【目次】

【「秋のお彼岸」とは? 意味や由来を解説】

■「お彼岸」っていつ?

お彼岸とは、9月の「秋分の日」と3月の「春分の日」、それぞれを中日(ちゅうにち)とした前後3日間、合計7日間の期間を指します。つまり、お彼岸は年に2回、1週間あり、それぞれ「春の彼岸」「秋の彼岸」と呼ばれます。また、彼岸の最初の日を「お彼岸の入り」、最後の日を「お彼岸の明け」、春分の日・秋分の日を「お彼岸の中日」と呼びます。

■そもそも「彼岸」って何?「由来」は?

春分・秋分を中心に営まれる彼岸会は、日本で発達した仏教行事とされ、その歴史は平安時代初期まで遡ります。やがて寺院の法要と人々の先祖供養が結びつき、現在のお彼岸の習慣が形づくられていきました。

そして「彼岸」は、向こう岸を意味する仏教語です。サンスクリット語の「パーラミター」は漢字で「波羅蜜多」と音写され、漢訳仏典では「到彼岸」、すなわち迷いの世界から悟りの境地へ至ることと解釈されてきました。

ご存じの通り、「秋分の日」と「春分の日」は、太陽がほぼ真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。西方に極楽浄土があるとする浄土信仰と、太陽がほぼ真西に沈む春分・秋分とが結びつき、この時期に先祖や故人を供養する習慣が広まったとされています。


【2026年の秋のお彼岸はいつからいつまで?】

2026年の秋のお彼岸は、9月20日(日)から26日(土)まで。中日は9月23日(水・祝)の「秋分の日」です。

お彼岸の日程は、春も秋も、それぞれ「春分の日」と「秋分の日」が基準となっています。「春分の日」と「秋分の日」は、「国民の祝日に関する法律」により、「国民の祝日」に制定されて休日になっていますから、皆さんカレンダーなどでチェックしているはず。

でも実は、「春分の日」と「秋分の日」は「祝日」として、法律に具体的な月日は定められていません。それぞれ、天文学上の言葉である「春分日」と「秋分日」によって決まるのです。「春分日」と「秋分日」は、国立天文台が毎年2月に公表する暦要項により、翌年の日付が確定します。1年の長さが暦上の365日と一致しないことや、地球の運行状態などの影響により、秋分日は年によって9月22日から24日の間で変わります。


【お彼岸に「おはぎ」を食べる理由は?】

小豆の赤い色には邪気を払い、災いから身を守る力があると考えられてきました。また、かつて貴重だった砂糖を使ったおはぎやぼたもちを供えることで、先祖への感謝を表す意味も込められています。


【秋のお彼岸にまつわる豆知識】

「お彼岸」は、お墓参りをすることで、ご先祖さまを供養し、感謝を伝える日とされています。どんな習慣があるのでしょうか。

■お仏壇を掃除して、お供えをする

お彼岸を迎える前に済ませておきたいのは、お仏壇・仏具の掃除です。お盆やお正月と同様、家族や親族が集まる家は、早めに済ませておくと安心ですね。お仏壇の一般的なお掃除方法を簡単にご説明します。

(1)飾ってある仏具を外す
(2)お仏壇の内側・外側のほこりを「毛払い」という道具で払う
(3)柔らかい布で乾拭きする
(4)仏具を元に戻す

飾り方がわからなくなってしまわないよう、掃除前にお仏壇の写真を撮っておくと安心です。

■「お墓」を掃除してお参りする

「お墓参り」の際には、まずはお墓の掃除を行うのが慣例となっています。

・墓石の前にしゃがんで両手を合わせ、ご先祖さまや故人に掃除をすることをお伝えする
・手で敷地内の雑草や落ち葉を取り除き、枯れた供花などのゴミがあったら持参したゴミ袋に集める
・手桶で運んだ水をひしゃくで墓石に掛け、下へ向かってスポンジなどで優しく汚れをこすり落とす
・花立や香炉などお墓の周囲にある備品も洗い、できれば雑巾やタオルで墓石などすべての水気を拭き取る
・ゴミは、敷地内にゴミ箱の用意があればそこに捨て、なければ持ち帰るのがマナー
掃除に必要なもの、例えば軍手やスポンジ、たわし、雑巾、ゴミ袋などは持参しましょう。

掃除が終わったら、お墓の前にお供え物を捧げます。花立に水を入れて供花を生け、お菓子や果物、飲み物などを置きます。お供えをしたら、香炉に火をつけたお線香を入れて、数珠を手に合掌します。その際、墓石の前にしゃがんで拝みます。

「お彼岸」は仏教に由来しますが、仏教を信仰していない人でも、お彼岸にお墓参りをするのは一般的な日本の習慣といえます。ご先祖さまに感謝の気持ちをお伝えし、心を込めてご供養しましょう。

食べものや飲み物は、鳥や動物に荒らされたり、墓石を汚したりする原因になります。墓地の規則に従い、お参りが終わったら持ち帰るのが一般的です。

■おはぎをお供えする

一般には、春の牡丹にちなんで「ぼたもち」、秋の萩にちなんで「おはぎ」と呼ぶと説明されています。かつては、ぼたもちは大きめの丸形、おはぎは小ぶりの俵形、あるいは、ぼたもちはこしあん、おはぎは粒あんともいわれました。ただし、呼び分け方は地域や店によって異なり、現在は両者に明確な違いがない場合も少なくありません。

おはぎは彼岸の中日に供えることが多いものの、供える日や方法は地域や家庭、宗派によって異なります。傷みやすいため、長時間置いたままにせず、適切なタイミングで下げましょう。

■秋のお彼岸のころに咲く「彼岸花」

秋のお彼岸のころに咲くことから、その名が付いたとされる彼岸花。曼珠沙華(まんじゅしゃげ)とも呼ばれます。花が終わったあとに葉が伸び、花と葉を同時に見ないことから、「葉見ず花見ず」とも呼ばれてきました。
彼岸花は有毒植物のため、口に入れないよう注意が必要です。また、墓地や公園などに咲いている花を無断で採取してはいけません。

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秋のお彼岸は、秋分の日を中日とする7日間です。2026年は9月20日(日)に彼岸入りを迎え、9月23日(水・祝)が中日、9月26日(土)が彼岸明けとなります。

お墓参りに決められた作法がひとつだけあるわけではありません。大切なのは、墓地や宗派の決まりを尊重しながら、ご先祖や故人に心を寄せること。お墓へ出向くことが難しい場合も、自宅で静かに手を合わせることで、感謝や追悼の気持ちを表せます。秋の訪れを感じるこの時期に、受け継がれてきたお彼岸の意味を改めて見つめてみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /国立天文台『暦wiki』(https://post-v.precious.jp/sys/articles/21974)/『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社) :