【目次】
- 「焼き肉の日」とは? 制定の由来と8月29日になった理由
- 焼肉はいつから食べられている? 日本の焼肉文化と歴史をたどる
- 焼肉にはどんな部位がある? 定番から希少部位まで特徴を紹介
- 焼肉とバーベキューの違いとは? 調理方法や楽しみ方を比較
- 「焼き肉の日」に知っておきたい豆知識|「焼肉」と「焼肉」の表記の違いやタレの歴史も紹介
【「焼き肉の日」とは? 制定の由来と8月29日になった理由】
■「焼き肉の日」は「いつ」、「誰が」決めたの?
8月29日は「焼き肉の日」です。焼肉店を運営する企業などで構成される事業協同組合 全国焼肉協会(JY)によって制定されました。同協会は1998年に、事業協同組合として農林水産省の認可を受けています。
■「目的」は?
残暑厳しく、夏バテぎみのこの時期、8月29日をきっかけに、焼肉に親しんでもらおうというという日です。
■なぜ8月29日?
日付の由来は…おわかりですよね? そう、「や(8)・き・に(2)・く(9)」の語呂合わせです。
【焼肉はいつから食べられている? 日本の焼肉文化と歴史をたどる】
■日本人と肉食、獣肉食の忌避は建前だった!?
遥か昔の旧石器時代から、日本人は大陸から渡ってきたとみられる大型動物の肉を食べていました。ヒグマやニホンジカ、イノシシ、鳥類は案外身近な食糧であり、骨を道具として使ったりも。天武天皇4(67)年の肉食禁止令時代も、キジやカモは禁止対象からは外れたご馳走だったようです。
江戸時代の江戸の町には、武士を相手にした鳥獣肉の料理屋も出現。捕獲できる獣や鳥、あるいは牛や馬といった家畜の肉は、貴重なたんぱく源だったのです。
仏教の規律から肉食を避けたり、農耕にとって欠かせない家畜を食べることを受け入れられない人がいても、あるいは公の席で供されることはなくても、日本人はずっと獣肉を食べてきたといってもいいでしょう。
■魚も肉も伝統的に「直火焼き」
鍋などの道具を使わない直火焼きを好んだ日本人は、魚でも肉でも直火で焼いて食していました。魚が捕れれば焼き、獣肉が手に入れば焼く…。現在の「焼肉」という食文化が成立したのは戦後ですが「肉を火で焼いて食べる」という行為は「太古の昔から」親しまれていました。
■串刺しにして焼く「朝鮮焼き」
江戸時代になると、従来の焼肉ではなく外来の焼肉も伝来。朝鮮通信使が好む食べ物として「朝鮮焼」を挙げ、「薄く切った獣肉を串に刺し、油や醤油をぬって炙り、胡椒を少々振る」といった記述が残っています。のちの料理書『料理珍味集』(1764年)に記されている「朝鮮焼」は、生の鯛を醬油に漬け込んでから焼く料理。ほかにも、「豚肉の朝鮮焼」や「牛肉の朝鮮焼」の調理法を記載した書物もあり、いずれも醤油やみりんに漬け込んでから焼く料理です。「たれをつけて焼く」という、現代の焼肉のスタイルの元祖なのかもしれません。
■文明開化で「ステーキ」が上陸
明治初期になると政府は肉食や畜産を奨励し、牛鍋などの肉料理が都市部を中心に広まっていきました。 これは、西洋の強国に負けない体格向上が目的のひとつだったとか。明治時代の西洋化は料理にも著しく、特に西洋料理への関心・情熱は高かったようです。牛肉や豚肉を油脂を敷いた鉄板の上で焼くステーキもそのひとつ。網の上で直火焼きにし、塩やバターを塗って遠火で炙ってから切り分ける「網焼き(直火焼き)ステーキ」にアレンジしたり、味噌や醤油で調味することもありました。
■卓上で自ら焼く現代の焼肉スタイル
店でも家庭でも、下地(下味)のついた生肉を卓上コンロやロースターで焼き、さらにたれをつけて食べる現代の焼肉スタイルが定着したのは戦後のこと。日本では、塊肉を時間をかけて焼いてから切り分ける西洋スタイルではなく、薄切り肉を素早く焼いて食べるスタイルが浸透しました。
【焼肉にはどんな部位がある? 定番から希少部位まで特徴を紹介】
「一頭買い」や「希少部位」を売りにする焼肉店や焼き鳥店が増えるにしたがって、「これってどこの肉?」とわからないまま食すなんてこと、ありませんか? 大まかな部位とその特徴、知ってるとオーダーの際に便利な希少部位の一部をご紹介しましょう。
■牛肉/王道から希少部位までバリエーションが最も豊富
・カルビ(あばら、バラ肉): 脂の甘みと旨味が強く、焼肉部位の代表格。
・ロース(肩ロース、リブロース): 赤身と脂のバランスがよく、肉本来の旨味を楽しめます。
・タン(舌): 脂肪が多く、濃厚な部位で、独特の歯ごたえがあり、味わいはさっぱり。
・ハラミ(横隔膜): 内臓系ですが見た目と味は赤身肉に近く、ジューシーで柔らかい人気部位。
・ミスジ(肩甲骨の裏): 細やかな霜降りが入り、とろけるような食感です。
・イチボ(お尻): 赤身の旨味と適度な脂のコクを併せ持つ濃厚な部位。
・シャトーブリアン(ヒレ中央):ヒレ肉最上位の部位。 とても柔らかく、キメが細やか。
■豚肉/甘い脂と香ばしさが魅力、タレでも塩でも!
・カルビ、バラ:旨味の強い脂がのった王道の部位。
・トントロ(首): サクサクとした独特の食感と脂の甘みが楽しめます。
・カシラ(ほほ肉・こめかみ): 引き締まった歯ごたえと強い旨味が特徴。
■鶏肉/ヘルシーな部位から食感を楽しむ部位までバリエーション豊か
・モモ:ジューシーでコクがあり、満足感が高い部位。
・セセリ(首肉): プリプリとした強い弾力と濃厚な旨味が詰まっています。
・ヤゲン軟骨(胸軟骨): コリコリとした食感が癖になる、酒のつまみの定番。
・ソリレス(モモの付け根): 1羽から2個しか取れない、ジューシーで旨味が濃い希少部位。
■羊肉/ジンギスカンなどで親しまれ、独特の香りと味わいが
・ロース:クセが少なく柔らかい部位。初めての羊肉におすすめです。
・ショルダー:適度な歯ごたえがあり、噛むほどに旨味が広がります。
・チョップ(骨付きロース): 骨の周りの旨味が強い部位。表面をカリッと豪快に焼き上げて。
【焼肉とバーベキューの違いとは? 調理方法や楽しみ方を比較】
薄切りにした肉を自ら焼きながら食べるのが「焼肉」、屋外で塊肉をじっくり焼いて楽しむのが「バーベキュー」。ざっくりいうとこんな感じでしょうか。焼いた肉を食べるというシンプルな料理ながら、奥深い焼肉料理。それぞれの楽しみ方をご紹介します。
■部位ごとのおいしさを楽しむ「焼肉」
テーブルに設置されたロースターやコンロなどの火床で各自が焼き、焼き立てを食べるのが「焼肉」です。部位によって変わる食感や脂の旨味を味わいます。下味がついた薄切り肉を網や鉄板の上で素早く焼き上げるのが特徴で、さらにタレにつけたり、塩やコショウでシンプルに食べてもよし。下味をつけずに提供されることもあります。家庭の場合は、ホットプレートなどを利用するのが一般的。
■イベントとしての楽しさも味わえる「バーベキュー」
屋外の施設や家の庭などで、蓋付きのグリルなどを使い、焼き手が一括で調理するのが「バーベキュー」です。スパイスをすり込んだ塊肉を、ソースを塗りながらじっくり焼くのが代表的。焼き上がったら切り分けて食べるという、調理プロセスも含めてパフォーマンス性が高く、屋外で人が集まる時間そのものも魅力です。
【「焼き肉の日」に知っておきたい豆知識|「焼肉」と「焼肉」の表記の違いやタレの歴史も紹介】
■押さえておきたい「焼き方のコツ」
牛肉の赤身は焼きすぎると固くなります。また、脂は火を入れすぎても固くはなりませんが、脂が溶け切ってしまうと胃もたれの原因になるのだとか。薄切り肉は強火でさっと、塊肉は弱火でじっくりが基本です。薄切り肉を裏返すのは1回がベストですが、塊肉はこまめに返しても大丈夫。焼いた肉はすぐに食べたいものですが、(特に塊肉は)うつわの上で少し休めることで、うまみ成分が全体にいきわたってよりおいしく食べられるのだとか。鶏肉や豚肉、内臓などは中心部まで十分に火を通すことが大切です。
■現代へと続く「焼肉」はどこから来た?
現在のような「焼肉店」は、戦後の食糧不足のもと、廃棄・肥料に使っていた牛の内臓(モツ)や心臓(ハツ)を、在日韓国・朝鮮の人々が日本人の舌に合うよう提供したことが始まりだとされています。 当時は「朝鮮料理」、「ホルモン屋」などと呼ばれ、親しまれていたそうです。その後1950年代頃から徐々に数を増やして定着。60年代には呼び名が「焼肉」に統一され、一気に全国へと広まっていきました。
現在でも「焼肉弁当」でも有名な焼肉店「叙々苑」が登場したのは1976(昭和51)年。焼肉店のニ大人気メニューである「タン塩焼」と「上カルビ焼」は、叙々苑が発祥です。
■「焼肉」と「焼肉」の違い
送り仮名のない「焼肉」は、看板やメニュー表、一般的な文章やメディアなどで使われている標準的な表記です。
送り仮名がある「焼肉」は、常用漢字の送り仮名のつけ方ルールに厳密に従う場合、公的な文書や新聞、NHKなどで使われています。
表記上の違いだけで、意味に違いはありません。
■日本三大和牛といえば?
「日本三大和牛」と呼ばれているのは、一般的に、神戸牛(こうべぎゅう)・神戸ビーフ、松阪牛(まつさかうし・まつさかぎゅう)、近江牛(おうみうし・おうみぎゅう)の3つ。さらに米沢牛も日本三大和牛に挙げられることもあり、これら4つで「日本四大和牛」と呼ぶケースもあります。
■焼肉でいちばん太らない肉は?
「太りにくい肉」と一括りにはできませんが、エネルギー量や脂質量は部位によって大きく異なります。一般に脂身の少ない赤身を選ぶと、脂質やエネルギーを抑えやすくなります。
■「シャトーブリアン」はフランス人作家の名前!
「シャトーブリアン」とは、ヒレ肉のなかで最上といわれる部位のこと。また、それを網あるいは鉄板の上で焼いた料理を指すこともあります。フランスの作家、フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン屋敷の料理人が工夫して調理した部位だといわれていて、そこからこの名称がつけられたのだとか。
■筋肉は水分保持のタンク!? 「夏に焼肉」は理にかなっている!
人間の体は、成人の場合で約60%を水分が占めています(子どもはその割合がもっと高くなります)。発汗などで体内の水分が多く失われると、体温の調節機能が低下し、頭痛やめまい、吐き気など、熱中症のさまざまな症状を引き起こすことに。みなさん「こまめな水分補給」を実践していると思いますが、体内に入った水分は筋肉にいちばん多く含まれるって知っていますか? 筋肉は、水分を貯めておくタンクのような役割も担うのです。
筋肉量が多いほど、多くの水分を体内に保持することができるので、脱水状態になりにいといわれています。筋肉をつくる材料となる良質なたんぱく質(今回は焼肉推し!)を摂り、適度な運動を習慣にして、筋肉量をしっかり保っていきましょう。
理想は1日50gのたんぱく質を摂ること。日本食品標準成分表では、和牛ヒレ赤肉・生100gのたんぱく質は19.1g、和牛ばら脂身つき・生100gでは11.0gです。効率がいいのは牛も豚も赤身肉。鶏はむね肉(皮なし)やささみに多く含まれています。
必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質なたんぱく質が多い、卵や乳製品も上手にとりましょう。
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全国焼肉協会では2026年8月1~29日、「全国ヤキニクまつり2026」を開催。全国約900の正会員店舗を対象に、5,000円分の食事券が1,129名に当たるキャンペーンを実施しています。暑さがぶり返している8月下旬、焼肉をおいしくいただいて涼しくなるまでの日々を乗り切りましょう!
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- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉プラス』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『焼肉にまつわる言葉をイラストと豆知識でジューシーに読み解く 焼き肉語辞典』(誠文堂新光社)/全国焼き肉協会( https://www.yakiniku.or.jp/ )/エバラ食品株式会社( https://www.ebarafoods.com/ )/モランボン株式会社( https://www.moranbong.co.jp/ ) :

















