「片頬笑む」ってなんと読む?「とうだぶくろ」ではありませんよ!
明日、10月11日は『ウインクの日』です。「10」「11」をそれぞれ90度倒して並べると、ウインクをしている目のように見える…ということから、「この日に起きてすぐ、好きな人の名前の字数ぶんウインクをすると、想いが届く」というおまじないが出てきて、女子中学生の間で広まったのだそう。SNS上で「#ウインクの日」のハッシュタグでウインクしている写真を送り会う、などの文化も育っているようです。
欧米ではちょっとした好意を伝える目くばせの動作として定着しており「A nod is as good as a wink(うなづきはウインクと同じで心が伝わる)」という「以心伝心」を意味することわざもございます。 ウインクは「片目をつぶる動作」ですので、本日は「片方」という概念に関連した日本語クイズをお送りします。
【問題1】「片頬笑む」ってなんと読む?
「片頬笑む」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「片方の頬に笑みを浮かべる。ちょっとほほえむ」という意味です。
<使用例>
「あのとき、普段は厳格なお父さんがそっと片頬笑んだ顔を、私はずっと覚えていたわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 片頬笑む(かたほえ-む) です。
「片頬笑む」とはどういう笑い方でしょうか? 意味を知らないと「片頬だけで笑うということは、嘲笑や冷笑かしら?」と勘違いしてしまいそうですが、正しくは「微笑する」「少しだけほほえむ」という意味です。江戸時代には「笑うこと」について「武士は3年に1度片頬」という言い回しがあり、「武士ならば、ごくまれに片頬でほほえむくらいでよい(ワハハと笑うのは、厳格な大人の男性らしい行為ではない)」ととらえられて来ました。現代風に読み解くと「片頬笑む」は、「シブい魅力のある人や、ふだん感情表現の乏しい人が、ごくまれに見せる控え目なほほえみ」というニュアンスです。なんだかキュンとさせられますね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「隻眼」って何と読む?
「隻眼」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「ひとつの目。片目」「優れた識見」を意味します。
<使用例>
「独眼竜と呼ばれた伊達政宗よろしく、隻眼のキャラクターに惹かれてしまうのよね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 隻眼(せきがん) です。
「隻眼」の「隻(セキ)」は「ただひとつ」また「対になるものの片方」という意味ももつ字です。「優れた見識」という意味では「一隻眼(いっせきがん)」などの熟語が使われることが多いです。
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本日は、10月11日『ウインクの日』にちなんで、「片方」をキーワードにした日本語から、
・片頬笑む(かたほえ-む)
・隻眼(せきがん)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/『tenki/jp』ホームページ/筑紫女学園大学ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱