「思案投首」ってなんと読む?「しあんとうしゅ」ではありませんよ!

明日、12月6日は『聖ニコラウスの祝日』です。ヨーロッパで行われる、キリスト教にまつわる祝日で、サンタクロースのモデルとなった聖人、司教であったニコラウスの伝説に基づいています。聖ニコラウスは司教になる前、貧しさで困っていた隣人の家に、匿名で煙突から金貨を投げ入れて救った…という言い伝えがあり、これが、年末年始の贈り物交換の俗習と結びつき、「クリスマスに、煙突から入ってくるサンタクロースがプレゼントをくれる」という習慣に発展したといわれます。

ヨーロッパではクリスマスの前、『聖ニコラウスの祝日』にも、子どもたちにプレゼントを贈る習慣があり、司教であったニコラウスの厳格な面も引き継ぎ「1年を振り返って、いい子にはプレゼントを、悪い子にはおしおきを与える」という、教育的側面ももった日とされています。煙突から金貨を投げ入れたというエピソードから、煙突を通ってプレゼントを渡しに来る好好爺(こうこうや)のイメージが生まれたのは、微笑ましい変遷ですね。ということで本日は「投」という字の入った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「御恵投」ってなんと読む?

「御恵投」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「人から物を贈られることを、贈り主を敬って言う語。恵贈」という意味です。

<使用例>

「このクリスマスツリーは、卒業生の皆さまから御恵投いただいたものです」

かな5文字です。
かな5文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 御恵投(ごけいとう) です。

「恵贈」「恵与」の同義語です。
「恵贈」「恵与」の同義語です。

「御恵投(ごけいとう)」という言葉、「投げる」こととは関係なく、「贈り物を賜る」という意味です。大人の語彙のひとつとして覚えておきましょう。

さて、2問目にまいります。

【問題2】「思案投首」ってなんと読む?

「思案投首」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「首を前に傾け、深く考え混むこと」を意味し、いい案がなくて困っているときに使います。

<使用例>

「先生は物欲がない方だから、どんな贈り物がいいものか、思案投首だわね」

かな7文字です。
かな7文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 思案投首(しあんなげくび) です。

日常会話でも、まま使用される四字熟語です。

「投首(なげくび)」だけでも「首を前に投げ出すようにしてうなだれること。採るべき手段・方法がなく思案にくれる様子」を意味します。とはいえ「投首」だけですとわかりにくいからか、実質的には「思案投首(しあんなげくび)」という四字熟語で使われる例が多いようです。

*** 

本日は、12月6日『聖ニコラウスの祝日』にちなんで、「投」という字の入った日本語から、

・御恵投(ごけいとう)

・思案投首(しあんなげくび)

の読み方、言葉の背景などをおさらいいたしました。

この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
BY :
参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本玩具博物館ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
ILLUSTRATION :
小出 真朱