「抽斗」ってなんと読む?「ちゅうと」ではありませんよ!
明日、12月8日は、シャネルのフレグランス『№5』を開発した調香師、エルネスト・ボーの生誕日です。ガブリエル・ココ・シャネルは、女性のファッションに革新的な素材やデザインを取り入れたデザイナーですが、フレグランスの開発にも、その先進的な感覚を発揮しました。
エルネスト・ボーが示した10種のサンプルのナンバリングから、そのまま『№5』を商品名として採用した、というエッジィなセンスの逸話は有名ですよね。更に、『№5』の登場以前は、フローラルベースの香水といえばシングル・フローラルを主としたスタイルばかりだったところ、この香水で初めて、複数のフローラルブーケの香りが融合した抽象的なフレグランスが確立した、言われます。当時、革命的だったことはもちろんですが、誕生から百年余が経過した現在でも、複雑でどこか神秘的な魅力を感じさせる香りですよね。ということで、本日は「抽」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「抽んでる」ってなんと読む?
「抽んでる」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「ひときわ高く出る」「ひときわ優れる」「選び出す」「そのことにひと一倍励む」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「彼女の抽んでた感覚は、服飾デザイン以外でも発揮されたのね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 抽んでる(ぬき-んでる) です。
「抽」という字の訓読みに「抽(ぬ)く」がございます。「抽出(ちゅうしゅつ)」という熟語にも使われる字ですので、納得ですね。この字は「抜き出す」という意味を内包しているのです。
さて、2問目にまいります。
【問題2】「抽斗」ってなんと読む?
「抽斗」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「家具などに取り付けられている、抜き差しできる箱」のことです。
<使用例>
「子どものころ、母のドレッサーの抽斗に入っていた香水瓶を取り出しては、うっとりしたわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 抽斗(ひきだし) です。
「抽」は「抽(ひ)く」とも読む字です。「斗」は「ます」とも読み「液体や穀物などの分量を量る四角い箱」も意味する字です。…ということで、塾字訓として「抽斗(ひきだし)」が当てられたようです。
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本日は、12月8日、シャネル『№5』をつくった名調香師エルネスト・ボーの生誕日にちなんで、「抽」という字の入った日本語から、
・抽んでる(ぬき-んでる)
・抽斗(ひきだし)
の読みがな、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/CHANELホームページ/『THE NIKKEI MAGAZINE』ホームページ/FAMOUS BIRTHDAYSホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱