「尽期」ってなんと読む?「じんき」ではありませんよ!
明日、11月27日は『ノーベル賞制定記念日』です。ノーベル賞の受賞者に関しては、毎年、世界的な話題になりますね。「人類に最も貢献した人々に賞を与えたい」「受賞者の国籍は一切考慮してはならない」…という、スウェーデンの科学者アルフレッド・ノーベルの遺言によって設立されたノーベル財団が管理する賞ですが、この賞の資金源となったノーベルの莫大な遺産の多くは、ダイナマイトの発明によって得られたものでした。
ダイナマイトは建設や鉱山開発などに活用された半面、戦争の兵器としても使用されることになり、ノーベルはそのことで、大変心を痛めたと言われます。そして次第に「自分の研究により得た資産を人類の幸福に役立てたい」という願いをもつようになったのです。自身の発明に関わる負の部分に対する罪の意識を、人類の幸福に貢献することであがないたかったのでしょう。
本日は「尽」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「尽期」ってなんと読む?
「尽期」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「ものごとの尽きる時期。際限。最後」という意味です。
<使用例>
「ノーベル賞の財源は、ノーベルの莫大な遺産の運用益なので、今後も尽期なく続いていくと思われます」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 尽期(じんご) です。
「一期一会(いちごいちえ)」「末期(まつご)」など、「期(ゴ)」と読む熟語では「際限の期」を意味するものが多いようです。「尽期(じんご)」は、「ものごとの尽きる時期」という意味です。ノーベルの遺産はノーベル財団によって管理・運用され、その運用益によって毎年のノーベル賞の賞金などの財源がまかなわれています。
さて、2問目にまいります。
【問題2】「尽く」ってなんと読む?
「尽く」というの読み方として正しくなるよう、「○○○○く」の○に、それぞれかな1文字ずつ入れて完成させてください。
ヒント:「残らず。すべて。みな」という意味です。
<使用例>
「国籍に関わらず、すべての人が尽く受章の対象になる、というのは、当時としては先進的な考え方でした」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 尽く(ことごと-く) です。
ノーベル賞は受賞者の国籍を限定しない「国際賞」ですが、これは実は、当時としては世界初の試みでした。ノーベルの遺志に込められた視野の広さに感動しますね。
ちなみに「尽く」という表記ですが、「ことごとく」のほか、「尽(つ)きる」の文語形の「つく」、「力尽く(ちからず)く」「納得尽く(なっとくず)く」などに使う「ずく」もございますので、文脈による読み分けが必要です。
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本日は、11月27日『ノーベル賞設立記念日』の話題をお送りしながら、「尽」という字の入った日本語から、
・尽期(じんご)
・尽く(ことごとく)
の読み方などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/東京新聞ホームページ/NHKホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱