連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People
明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介している連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、「サントリー」のビール類最大規模の売り上げを記録する『金麦』のマーケティングを担当する、ビール本部 ブランド戦略部 課長の斎藤圭世さんにインタビュー。
発売から15周年となる’22年に大リニューアルを敢行し、大躍進を遂げた『金麦』の立役者となる斎藤さんのお仕事について詳しくお話しをうかがいました。
【Tokyo】自分らしい働き方を貫きながらビール業界に新風を巻き起こす
「仕立てのいいパジャマ、を意識したんです。ビールって、飲む人にとっては一日のご褒美じゃないですか。だから、リラックスはしていつつ、ちょっと気分が上がるような、いいパジャマみたいな存在でありたいよね、と」
サントリーのビール類最大規模の売り上げをもつ『金麦』ブランド。発売15周年の’22年に大リニューアルを敢行、躍進を続けるが、その立役者が斎藤さんだ。それまで続いてきた慣習やタブーを刷新。横書きだったロゴを縦書きにする、食品にはあまり使われてこなかったエメラルドグリーンを採用する、シンメトリーが当たり前とされていたデザインをアシメトリーにするなど挑戦を続けている。パッケージだけではなく、醸造家にも「家までの帰り道、ふっと金木犀の香りが…というシーンを味にしてください」とイメージを伝える。「そういうもの」として存在する前例に対して、「どうしてそうなっているんですか? って、つい聞いちゃうんです、私」と笑う。
「そして、そういう私を『おもしろい』と言ってくれる環境がある。新しい提案に対してネガティブな意見もあるなか、『 “金麦” という大ブランドで挑戦することに意味があるから、やってみなさい』と言ってもらえる。そのことに、責任と同時にやりがいを感じています」
変革は、働き方にも起こされた。’14年に出産し、育休から復帰した後、斎藤さんは「8時半出社、17時退社」を宣言。それは、ビールのマーケティング部門で現在は唯一の女性管理職となった今でも変わらず続いている。
「会社にいる時間が短いぶん、アウトプットは人の倍、を自分に課しています。課長になったときはさすがに先に帰るのは…とも思ったのですが、既婚の男性メンバーも育休をどんどんとるようになって。立場を問わずロールモデルになればと。私も、母親としての自分も、仕事をしている自分も大切にしたいので、このまま働き続けたい。そして10年後、20歳になった娘と “金麦” で乾杯するのが夢です」
◇斎藤 圭世さんに質問
Q.朝起きていちばんにやることは?
マウスウォッシュでゆすぎながら口の周りの筋肉を目覚めさせる。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
自分よりも製品や広告を「好き」「共感する」と言ってもらえるとうれしい。
Q.急にお休みがとれたらどう過ごす?
本屋さんに好きなだけ滞在して本を買い込む。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
運動が苦手でずっと避けてきたのですが、だんだんとフレイルも気になってくる年齢なので、体幹を鍛えるためにマシンピラティスを始めたい。
Q.10年後の自分は何をやっている?
娘が20歳になるので、『金麦』で乾杯したい。
Q.自分を動物にたとえると?
黒ヒョウ。動物占いでもそうですし、娘にも「ツンデレなところがあって猫っぽい」と言われたので。
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- PHOTO :
- 望月みちか
- 取材・文 :
- 剣持亜弥