「福音」ってなんと読む?「ふくおん」ではないですよ!
明日・6月12日は『バザー記念日』です。1884(明治17)年のこの日、鹿鳴館で日本初のバザーと言われる「第1回婦人慈善市」が開催されたことに由来します。当時の上流階級の女性たちが手工芸品を持ち寄って販売したこのバザーは、3日間の開催で12000人もの入場者があり、第2回目と併せた収益金が、当時の有志共立東京病院(現在の東京慈恵会医科大学付属病院の前身)に寄付されたことにより、日本初の看護学校が設立されたそうです。たいへん大規模なバザーだったのですね。バザーは、その販売利益の寄付を目的とした福祉的な資金調達…ということで、本日は「福」「益」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「福音」ってなんと読む?
「福音」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「喜びを伝える知らせ」という意味の言葉で、「イエス・キリストによってもたらされた人類の救いと、神からのよい知らせ」という意味でも使われます。
<使用例>
「彼は今回は、福音をもたらす使者だったわけね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 福音(ふくいん) です。
「福音書(ふくいんしょ)」と言えば、キリスト教の新約聖書にある、「キリストの生涯およびその言行を内容とした、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネによる4つの文書」を指します。キリスト教関連以外でも「福音(ふくいん)」としか読みませんので、誤読にご注意ください。
さて、2問目は「益」という字の入ったクイズです。
【問題2】「益体」ってなんと読む?
「益体」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「役に立つこと。また、きちんと整っていること」「役に立たないこと」と、両極端な2通りの意味で使われる言葉です。
<使用例>
「こんな益体もない話をお耳に入れてしまい、大変恐縮です」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 益体(やくたい) です。
「益体(やくたい)」という言葉は、字の構成からしても、もとは「役に立つこと」を意味しているのですが、「益体(やくたい)もない」また「益体無し(やくたいなし)」など、否定とセットで使われる例がたいへん多いため、「益体無し(やくたいな-し)」の略語として「役に立たない」という意味でも使われる慣例になった…という、特殊な背景をもつ言葉です。「益体ない」や「益体もない」という表現は、大人の会話でもしばしば耳にしますね。「益体(やくたい)」だけでも、否定形の略語として使われることがある、という知識を覚えておきましょう。「役に立たない」という意味の略語として使われるケースでは、「まったく、益体(やくたい)な…。=本当に、役に立たないな」などの言い回しをします。
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本日は、6月12日『バザー記念日』にちなんで、
・福音(ふくいん)
・益体(やくたい)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/秩父新報ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱