「重用」ってなんと読む?…正解が、意外かもしれません!

明日・9月15日は『老人の日』です。長年『敬老の日』として定着していた日ですが、ハッピーマンデー制度が始まったことにより『敬老の日』がフレキシブルな「9月の第3月曜日」となり、それに伴って9月15日は『老人の日』という記念日になりました。『敬老の日』は「老人を敬う日」ですが、『老人の日』は啓発を主な目的としており、「老人福祉への理解や感心を高めること」「社会を生きる人々が協力して助け合い、老人が自ら生活の向上を努めること」などの目標が掲げられております。老人は年齢を重ねた人…ということで、本日は「重」という字の入った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「八百重」ってなんと読む?

「八百重」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「幾重にも重なっていること。非常に遠く隔たっていること。また、その場所」という意味です。

<使用例>

「私が若いころには、米国など八百重のかなたに思えましたが、今はインターネットで米国にいる娘の顔を、いつでも見ることができます」

かな3文字です。
かな3文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 八百重(やおえ) です。

似た定番の言葉に「五百重(いおえ)」もございます。
似た定番の言葉に「五百重(いおえ)」もございます。

「八百」を「やお」と読むことに関しては、青果店を「八百屋(やおや)」と言うので、想像しやすいですね。「八百(やお)」は「八百万(やおよろず)」など、日本古来「非常に大きい数字」を概念的に示唆する表現です。「八百重(やおえ)」、美しい言い回しですので、大人の語彙としてインプットしておきましょう。

さて、2問目にまいります。

【問題2】「重用」ってなんと読む?

「重用」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「その人を重んじて、重要な役に用いること」です。

<ヒント>

「この企画では、育成の意味も込め、若手を重用したいと思います」

「重」の読みかたで迷いませんか?
「重」の読み方で迷いませんか?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 重用(じゅうよう/ちょうよう) の2通り です。

どちらか片方だけが正解、と考えている方も多いようです。

「重」の音読みは「ジュウ」「チョウ」の2通りがございます。どちらか片方の読み方のみが正解、という熟語も多いものの、「重用」は、現在では「じゅうよう」でも「ちょうよう」でも、どちらで読んでも正解ということになっております。もともとは「重用(じゅうよう)」と読む熟語なのですが、「重要」との使い分けのため、あえて「ちょうよう」と言う例が慣用的に増えはじめ、1955(昭和30)年には、この読み方も採用する辞書が登場しました。ですから、それ以降はどちらの読み方でも正解、という解釈で問題ないでしょう。9月15日が『老人の日』に変化したように、言葉の解釈も時代に添って変化しているのですね。

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本日は、9月15日『老人の日』にちなんで、「重」という字の入った日本語から、

・八百重(やおえ)

・重用(じゅうよう/ちょうよう)

の読み方、言葉の背景をおさらいいたしました。

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/NHK放送文化研究所ホームページ/『郵便局のネットショップ』ホームページ/全国社会福祉協議会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱