らしさに感銘を受け、帰国後に「FDC 日本ファーザーズ・デイ委員会」を結成しました。「FDC 日本ファーザーズ・デイ委員会」は「父の日」を国民的な社会行事に発展・定着させることを目的に、現在も活動を続けています。
■「父の日」を英語で言うと?「母の日」は?
「父の日」は[Father's Day]。となれば当然、母の日は「Mother's Day」ですね。
■世界の「父の日」は?
父の日は世界各地にあり、日本、カナダ、イギリス、フランスなどがアメリカと同じ6月の第3日曜日。リトアニアは6月の第1日曜日、オーストリアは6月の第2日曜日、台湾では8月8日が父の日とされています。
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5月第2日曜日の「母の日」が終わると、あっという間に「父の日」がやってきます。毎年、何を贈ろうか頭を悩ませる人も多いようですが、「うちは毎年、神戸牛のステーキ」などと、「定番」を決めてしまうのも手。でも、プレゼントも嬉しいものですが、いちばんなのは、父子でゆっくり語り合いながら過ごす、その時間なのかもしれません。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『プログレッシブ和英中辞典』(小学館) /『12か月のきまりごと歳時記(現代用語の基礎知識2008年版付録)』(自由国民社) /日本ファーザーズ・デイ委員会(FDC)(https://fdc.gr.jp/about-fdc/ ) :