「漆喰」ってなんと読む?「うるしぐい」ではないですよ!
明日、11月13日は『うるしの日』です。漆塗りの工芸品は丈夫で美しく、古くから調度品や食器に使用され、発展してきました。昔からヨーロッパでは、磁器のことを、この技術の生まれた国の名で「チャイナ」と呼んでいますが、同じように「ジャパン」と呼ばれる歴史をもつのが漆塗りの工芸品です。オーストリアの女王マリア・テレジアと、娘のフランス王妃マリー・アントワネットが漆塗りのコレクターであったことも有名です。ということで、本日は「漆」「塗」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「漆喰」ってなんと読む?
「漆喰」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「壁の上塗りや石・煉瓦の接合に用いる、消石灰に麻糸などの繊維質と膠着剤を加えて水で練ったもの」です。
<使用例>
「バスルームの前室の壁は、湿気の調整をしてくれる漆喰で仕上げるのはどうかしら?」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 漆喰(しっくい) です。
「漆喰(しっくい)」…音読みの「漆(シッ)」と訓読みの「喰(く)う」を組み合わせた重箱読みの熟語です。皆さんは読めましたか? 「漆喰」といえば、次の画像のような、お城や蔵などの壁の仕上げ材としておなじみですが、なぜ「漆」という字が入るのでしょうか?
実は「漆喰」という字は、「石灰」の中国読みにあわせた当て字なのだそう。ですので「漆喰」と「漆(うるし)」は、素材としては何の関係もないのです。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「灰塗れ」ってなんと読む?
「灰塗れ」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「灰だらけになること。そのさま」という意味です。
<使用例>
「暖炉の掃除をしたら、灰塗れになってしまったわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 灰塗れ(はいまみ-れ) です。
「塗る(ぬる)」と「塗れる(まみれる)」、送り仮名の字数が違いますので、区別できるようにしましょう。
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本日は、11月13日『うるしの日』の豆知識をお送りしながら、「漆」「塗」という字の入った日本語から、
・漆喰(しっくい)
・灰塗れ(はいまみ-れ)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/東京新聞ホームページ/漆器山田平安堂ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)/photo AC
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱