「肚裏」ってなんと読む?「はらうら」ではありませんよ!
明日、9月6日は、戦国時代の武将・豊臣秀吉の賢妻として名高く、その手腕から「北政所(きたのまんどころ)」とも呼ばれた、おね(ねね)の忌日で、彼女の晩年の名「高台院」から『高台院忌』と呼ばれます。秀吉といえば、農民出身から天下人まで上り詰めた「立身出世」のシンボルでもありますが、その一角を担ったのは、妻の手腕、内助の功と言っても過言ではないでしょう。…というところで、本日1問目のクイズです。
【問題1】「賢しい」ってなんと読む?
「賢しい」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「賢明である」「優れて上手である」、また、転じて「才知のあるように見せかけるさま」などの意味ももつ言葉です。
<使用例>
「おねといえば、賢しく手ごわい女性のイメージですね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 賢(さか)しい です。
「賢しい」は「賢(かしこ)い」と同様の意味でも使われますが、「小賢しい(こざかしい)」と「小」をつけると「賢こぶって生意気な様子」というイメージになります。一筋縄ではいかないような、機転の利く手ごわい人物、というようなイメージにふさわしい表現かもしれません。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「肚裏」ってなんと読む?
「肚裏」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「腹の中。心の中」という意味です。
<使用例>
「戦国時代の武将は、武術だけでなく、相手の肚裏を読むことに優れていなければ勝てなかったでしょうね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 肚裏(とり) です。
日本語には「人の心の中」「本心」を婉曲的にいう表現が多いですね。「肚裏(とり)」もそのひとつです。ビジネスの場などで登場しがちな言葉ですので、押さえておきましょう。秀吉と言えば、まさに「肚裏」を読むことにたけた智将、というイメージですが、その傍らにおねの存在も大きかったことは、言うまでもないでしょう。まだ秀吉の身分が低かったころ、周囲の反対を押し切り、身分違いの秀吉と10代で恋愛結婚をしたとされるおねは、人の才覚を見抜く力も備えていたに違いありません。
***
本日は、9月6日『高台院忌』にちなんで、
・賢(さか)しい
・肚裏(とり)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』(ブリタニカ・ジャパン)/大阪市ホームページ/高台寺ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱